11/48
保険 後編
愛澤は契約書を受け取った。
「これがパンフレットです」
秋山はパンフレットを渡した。そして秋山は思い出した。
「そうでした。すっかり忘れていました。ご存じですか。板利明という男が容疑者に浮上しました。あなたはホストクラブでよく指名したと聞きました。それで事件前後でストーカー被害に合いませんでしたか」
「いいえ。そのような人にはうろついていません」
愛澤は両手をたたいた。
「なるほど。無差別に女性を狙った通り魔事件ではなくストーカーによる傷害事件であったという私の推理ははずれでしたか」
「それに第二の事件の被害者とは面識がありませんし、明さんとはホストを辞めてから一度も会っていません」
「そうでしたか。では粗品の化粧品です。契約ありがとうございます」
萩原聡子の自宅から出たら携帯が鳴った。相手はジョニーだった。
『写真を撮影した』
「では合流しましょう。そうですね。昼食をしましょうか。場所は問題の板利君の店で」




