応戦
登場人物
萩原聡子 テレビディレクター
安田友美 OL
渋谷可憐 家政婦
板利明 レストランオーナー兼シェフ
佐久間翔 ホスト
宮本栞 大学生
鈴木光子 銀行員
横山司 貿易会社社長
植田進 時計店店主
瀬戸内平蔵 東京地検検事
赤い落書き殺人事件から一週間が経った。ここは横浜港。ある外国人が船で来日した。その男の名はジョニー。アメリカ出身だ。彼は今港町を歩いている。その後ろから金髪の女が声をかけた。
「ハロー。ジョニー」
彼女はナイフを取り出し男に襲いかかった。
ジョニーは華麗にかわした。そして落ちていた鉄パイプで応戦した。女はナイフを落として逃げた。周りを見渡すと、ライフルを構えた人影が見えた。ジョニーはライフルに向かって鉄パイプを投げた。鉄パイプはライフルに命中した。その時ナイフを落とした女が来た。
「もう猿芝居はいいだろう。ラグエル」
女は変装を解いた。
「久しぶりです。レミエルさん。見事でしたよ。たまたま落ちていた鉄パイプを武器にして応戦する姿は。六年で鈍っていると思いました。暗殺者の勘は」
「ラジエルだろ。スナイパーは。あの殺気の消し方は彼女特有の物だ。まさか本当に殺す気で襲ったのか」
「はい。暗殺者の勘が鈍っていたら殺しても構わないというあのお方からの命令です」
ジョニーは舌打ちをする。
「相変わらず悪趣味な野郎だ。それで目的はなんだ。テストだけじゃないだろう。」
「はい。アズラエルさんから送迎を頼まれました。では行きましょうか。群馬県に」
「群馬か。あのお方の出身地であり我々の組織の始まりの場所。そこに何をしに行く」
「閉鎖空間。始まりの場所で行われた神々の遊戯。一説によればその遊戯で組織が作られたという」
「再現か。面白い。メンバーは」
ラグエルこと愛澤は車を指差した。ジョニーは助手席に座った。ジョニーは質問する。
「ラジエルはいいのか。彼女もプレイヤーなのだろ」
「彼女はバイクで行くそうです」
「それにしても暗殺部隊から二人もプレイヤーが選抜とは。何を考えているのだ」
「あのお方の計画の一部だという見解でよろしいです」
「我々を含めて四人です。正式には進行役もいるから五人か。とにかく乗ってください」




