おもてなしのお礼にトマトの炊き込みご飯です
「それでは、よろしくお願いします。邪魔にならないようにしますので」
そう言って、悠利はぺこりと頭を下げた。ここは、領主館の厨房である。アランの仕事を手伝う代わりに、悠利はここへの出入りを許されている。基本的にはおもてなしされる側なのだが、気分転換に何か料理をしたくなったらお邪魔しているのだ。
最初こそ何で客人の少年が……? みたいな反応をしていた料理人達も、悠利の腕前を認めて今では普通に接してくれている。料理を好きでいることも、料理技能が高レベルなことも解って、同類認定されている感じだ。
暇つぶしに軽食を作ったり、領主様のお屋敷の厨房の素晴らしさを堪能して幸せを満喫していた悠利。そんな悠利が今、改めて料理人の皆さんに頭を下げているのには、理由があった。今から悠利は、夕飯の料理を一つ作らせてもらうのである。
これは、そろそろお家ご飯が食べたいという仲間達の欲求を満たすためなのと、特別製の馬車だけでなく転移門まで使えるようにしてくれたデュークへのお礼も兼ねていた。以前アジトに来たときに庶民ご飯も美味しいと言って食べてくれたお兄さんなので、気兼ねなく手料理を振る舞えるのである。
その辺りのことを悠利から聞かされた料理人の皆さんは、滞在中は客人に好きにさせるというのが徹底されているのか、あっさりと許可を出してくれた。といっても、悠利が作るのはあくまでも添え物としての一品だけだ。基本的には料理人の皆さんに夕飯の支度をしてもらう。
用意してもらった食材を前に、悠利は満足そうに頷いている。悠利の前に置いてあるのは、洗って水につけてあるお米に、トマトに、生姜だった。悠利はこれから、トマトの炊き込みご飯を作るのだ。
何故炊き込みご飯を作ろうとしているのかというと、今日までの食事にお米が出てこなかったからである。この辺りでもパンやパスタが主食らしく、お米さんの存在感は薄かった。ただし、幸いなことに置いてあったお米は悠利にも見慣れたお米だったので、それを使って料理をさせてもらうことにしたのだ。
お米はあってもあまり使わないと言うことで、料理人の皆さんもデュークが喜ぶような料理が作れるのなら知りたいと言ってくれた。もしもデュークが気に入ってくれたら、後で作り方の説明をすることになっている。
何故今しないのかと言えば、普通に忙しいからである。料理人の皆さんはただいま戦闘中のようなものである。美味しい夕飯を用意するために、それぞれ役割分担をしながら忙しく働いている。作り方の説明をしている時間はないのだ。
なので、悠利は一人で勝手に作業に入る。厨房の一角を好きに使って良いと言ってもらっているので、大変助かるのである。
「まずは生姜をみじん切りに~」
鼻歌を歌いながら、悠利は慣れた手つきで洗った生姜の皮を剥く。続いてほどよい厚みにスライスし、それを重ねて千切りを作る。千切りが何本も出来たらそれを並べて刻むことで、みじん切りの完成だ。
生姜のみじん切りを入れるのは香り付けと風味付けのようなものである。悠利は個人的に生姜のたっぷり入ったご飯が好きではあるが、今回の主役はトマトだ。あまり生姜を入れてはトマトが負けてしまうので、脇役になる程度にとどめておく。
刻んだ生姜はひとまず小さなボウルに入れておいて、続いてトマトだ。メイン食材である。流石はトマトを愛する領主様ご一家に提供されるトマトと言うべきか、大きさも色艶も完璧だ。年中トマトを提供できるようにと、温度管理をする魔道具まで用いて育てているらしい。
その大変美味しいトマトを水洗いし、まずは半分に切る。そして邪魔なヘタを落とす。ヘタの周辺に白っぽい部分があったらそこも切り落とす。火を入れるのでそこまで気にする必要はないのかもしれないが、気分の問題だ。
ヘタを落としたトマトは、乱切りにする。食べやすい大きさに切るものの、そこまで大きさに関しては気にする必要はない。何せ、ご飯と一緒に炊き込むのだ。仕上がる頃には柔らかく崩れているので。
ただ、大きすぎると火の入り方が均等にならないので、全体を同じぐらいの大きさに乱切りにする。この作業が今回のメイン作業だ。ひたすらに大量のトマトを乱切りにする。
元々悠利が現代日本で見たレシピでは、お米二合に対してトマトは大きめのものなら一つ、小ぶりのものなら二つとなっていた。しかし、実際それで調理をしてみたところ、物足りなく感じてしまったのだ。その後、別にトマトをいくら入れても良いのでは? となり、釘宮家のレシピではトマト増量で作っている。
楽しげにトマトを乱切りにする悠利。その手つきに乱れはなく、トマトの大きさは均一だった。当人は無意識にやっているが、恐らくは料理技能が影響している。高レベルの場合はそういう感じになるのだ。
トマトを切り終えたら、下準備は完了だ。お米は既に水につけてあるので、ここから調味料を投入する作業に入れる。炊き込みご飯などの調味料を入れてお米を炊く場合は、調味料を入れる前に水に浸けておくのがポイントだ。調味料を入れてしまうとお米が水を吸い込みにくくなり、ヘタをすると芯の残った固いご飯になってしまうのだ。
その辺りの説明はしなくとも、料理人の皆さんは理解していたのだろう。悠利が炊き込みご飯を作るのでお米を用意してほしいと頼んでおいたら、ちゃんと水に浸かった状態のお米が渡されたというわけである。
なお、トマトから水分が出るので、水は気持ち控えめにお願いしてある。そのお米の入ったお鍋に、調味料を入れるのだ。……ちなみに、お鍋は二つある。大鍋一つだと重たいので。そろそろ悠利のご飯が恋しくなりかけている仲間達の胃袋を考えると、鍋二つぐらいの方が良いなと思ったのだ。
そんな鍋に、悠利は調味料を入れる。使うのは、醤油と料理酒と顆粒だしである。悠利が作る炊き込みご飯の基本トリオだ。慣れた調味料がある方が良いということで、顆粒だしはちゃんと持ち込んでいるのだ。
……えぇ、持ち込んでいるのです。旅行に持っていく物ではないというツッコミは止めてください。相手は悠利です。諦めてください。
調味料を全部入れたら、ぐるりとお鍋の中身を混ぜる。全体に調味料が行き渡るように混ぜたら、スプーンでちょっとだけ味見をする。多分問題ないなというのを確認して、みじん切りにした生姜と少量のオリーブオイルを入れて全体を混ぜる。
最後の仕上げに、乱切りにした大量のトマトをごろりと入れる。お米の上に並べるように入れるだけで、これは混ぜない。炊き上がってからざっくり全体を混ぜ合わせるのである。
そうして準備が出来たら、ご飯を炊く作業だ。アジトでは炊飯器を使っていたが、ここでは滅多にご飯を炊かないらしいのでお鍋でだ。コンロの上にお鍋を二つ並べて、火をつける。
「はじめちょーろちょーろ、中ぱっぱー」
コンロにかけた鍋を見ながら、悠利はそんな風に小声で歌う。……いつもだと一緒に作業をしている見習い組と雑談をしているので、一人だと手持ち無沙汰なのだ。一応ご飯を炊くときのやり方を示した歌だが、温度管理が簡単なコンロの場合はあんまり関係ないかもしれない。
強いて言うなら、「赤子泣いても蓋取るな」の部分は同じだろうか。炊き上がるまで、途中で気になっても絶対に蓋を取るな、というやつである。途中で蓋を取ると蒸気が逃げてしまって、炊き上がりに影響するのだ。
鍋でご飯を炊く手順は、そこまで難しくはない。まずは中火で沸騰するまで火にかける。しっかりと沸騰したら、そのまましばらく沸騰させる。その後、火を弱めてことこと煮詰め、少しして火を止めて蒸らす。
時間配分や火加減については、米の量や鍋の大きさ、使っているコンロの火力などによって変動するが、流れとしては概ねこんな感じである。大事なのは、しっかりと沸騰させることだ。
なお、悠利にはこういうときに大変便利な【神の瞳】さんがついているので、温度管理などお手の物だ。じーっと見ていると、火を弱めるべきタイミングでお知らせしてくれるし、火を消すタイミングも教えてくれる。
ついでに、蒸らし時間が終わったらそれも教えてくれる。……恐らくは、見ている物の状態を読み取る能力の応用なのだろうが、自発的に教えてくれるのはどう考えても規格外である。悠利当人は便利だとしか思っていないが。
とにかく、そんな感じで【神の瞳】さんのおかげで良い感じにご飯は炊き上がった。ふわっと香る出汁の匂いが何とも言えない。出汁の香りは、悠利にとって美味しいご飯を連想させると同時に、妙にホッとする香りなのである。
領主館の料理人の皆さんが作ってくれる料理は、勿論文句なしに美味しい。それは本当だ。とても美味しいと思っているし、毎回ご機嫌で食べている。どうやって作るんだろうと好奇心を刺激されてもいる。
しかし、余所のお味である。外食の味である。どれだけ美味しくっても、馴染んだいつもの味ではない。そうなると、あまりにそれが続くとちょっと普段の味が恋しくなるのだ。
それを誤魔化す意味も込めて軽食を作ったりしていたのだが、出汁で炊いたご飯の匂いというもので、その気持ちがぶわっと盛り上がった感じだった。鍋の前で炊き上がるのを待っている間ですら、お腹がくぅと鳴ってしまったほどだ。
蒸らし終わった鍋の蓋を取り、中身をしっかりと混ぜる。底から全体を均等に混ぜ合わせる。そのときに、上に乗っていたトマトは綺麗に潰れる。そのトマトの赤がご飯に混ざって、何とも色鮮やかだ。
二つの鍋をきっちり混ぜると、悠利は試食として少量のご飯を器によそう。熱々ホカホカの炊きたてご飯を、そろっと口へと運ぶ。
最初に口に広がるのは出汁の風味だ。醤油の優しい味わいが広がって、続いてトマトの酸味と旨味がじゅわりと広がる。柔らかく火が入ったトマトがご飯と絡み合い、その旨味があますことなく吸い込まれている。
炊き込みご飯の味付けとしてはシンプルなものだが、そこにトマトが加わることで何とも言えないコクが生まれている。トマトの旨味は良い仕事をするのだ。
もぐもぐと味見用のトマトの炊き込みご飯を満面の笑みで食べている悠利。馴染んだお出汁の風味に、食べ慣れたお米というコンボで、何とも言えない幸せを噛みしめているのである。
そんな悠利の元に、作業の手が空いたらしい料理人が何人か寄ってくる。何を作るのか気になっていたのだろう。
真剣な顔をしている料理人さん達を見て、悠利はにっこりと笑った。
「良かったら味見してみてください。お好みで、胡椒をかけても美味しいと思います」
悠利の言葉に、料理人達は顔を輝かせた。やはり料理を生業とするだけあって、見知らぬ料理への興味はあったのだろう。礼を言って少しずつ味見をしている。
勿論、夕飯に提供する量なので何人も味見をするわけにはいかない。なので、味見をしているのは片手で足りる人数だった。しっかりと味わうように咀嚼している。
噛めば噛むほどに口に広がる旨味に、驚いたような顔をしている料理人達。しかも、彼らのご主人様である領主一家が好むトマトが、実に良い仕事をしているのだ。ご飯全体にトマトの旨味が染みこんでいて、それが実に素晴らしい。
真剣な顔で味見をしている彼らを見て、悠利はこう告げた。
「味に問題が無さそうなので、夕飯に出して貰えると助かります。あと、デュークさんの反応が良かったら、作り方は改めてお伝えしますね」
「よろしくお願いします。恐らく、お気に召すと思います」
「……デュークさんって、割りと庶民ご飯もお好きですよね」
「あの方は、己の中に確固たる価値基準をお持ちですから」
そんな風に笑う料理人。他の料理人も同感なのか、全員楽しげに笑っている。そこには次期領主様への敬意は確かにあるけれど、それ以上に親しみが溢れていた。愛されてるなぁと悠利は思う。
「それでは、後はよろしくお願いします。お邪魔しました」
ぺこりと頭を下げて、悠利はその場を後にする。盛り付けや配膳は悠利の管轄ではない。そこまで手を出すと、皆さんの動きの邪魔になってしまうからだ。
去り際に、美味しいご飯楽しみにしてますと告げるのは忘れずに。料理人の皆さんが作る料理は、確かに楽しみだったので。
そして、夕飯の時間。今日もご馳走が並ぶ食卓の中に、妙に違和感を抱く庶民ご飯っぽいものを見つけて、仲間達は何とも言えない顔をしていた。
皆の前には、器に盛り付けられたトマトの炊き込みご飯。悠利が胡椒をかけると美味しいと告げておいたので、ちゃんと胡椒がかけられている。胡椒のピリリとした刺激が良いアクセントになるのだ。
うんうんと満足そうな悠利を見て、その隣に座ってたヤックが質問を投げかけた。ある意味で答えがわかりきっている質問を。
「もしかしてこれ、ユーリが作った?」
「うん」
「何で?」
「料理がしたかったのと、ライスが食べたかったからだよ」
「……そっかぁ」
悠利は仲間達に比べてお米への欲求が強い。そのことをヤックも知っているので、パンばっかりで飽きたんだなぁという感じだった。あと、料理がしたかったというのも説得力がありすぎた。
そんなやりとりをしている悠利とヤック。二人の会話を聞いた仲間達は、やっぱりこれは悠利が作ったんだなと理解した。理解して、じゃあきっと美味しいものだと言うように手を伸ばす。
見た目は、トマトが混ざったほんのり色付いただけのご飯である。しかし、ぶわっと香る出汁と醤油の匂いは実に美味しそうで、トマトの匂いも良い感じだ。
真っ先に口へと運んでいるのは、レレイだった。彼女は何でも美味しく食べるし、悠利が作ったものなら何も考えずに食べる。あーんと大口を開けて頬張っている。
もぐもぐと満面の笑みでご飯を頬張るレレイ。彼女の食べる姿には周囲を引き込む不思議な魅力がある。端的に言うと、レレイが美味しそうに食べていると本当に美味しそうに見えるし、食べてみたくなるのだ。
レレイにつられたように、仲間達も皆食べ始める。豪華な食事とは違う、いつものご飯だ。だが、食べたこともない美味しい料理である。口に運んだ瞬間、ぱぁっと皆の顔に笑みが浮かぶ。
炊き込みご飯は何度も食べている。出汁と醤油の風味がご飯をより美味しくしてくれるのを知っている。しかし、そこにトマトが加わるだけで、こんなにも風味が変わるのかと皆は思った。
トマトの旨味が全体にコクを生み出し、更に生姜が背後で味に彩りを添える。また、仕上げにかけられた胡椒が大変、大変良い仕事をしているのだ。胡椒がアクセントになり、優しいだけの味わいをピシッと締めてくれる。
美味しい美味しいと言いながら食べる仲間達。並べられているご馳走も美味しいが、そのご馳走と良い感じに合うトマトの炊き込みご飯が絶品であった。
そう、料理人達が用意してくれた食事は、どれもこれもトマトが入っているものだ。勿論、全部がトマト味というわけではない。彩りとして添えられているとか、隠し味程度にトマトソースが使われているとかだ。だからこそ、トマトの炊き込みご飯と合うのだ。
パンやパスタも美味しいが、ご飯も美味しい。それを知っている《真紅の山猫》の仲間達だからこそ、もりもりと食べている。あちこちからお代わり希望の声が飛ぶ。
そんな中、真剣な顔でトマトの炊き込みご飯を味わっている人がいた。デュークである。真面目な顔や無表情になっていると恐ろしいほどに美しいという表現をしたくなる美貌の持ち主なので、そこだけ何やら空気が違う。当人は気づいていないが。
一口、また一口と、噛みしめるようにトマトの炊き込みご飯を食べている。柔らかくなったトマトを食べているときにトマトの味がするのは当然だが、トマトの存在しないご飯だけを食べてもその旨味が染みこんでいるのが気に入ったのだろうか。デュークのスプーンは止まらなかった。
「あらお兄様、そんなに気に入ったのかしら?」
「あぁ、マリア。これはとても美味しいものだね。ライスがここまで美味しくなるとは初めて知ったよ」
愛しい妹の問いかけなので、デュークは打てば響くように答えた。トマトの炊き込みご飯が美味しいのは事実なので、それも踏まえて満面の笑みである。……相変わらずこの次期領主様は、庶民ご飯もお気に召すらしい。
「少年、これは作るのは難しいのかな?」
「いえ、調味料を入れて炊き込むだけなので、そこまで難しくないです。後ほど、料理人の皆さんに作り方をお伝えする約束をしています」
「それは良かった。是非とも、皆にも食べて貰いたいからね」
にっこり笑顔でそんなことを告げるデュークに、悠利はあははと乾いた笑いを零した。安定のデュークである。以前遊びに来たときにトマトのスープパスタをお気に召したことから考えるに、このお兄さんは本当に美味しいものは美味しいしか考えていないのだ。
料理人さん達に教えると決めたときからそうなるとは思っていたが、領主様ご一家にこれが振る舞われるのかぁと思う悠利だった。改めて考えると凄すぎる。庶民ご飯が領主様の食卓に並ぶのである。……深く考えると色々と怖いので考えるのを止めた悠利である。
「今回はシンプルにトマトしか入れていませんが、他の具材を足しても良いとは思います」
「他の具材?」
「オススメはベーコンですね。トマトとの相性も良いですし、ベーコンの旨味が滲んで良いと思います」
そう言って笑った悠利に、なるほどとデュークは頷いている。トマトとベーコンの相性が良いのは、他の料理でも使われるコンビなので証明されている。
「他には?」
「個人的にですが、チーズも合うかな、と。あと、今回は生姜のみじん切りですが、ガーリックのみじん切りも美味しいと思います」
笑顔でアレンジ案を伝える悠利に、どれも美味しそうだと笑うデューク。二人の話を聞いてにこにこ笑っているマリア。
……そして、聞き耳を立てていた仲間達は、自分はどのアレンジで作ってもらおうかと考えていた。帰宅したらお願いするつもり満々である。
「あと、胡椒を散らしてありますけど、刻んだ青じそでも良いと思います。バジルも多分美味しいですね」
「今回胡椒なのには理由が?」
「青じそは好みが割れるので……。僕は個人的には好きです」
そう、青じそは和製ハーブの名に恥じず、割りとクセがある。好きな人は好きだが、苦手な人は苦手という食材でもある。だから今回は入れなかったのだ。
なお、これがアジトだったら、遠慮せずに青じそを載せている。仲間達は青じそが入っていても気にしないので。一応悠利も、余所でお料理をするので気を遣ったのだ。
「それでは、そういう話も料理人に伝えておいて貰えるかな?」
「了解です」
「君達が帰った後の楽しみが出来たよ。アランにも食べさせてあげよう」
そう言って実に幸せそうに笑うデューク。もしかしたら、悠利が教えてくれたレシピであるというのを口実に、可愛い弟とお喋りをしようと思っているのかもしれない。彼の愛は深いのだ。たとえ相手に面倒くさそうにあしらわれても、その愛は消えないのである。
もぐもぐとトマトの炊き込みご飯を味わって食べながら、悠利は思った。お鍋二つで作っておいて良かった、と。他のおかずもパンもパスタもあるので足りなければそちらを食べて貰えば良いが、少なくともお代わりできる程度の分量は確保できているので。
美味しい美味しいとお代わりをする仲間達を見つつ、なくなる前に自分もお代わりに行こうと思う悠利でした。久しぶりの庶民ご飯は、やはり癒やされるのでありました。
なお、料理人の皆さんにアレンジの種類を説明したら、一通り全部試してから提供しますと言われるのでした。お仕事頑張ってくださいと思う悠利でありました。
トマトの炊き込みご飯、美味しいよね!!!
ご意見、ご感想、お待ちしております。
なお、感想返信は基本「読んだよ!」のご挨拶だけですが、余力のあるときに時々個別でお返事もします。全部ありがたく読ませて頂いております!





