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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編後半

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第83話 「はむぅぅぅ」……ハムってなんだよ?

 深いキス(意味深)ってR15タグを設定したら描写していいんですかね?

 僕の「富士山が凄く綺麗に見えますよ」という言葉に釣られてこっちを向いた江里さん。

 富士山を眺められることを楽しみにしていたのか、形の良いアーモンドアイを大きく開いて。

 好奇心に瞳をキラキラと輝かせ、唇に薄い笑みを浮かべた江里さん。


 残念ながら富士山は嘘なんです。ごめんなさいぃぃぃ! と内心で叫びながら謝りつつ、僕は覚悟を決めて江里さんの唇を――塞いだ。





 ……さて、どうなったかを言わせてほしい。


 僕は江里さんに散々やられている、指を挟んでキスをしたフリ、を真似する“つもりだった”。


 けど現実はそうは上手くいってくれなくて。

 特に僕みたいな不器用でおっちょこちょいな人間がいきなり思い付きで真似できるはずもなく。





 ――僕は指を挟み損ねた状態で、江里さんに正真正銘の紛うことのない……き、キキキキッスをしてまった!!


 ……ギィィィヤァァァァァァァァッ!? 

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!

 今すぐバスから飛び降ります!

 視界から消え去ります!

 この命を懸けて全力で謝りますッ!!


「…………」

「…… (あっ)…… (んむぅっ♡)


 心の奥底からそう思っていても身体は全くもって動かない。

 久しぶりの完全停止だった。

 僕の中の動力源が全て強制的に遮断されていて、肉体が石になってしまったような感覚。


 ま、間違っても……江里さんの唇の柔らかさを堪能しようとしているわけではない!

 というか今はそんなことを感じられる精神的余裕はなかった。


 初めは驚いたように目を見開いていた江里さんだったけど、徐々に目を細めていって最終的には瞼を閉じてしまった。

 それにてっきり突き飛ばされるかと思っていたのに、逆に僕の首に手を掛けてきて抱きしめられてしまった。……もしやこれは僕がやった仕返しに対する反撃を真似されてしまったのだろうか!?


 なんてどうでもいいことに思考を割り当てて、何とか再起動しようと試みていたら――、


「相田ー」


 前の方から僕を呼ぶ半田くんの声が聞こえてきた。


 んにゃぁぁぁぁぁぁぁッ!?

 呼吸が……心臓が……脈が止まったかと思った。

 文字通り、死ぬほどびっくりした。

 冷や汗が背中を伝っていた気がする。


「……は、は――ッ!?」

「――ん~っ♪」

「むぅぅぅぅぅぅぅ!?」


 石化した筋肉を無理やり動かして、なんとか江里さんから離れて「はい」と返事をしたはずなのに……出てきた言葉は「はむぅぅぅぅ」というものだった。

 言うまでもなく、今度は江里さんが僕の唇を塞いだからだ。


 ……なッ、なんでやっと離れられたのにまたキスしてくるんですか!?

 江里さんちょっと待って!

 これ以上ふざけるのはダメですって!

 今呼ばれてるからホントやめて下さいッ!!


「おーい? 相田? ハムってなんだよ?」

「んん゛さ゛ん!?」(えりさん!?)

「……ん~ふっ」(だぁーめっ♡)

「…………相田?」


 僕の異変を察知したのか、半田くんのがっちりとした体格が鳴らす鈍い足音がゆっくりと近づいて来ている。


 とてつもない緊張感。

 まぎれもない背徳感。

 言い表せない高揚感。


 様々な感情が入り混じって僕が抵抗を諦めた頃、江里さんがゆっくりと目を開けた。

 何をするのかと疑問に思っていたら少し顔を傾けて、より深く唇を重ね合わせてきた。


 ……お父さん、お母さん、僕は幸せでした。

 ……どうやら昇天する時がやってきたようです。先立つ不孝をどうかお許し下さい。


 僕が耐え切れなくなって昇天する覚悟を決めたところで、いよいよ半田くんの足音が間近に迫ってきた。


 あぁ、もうどうなってもいいやぁ~!


 ――ギシッギシッギシッ。


 ――そして重厚な足音と共に半田くんがやってきたのだった……。


「……相田?」

~レビューへのお礼~

 ……………………………………チーン……………………………………(昇天寸前のしきはら)

 レビュー18(イヤー)件! ……よしのが「イヤー件だ! イヤー件! アイヤー件!」と言いながらひとりで笑い転げていました(遠い目

 ……どうやらしきはらよりも先によしのがぶっ壊れたようです(ツボったらしい

>ストレス社会で病んだ心を癒す場所。 ←いいえ違いますよ?(笑)皆様を吐血させて昇天させようと試行錯誤している人体実験場みたいなところですよここは(ニッコリ

 ハレノクニ様、レビューありがとうございます!

 やっぱり、気絶じゃなくて……昇天させなきゃ!(謎の使命感


「……どうじょうはちやがきに、お砂糖とハチミツ、かけたの……ハレくん…………好きなの? …………あ…… (あーんっ!)」(問答無用でハレノクニ様の口に堂上蜂屋柿を押し込んでいく江里さん)

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cool

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