表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編前半

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/127

第46話 特技:死んだフリ(上手くできるとは言っていない)

 江里さんが先に帰ってしまってから休みを挟んで今日は月曜日。


 この休みで僕は――初めて携帯電話を買ってもらった。


 もともと親からは「何かあって急に連絡しなきゃいけない時に不便だから」と言われていて、この休みの日に買いに行くことは前々から決まっていた。……決して江里さんに言われたから買ったという訳ではない。


 保護カバーすら装着していない真新しいスマホをスラックスのポケットに入れて。

 僕は普段よりも心持ち高いテンションで教室の戸を開けた。……今日は江里さんよりも先に挨拶するぞ! と意気込んで。


「おはようござ……?」

「…………」


 教室の引き戸を開けると同時に朝の挨拶をしたんだけど……。

 江里さんが自席に突っ伏して顔をこちらに向けたまま動かない。

 よく見ると瞼が閉じている。……もしかして眠っているのだろうか?


「……み、美奈さん?」

「……っ!? …………」


 席に向かって歩きながら江里さんに声を掛けたら、微かに身体が揺れた。

 どうやら起きてはいるらしい。

 体調でも悪いのかな? それともまた寝不足なのか……?

 そう考えながら着席しようとしたところで……僕は気付いてしまった。


 机に伏せている江里さんは右手の人差し指だけを軽く立てていて、その下には紙が置かれている。


 何となく気になってその紙をよく見てみたら、赤いペンで何か書いてあった。……えーっと、なになに……、


=================================

被害者


氏名:江里美奈

性別:女性

誕生日:7月7日←七夕!

身長:そーくんより低い

体重:は答えられません

血液型:AB型

特技:料理と死んだフリ

好きな食べ物:カレーライス(甘口)

好きな色:空の色(スカイブルー)

好きなもの:犬と猫とパンダと最近はハシビロコウも好き

好きな本:は答えられません

嫌いな食べ物:特にありません! ←私の長所!

ダイイング・メッセージ:そーくんの好き嫌いを教えてくださ…………

=================================


 ……教室に入ったら江里さんが死んだフリをしています。……色々とツッコミどころが満載な気がするけど。


 とりあえず設定は理解できた。

 わざわざダイイング・メッセージの項目があって、そこだけ書いている途中で力尽きた、みたいになっている。……だから赤ペンで書いてたのか。


 ここで普通に答えてもなんだか面白くない気がするので、“特技:死んだフリ”をしている江里さんの眼前に僕のスマホを置いてから声を掛けた。


「……携帯買いました」

「……!? …………」ガタッ……ガタガタガタガタ


 そっと僅かに薄目を開けた江里さんが驚いたように揺れて、椅子と机が盛大に音を立てた。その後も声を掛けたいのを必死に堪えているのか、プルプルと江里さんが小刻みに揺れている。


 ……反応がかわいい。“特技:死んだフリ”とは何だったのか……。


「連絡先……交換し――」

「――するーっ!」


 僕の言葉を遮って、ガバッと音がしそうな勢いで起き上がった江里さんが右手を一直線にピンと上げて元気よく言った。……なんだこのかわいい生物は! 同じ人類とは思えないぞ!?


 それから慣れない手つきでなんとか無事に番号交換を終えた。よかった……昨日操作方法の説明書を熟読しておいて。


 す、すごい。

 家族以外に初めて登録した連絡先が江里さんだなんて……これは一生自慢できる気がする! ……けど、自慢する相手がいないんだけどね……コミュ障悲しい。


「……そーくんの……電話番号……!」


 江里さんが自分のスマホを両手で高く掲げてキラキラした瞳で眺めている。

 僕も同じことをしたいくらい嬉しかったけど、江里さんの前でやるのは恥ずかしかったので自重した。……家に帰ってからやろう!


 しばらく色んな角度からスマホを眺めた江里さんが不意にハッとなって立ち上がり、そのまま教室から出て行ってしまった。どうしたんだろうか?


 ――そして教室の戸が閉められた数秒後、僕のスマホが振動した。画面を見たら“着信:江里美奈”の文字が表示されていた。

 本当は半田くん視点を入れたかったんですが、50話を一区切りにしたいのでちょっと先延ばしにします。


 ちょっとした暗号の予告。(誰にも気付いてもらえなかったら悲しいので)(泣)

 1文字ずつ増える。

 意味がある。(ただし本人は気付いていません)


 スイス

 キリバス

 ?????

 ??????

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9月30日双葉社様から発売です!
cool

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ