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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編前半

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第34話 ジョブ【コミュ障】エンチャント【アンフォーチュナー】

 翌日も定刻通り学校へと着く僕。

 教室がある廊下に差し掛かったところで声が聞こえてきた。


「…… ()…… ()……」


 誰もいない時間帯だからこそちょっとした音も良く響く。

 ただ、声ということは分かったんだけどさすがになんと言っているのかは判別できなかった。

 歩みを進めていくと徐々に明確になっていく。


 この時間、しかも僕の教室から声がするってことは……江里さんだろうか?


 僕は深く考えず、ただ何となく足音をならさないようにして、偶然教室前の引き戸裏に到着して、緩んでもいない内履きの靴紐を締め直した。


 ……べ、別に江里さん以外の人がいたらど、どどどどうしよう!? と焦った訳じゃないからね?


「…… (相田くん)…… (ん。) (こ、交換!)  (ありがとう) (ございます。)…… (フンフン) (フフーン♪⤴)


 微かに聞こえてくる言葉の中に明らかに僕の名前があった。


 一体江里さんは何をしているんだろうか? ……もしかして僕がここにいるのを既に神通力かなんかで察知してて、早く入ってこい! と促しているのかな?

 なんてありえないことを考えながら引き戸を開けた。


「おはようございます江里さん」

「……んっ!? ………………」


 引き戸を開けて、いつもならば江里さんに先を越されてしまう挨拶が今日は無かった。


 自席に着いている江里さんが僕を見て固まった。驚いたように背筋をピンと伸ばして、目を少し見開いて、唇は固く一文字に結ばれている。……なんだか新学期初日を思い出してしまう光景だ。


「江里さん?」

「お、おはようございましゅ……相田くん」


 僕がもう一度声を掛けてみたら、ハッとなった江里さんが挨拶を口に。

 ただ、何かに慌てているのか言い慣れているはずの挨拶を噛んでしまい、恥ずかしそうに顔を伏せてしまった。


 ……僕が教室の外で聞いたのは江里さんの独り言だったのか。……けどなんで僕の名前が?


 鞄を机の横に掛けて着席した僕。

 普段ならば江里さんからの天気の話題が振られてくるのだが、今日はそれもない。

 顔を動かさずに視線を横に向けてみたら、顔を伏せたまま江里さんが微動だにしていない。……黒髪の間から覗く耳が何故か真っ赤になっていたけど。


 え、江里さんの様子が何かおかしいです! なんか変です!

 ……いつも話しかけてもらってばかりだから、今日は僕から話しかけてみよう!

 そう意気込んで口を開いた。


「――え、えざ……!?」

「――そ、そう……!?」


 そして最悪のタイミングで被ってしまった。

 これはコミュ障だけが持つ能力(スキル)のひとつ――究極に間が悪い(アンフォーチュナー)

 このスキルは常時発動(パッシブ)であり、ジョブ【コミュ障】を選択すると勝手に付与(エンチャント)されるいわば呪い(カース)に近いものなのだ。その効果は絶大で、相手との会話を不成立にするだけではなく、そもそも会話というイベントを爆発四散、どころか無に帰すことを…………、


 ……なんてふざけている場合ではない。


 僕はすぐにもう一度話しかけた。

 こうなった時僕たちは毎回少しの間フリーズしてしまうので、その隙を突く。


「え、ざとさん!」

「……んっ!? は、はい!」


 (りき)みのせいで少し大き目の声が出てしまい、僕の声に驚いた江里さんが目をぱしぱしと(しばたた)かせながら返事をした。

 ビックリしている江里さんもかわいい、なんて当たり前なことを思いながら話しかけてみる。


「……今日の、お昼ごはん、楽しみです」

「……ん! ん~っ! 私も……たのしみっ♪」


 コク、コクッと頷いてきっと無意識だと思うんだけど、唇を少し舐めた江里さんが…………とってもえっちに見えました。


 あぁぁぁぁぁぁぁ! 僕はなんて穢れた目で女神さまを見てしまったんだぁぁぁぁ!?


「……相田くん?」


 心の中で己の行いに絶叫していたら、肩をつつかれた。

 見れば江里さんから声を掛けてきたはずなのに、特に何も言わないでチラチラとこっちを窺うように見てくるだけだった。……なんだろう?

 しばらくそんな状態が続き、もう一度江里さんから呼ばれた。


「相田……くん?」チラリ

「はい」

「そーだくん?」チラ

「……はい」

「そーくん」チラッ

「……はい!?」





「……き、君孝(きみたか)…… (くん)」両手で顔を隠しながら

「…………」


 ぎいゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 江里さんが!? えっざとさんがぁぁぁぁぁぁぁ!?

 僕の名前を呼んでくれたァァぁァァぁァァぁ!!

 ……お父さん、お母さん、僕を生んでくれてありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!


 ――危うく僕は失神しかけた。

――各員へ通達――秘密(ブラック)計画(プログラム)コードEM――

 目標【駄々っ子女神(GODDESS)】が戦闘態勢へ移行したことを確認。

 繰り返す。目標【駄々っ子女神(GODDESS)】が戦闘態勢へ移行したことを確認。

 これは訓練ではない。繰り返す。これは訓練ではない。

 死にたくなければ……各員、衝撃に備えよ!


 各員――どうか御無事で(ゴッド・スピード)――



 とういう茶番はおいておくとして、次話から2話予定で江里さん視点になるんですが、

 この話の時の江里さん視点が読みたい!

 などのご要望ありましたら感想などでお願いします!

 今回はどこの部分の江里さん視点にしようか決めていなかったので(笑

 それと感想のお返事遅れてすみませんー!

 明日にはお返事致します!

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cool

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