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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編前半

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第33話 女神と女神

 しばらく経ってから再起動した江里さんが立ちあがって一言。


「……名前で……もう一回」


 ……名前でもう一回呼んで、ってことかな?


 そう考えて再度絞りかすになってしまった勇気をなんとか捻り出して呼ぶ。


「美奈さん?」

「…………う、うぅぅ……うぐぅぅぅぅ……ん゛~~~~っ!!」


 対する江里さんも頬に紅を溶かしながらも、手をブンブンと振ってしゃがみこまずになんとか耐えていた。


 ……何しているんだろう僕らは。


 今更ながら一瞬だけそんなことを考えてしまい、さらに気恥ずかしくなってしまった。……なんで僕は自分で追い打ちをかけたのか!?


「え、江里さん? あの、それで……これは?」


 気を紛らわすように僕はポスターに映る“江里さん”を指さして言った。


「……ん? 江里さん」

「……江里……美奈さん?」

「…………んんっ!? ち、違います! お母さん……です」


 指で×マークを作った江里さんが慌てたように瞳を潤ませて訂正した。


 あぁぁぁぁぁぁぁぁ! そういうことだったのか!!


 そこで僕はようやく納得した。

 このポスターに映っているのは確かに“江里さん”。

 ただし、“江里さんのお母さん”ということだったようだ。

 蓋を開けてみればもの凄く単純なことだった。

 江里さんは始めからちゃんと答えを言ってくれていたのだ。……僕らがコミュ障故にここまで遠回りをしてしまっただけで。


 それにしても親子ならここまで似ているのは納得できる……と言っても顔は見えないので何とも言えないけど。

 後ろ姿だけなら、並んで歩いていたら姉妹にでも見えるかもしれない。


「坊主、女神さまの正体は……決して言いふらすんじゃないぞ? 迷惑が掛かっちまうからな……分かったか?」

「……は、はい」


 僕がひとり納得していたら、魚屋の店主が鋭い目つきでそう言ってきた。


 うぎゃぁぁぁ! こ、怖い!

 ゴルゴ14くらい鋭利な目つきに僕はこの秘密は墓場まで持っていこうと誓った。


「……相田くん、相田くん」

「はっ! ……はいぃぃ!?」


 僕が恐怖に俯いていたら、江里さんにほっぺたをつつかれた。

 少し驚いて顔を向けたら真剣な表情をした江里さんが口を開いた。


「……おかず、好きなの……卵焼き以外」


 そう言えばそんな話をしてたっけ、と記憶を辿ってから答えた。


「ミートボール」

「……ん。1日……ひとつ、好きなの……入れるね?」


 微笑んだ江里さんが確認するように人差し指を立てて首を傾げた。


 あぁぁぁぁ! もう何気ない動作ひとつとっても江里さんがかわいいんですけど!?


 それから僕らはお肉屋さんや八百屋さんによって材料を買った。

 江里さんに僕の好物を作ってもらうのに何もしないのはまずいと考えて荷物は全部僕が持って、江里さんちの前まで送って解散となった。


 美貌が人間離れしてもはや神々しい江里さんだけど、お家は普通の一軒家だった。なんだか勝手に親近感を抱いてしまった。

 ……もし、神社だったりしたら僕は本気で崇めていたかもしれない……と思って少し笑ってしまった。

 謎解き終了&長くなってしまった初めての下校編も最後は駆け足になってしまいましたが、無事終えることができました。

 みなさんの予想通りだったかな?

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cool

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