第21話 カニさんウィンナー
本日2回目の投稿になります。
前話読んでいらっしゃらない方はそちらを先にどうぞ。
このお話は切りどころが上手く作れず、普段の倍近く長くなってしまいました。
無事にお昼ごはんまで生き長らえた僕は普段お昼をとっている食堂ではなく、江里さんの先導で図書室横にある司書室にやってきた。
知らなかったのだが江里さんは図書委員らしく、お昼ごはんを食べていつも図書室に来ていたら司書教諭であり、担任の三崎先生から「ここでご飯食べていっていいよ~」と開放してもらえたらしい。
江里さんに「秘密の場所があります」と言われたときは、正直ドキッとしたけど、確かにこれは秘密の場所だった。……多分僕も使っているとバレたら三崎先生に怒られるような気がするので。
……ちなみにふたりそろって教室を出る際に「お昼休みデートだと!?」と、もの凄く注目されたのは言うまでもない。
「そこの……椅子、どうぞ」
「……はい」
長机に向かい合ってではなく、何故か僕の隣の席に腰かけた江里さん。
昨日よりは離れているのでそれほど緊張はしなかったものの、やっぱり落ち着かない。
「いただきます」
「い、いただきます」
昨日よりも一回り大きい江里さんのお弁当箱。
蓋が開けられると思わず喉が鳴ってしまった。
定番の卵焼きをはじめ、からあげにピーマンの肉詰め。今日はキリバスのフラッグピックがささったカニさんウィンナーにほうれん草とベーコンのソテー、それと彩兼甘味のイチゴ。
どれもキレイにできていて彦〇呂さん的に言ったら「うわぁ! 弁当界の宝石箱や~!」状態。
対する僕はコンビニのおにぎり3個。
いつも学食だったので今日のお昼がどうなるか分からず、とりあえず買ってきたという訳である。
具はツナマヨネーズと鮭と梅干。彦摩〇さんなら「うわぁ! おにぎり界の御三家や~!」と言うと思う。
「相田くんっ! おかず……どうぞ!」
朝から上機嫌な江里さんは今も変わりなくご機嫌だった。
「……いいんですか?」
「……んっ! 今日は……カニさんです」
そういって指をチョキの形にしてカニを真似る江里さん。
……あぁぁぁ! 江里さんの可愛さが僕の精神を抉る!
このまま大声で「江里さんの可愛さは世界一ィィィィ!!」と叫びたい衝動に駆られたが、そこはグッと堪えた。
「カニさん……いただきます」
「どうぞ……お召し上がりください」
カニさんを皮切りに……結局全種類のおかずを頂いてしまった。
僕は〇摩呂さんではないので、食レポできないのが悔しいけど、どれこれも全て美味しかった。
お弁当用に考えてあるのか冷めても美味しく食べられるように少し濃いめの味付けで、おにぎりがすすむのなんのって。こんなことなら今日も具無しの塩むすびにしておけばよかったと思ったほどだ。
「江里さん……本当に美味しかったです」
「……ありがとう、ございますっ!」
今更なんだけど江里さんのお弁当は誰が作っているのだろうか? やっぱりお母さんなのかな?
なんとなしに興味本位で聞いてみる。
「お弁当は……お母さん?」(お弁当はお母さんが作ったんですか?)
冷静に反芻してみると全くもって意味不明である。
コミュ障シンパシーがなければ、正気の沙汰じゃないと思われていただろう。
「お弁当は……わ、私です」(お弁当は私が作ってます)
……これは別な意味で危ない気がする。お弁当は私って言われると…………って、え、江里さんの手作り!?
お弁当手作り!? 買ってきたお惣菜を詰め替えて作ったとかじゃなくてだよね!? ……それでも「ありがたや~」って言いながら食べる自信があるけど。
「昨日のも……お花見の、お団子も……私です」
な、なんだってぇぇぇ!? 僕はなんて貴重な食物を口にしていたのか!?
きっと学校の誰もが口にしたことがないであろう江里さんの手料理。
その価値たるやプライスレス。
もちろんお金がいくらあろうとも、マスターなカードであろうがブラックなカードであろうが買えないものだ。
もっとちゃんと味わっておくべきだったと後悔の念に駆られた。
あまりの衝撃に僕がぼんやりとしていたら――突然右肩に何かが寄りかかってきた。
ふわりと甘いシャンプーのような香りが鼻腔をくすぐり、慎重に首を動かしてみたら、江里さんの顔がほぼゼロ距離にあった……。
~更新宣伝~
『元中二病患者の俺がちょっとした心理学を駆使した結果、何故か学園一の美女と協定を結ぶハメになったんだが……』
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も先程更新しました。お暇がありましたら読んでいただけると嬉しいです。以上!





