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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編前半

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第14話 ついに捨てられた笹

 僕が川沿いって誤魔化したはずなのに、なぜか江里さんが先頭を歩いています。

 後ろを振り向くとぞろぞろと僕らについてくる一団がいる。……言うまでもなくクラスメイト達+αだ。


 そろそろ敷地の端っこである川沿いに着くというタイミングで、江里さんが何の前触れもなく振り返った。


「……んっ!?」

「……あっ!?」


 車が急には止まれないように、人だって急には止まれない。あと半歩進んでいたら危うく江里さんにぶつかってしまうところだった。

 僕らとしてはお決まりのコミュニケーション不足によるニアミスだったが、後方の団体さんからは、


「なっ!?」

「うそっ!?」

「いきなりの抱擁か!?」

「これはスクープですぞ!」

「きゃーっ! 江里さん積極的!」

「なんてこった。だ、大胆すぎる!」

「リア充は爆発して月までぶっ飛べ! 南無三!」

「相田のやつうらやま、けしから……妬ましいぞ!」

「うぉぉぉぉぉん! 江里様ぁぁぁ! そんなぁぁぁ!?」

「笹食ってる場合じゃねぇっ!」


 十人十色の様々な声が上がった。……いやだからさっきからパンダ紛れてるじゃん。いい加減笹食べるのやめようよ。そもそもパンダってほとんど笹を消化できてないらしいし……ってそんなことはどうだっていいのだ。


 どうして江里さんは振り返ったのか? それが僕の頭を占めた。

 多分目的地に到着したからだと思うんだけど。


「……江里さん?」

「……んっ! 相田くん」

「はい?」

「お弁当、ごはんに……夢中で、その、鞄……取ってきます!」


 どうやら僕なりの補完だけど江里さんは「お弁当取ってきます!」って言っているらしい。そういえば確かに江里さんは手ぶらだった。

 それと「ごはんに夢中」っていうのはちょっと意味が分からなかったけど、多分お腹が減ってるみたいなことだと思う。


「わかりました」

「……ん」


 江里さんは僕の返事を聞いた次の瞬間には、短距離選手(スプリンター)並みのスタートダッシュで走り出していた。さすが陸上部からも本気の勧誘がくる江里さん。その神速は放たれた矢よりも早いのではないかと錯覚するほどだった。


 さて、ここでちょっとした事件というか、誤解が発生した。

 走り出した江里さんが一直線に向かうのはクラスの待機場所。

 ――そして僕らは待機場所から一直線に川沿いに向かって歩いてきた。

 ……つまり何が起きたかと言うと、


「きゃーっ!」

「うおぉぉ!?」

「ギャーッ!」

「ごめんなさいごめんなさい!」

「や、やべぇ! 江里さんが……!」

「マジギレしてこっちに向かってくるぞぉぉぉぉ!?」

「逃げろぉぉぉ! 総員退避! 繰り返す! 総員退避ぃぃぃ!!」

「俺……ここから生きて帰れたら、彼女に愛してるって伝えるんだ!」

「それなら俺が殺してやるぜぇぇ裏切者! 消し飛べリア充! 南無三宝!」

「さすがに笹食ってる場合じゃねぇっ!」


 僕らの後を付いてきていた一団が、江里さんがブチギレてこっちに向かってきたと勘違いして大パニックを起こし、もの凄い勢いで蜘蛛の子を散らすように遁走を始めたのだ。

 相当なパニックだったらしく、逃げながら命乞いをする者、逃走しながら許しを請う者、仲間割れを起こす者などがいた。


 ……あ。


 僕の視線の先には捨てられた笹が映った。

 ……本当にパンダいたの!? そして僕もちょっとしたパニックをおこしたのだった……。

 ちょっと長くなってしまいました。

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cool

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