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14 Glück 【フィアツェーン グリュック】  作者: じゅん
ビリヤードとダーツ。
301/319

301話

 もう一度深く味わってみるが、別にカッチャ自身は料理人とか食に関わる仕事とか、そういうものを目指しているわけではない。そのため、これ以上なにか手を加えることが逆効果なのではと危惧する。


「そうねぇ、ってかやっぱさ。私にだけ隠しておいたのって必要あった? ないと思うんだけど」


 そもそもがこれ。なんだか仲間外れにされていたような、不明瞭なところがある。最初から混ぜてくれればよかったのに。眉を寄せて警戒。


 ユリアーネもそれは最初迷ったところではあるが、それでもこの選択は間違っていないと断言できる。


「私達は店長とオーナーではありますが、ここのキャプテンはカッチャさんだと思ってますから。最後のひと押しをお願いしたいと」


 なんの前情報もなく、ひとりのお客さんとして楽しんでもらいたい。真っ白な状態から味わってもらって、その上で感想が欲しい。


 ならば誰がその役割を担う? となった時。それが一番適任なのは満場一致で。


「いや、それこそこのおじさんの役割じゃない? 給料多くもらってるし」


 というか。これはウルスラの誕生日を祝うためのものじゃないの? と、納得いかないことばかりのカッチャ。主役を差し置いてなんだか自分が目立っているようで。ダメでしょそれ。


 それも一理ある。が、どちらかというとダーシャは自身は見守る側でいたい。枠組みを作って、はみ出しそうになったら押し込む役。


「僕は問題が起きた時に解決するのがメイン。カッチャちゃんはシフトリーダー、みたいな。まずはなにかあったらカッチャちゃんが防波堤として抑える。ダメなら僕、って感じ」


 結局のところ、未来を作っていくのは若者なのだから。あれこれと手を焼きすぎるのは、短期的に見ればメリットかもしれないが、長期的に見ればデメリットもある。いや、自分もそんな老人なんて年齢ではないけども。まだまだ若いけど。

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