表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14 Glück 【フィアツェーン グリュック】  作者: じゅん
ビリヤードとダーツ。
271/320

271話

 ちなみにこの場合の『店長』というのはアニーではなく、年長者であるダーシャ・ガルトナーのこと。こっちのほうが店長っぽいから店長と呼ぶ。ややこしいが本人達も納得している。というか元々、あの人が店長だったし。彼がアニーを店長として推したわけで。今に至る。


 とはいえ、予想を大きく外してくるあたりがアニーっぽい、とウルスラも受け入れる。「そこ?」みたいなものを選ぶあたり。あの子らしい。


「まぁ……いいんじゃないでしょうか」


 だからこそ。この話題を振ったのは間違いだったかも。


「ウルスラちゃんはなんだったの? エッフェル塔グッズとか?」


 きっと帰るギリギリになって駅近くで適当に選んだんだろう、とビロルは予想した。店員さんに「オススメのもの教えてほしいっス!」とか言って。塩ならスーパーとか。というかこれは店で使う用なのか? 聞いてなかった。


 少々モゴモゴと、はっきりしない口調でウルスラは目線もズラした。


「……ショコラーデ……」


 ちょっと苦めの。でも仕事終わりに食べるとすごくちょうどいい味わいの。やっぱりアニーは食べ物のチョイスがいい。


 塩とショコラーデ。なにかの味を整える塩と、そのままいただけるショコラーデ。うん、とビロルは頷く。


「いいねぇ。俺もどっちかといえばそっちがよかったよ」


「……と」


「と?」


 申し訳なさそうなウルスラ。そしてなんだか羨ましいような展開がこのあと来そうな、そんな前兆を察知したビロル。顔だけ前に出る。


 指を曲げてウルスラは確認しながら思い出す。


「ボディクリームと、ペーパーオルゴールと、スノードーム……とか」


 まだまだあった。なので『塩』とだけ答えられると、なんだか自分が悪いことをしたようで。いや、アニーのせいなんだけど。せい、っていうのもおかしいけど。買ってきてくれただけなんだけども。居心地の悪さが増してきた。逃げようか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ