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262話

 ニヒヒ、と笑いながらタメになる知識をアニーは披露。


「茶葉ではなくコーヒー豆も使えるってことです。使い終わった粉も、こういった形で再利用できるのも茶香炉の魅力っスねぇ」


 そこだけは紅茶よりも優れている点だと認めざるを得ない。悔しいが。


 コーヒー豆の粉は、その後の使用価値も高い。消臭剤やこういった芳香剤として、もしくは蝋燭に練り込めば点けるだけで香る。ガーデニングの肥料としても。フローリングの艶出しに。流石に茶葉はここまでの汎用性はない。


 何度も頷きながらユリアーネは捗る妄想を抑えられずにいる。


「面白い、です! これを店のテーブル席に置いてみたりとか、蝋燭の明かりも雰囲気が出せますし、それから——」


「あ、でもかなり熱くなるので、もしお子さんとかが触ってしまったら一大事っス。そうでなくても、ふとした時にぶつかったりしたら、お客さんもスタッフも火傷するかもなので、自宅で楽しむ用にしたほうがいいっス」


 そこにアニーが注意喚起をする。蝋燭も使っているため、雰囲気も出るが安全という点では少し気がかりな点が。怪我人を出すわけにはいかない。


 温度について、アロマポットは六〇から八〇度ほど。それでも充分に熱いが、茶香炉はさらに高く、二百度近いものもある。高温で煎るため、緑茶もほうじ茶になる。


 握った拳の握力が徐々に無くなるのをユリアーネは感じ取った。ピークに達した喜びが降下していく。


「そう……ですよね……すみません……」


 よくよく考えればそう。陶器なので割れるかもしれない。色々と惨事だ。やりたいことを優先しすぎるのは反省。


 しかしアニーからしたらこの反応は嬉しい。というのも。


「いえいえ、ボクも最初に茶香炉を手に入れた時、同じこと考えてカッチャさんに怒られました。同じです」


 すでに対策された過去。なので自室で時々使う程度にしている。そういえば泊まってもらう時には使ったことない。今度使おう。

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