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245話

 なーに言ってるんスか、と元気よくアニーは落ち込む少女の肩を叩く。


「それはそれで一緒に行きましょう。ボクも紅茶専門店とか寄りたいですし」


 それが本音。フォションやエディアールなど、たしかに通販などで買えるといえば買えるが、公式のショップを訪れることは憧れでもある。目標はありとあらゆるブランドを制覇。世界各国。


 ちゃんと自分との時間を確保してくれていることに安堵しつつ、ユリアーネは素朴な疑問を持っていた。


「しかしなぜアニーさんを? 服などを予定していて、一緒に住まわれている方と背丈が似ている、とかでしょうか?」


 そうなると合わせてくれる人が必要なわけで。抜擢されたとかなら話はわかる。が。


「かと思ったんですけど、聞いたら全くそんなこともなかったっス。むしろシシーさんより背の高い方だそうで。うーん、羨ましいっス……」


 今よりも二〇センチは欲しいと思っているアニー。気持ち、ミルクティー多めに飲んで乳成分は摂っているはずなのに、と心の中で嘆く。


 苦笑いしつつも、ユリアーネの目線がふと、耳元に輝く花に移る。


「……使ってくれてるんですね。嬉しいです」


 プレゼントしたばかりの髪飾り。元気いっぱいなオレンジがかった朱色。やっぱり似合っている。


 そしてアニーも、輝く白い花を見つめる目が緩む。清楚で神聖な。眩しいほど。


「もちろんスよー。ユリアーネさんからもらったものですから。死んだら一緒にダイヤモンド葬してもらうっス。誰にも渡さないっスからね」


 そして完成品はどうぞ。遺灰を圧縮してダイヤモンドにするこの埋葬法だが、ちなみにドイツでは一応やんわり禁止されている。近隣諸国であるスイスやオランダなどでは行われているため、やるならそちらの研究所に依頼しなければならない。


「いや、そこまで……ありがとうございます……」


 重い。重すぎる。と胃のあたりを抑えるユリアーネだが、何十年後になるかわからないその時。その時まで一緒にいよう、と言ってくれているようで嬉しい。いや、やっぱりちょっと重いかも。自分は樹木葬とか海洋葬にしようと思っていたのに。というか、アニーさんより長生きできるかもわからないだろうに。

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