表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
224/320

224話

「そんなわけないだろう。これが二人へのアレンジメントだ。私を含め三つある。ちょうどよかったな」


 ドイツではプリンはクリーム状のものが多いんだったか。クリーム……それもいいな、と別のことに思考を割くベアトリスは、自分のぶんを持ってテーブルへ。


 どうすればいいかわからず、とりあえずユリアーネも戻ってイスに座る。少し放心状態。花? アレンジメント? これが? いや、たしかに桜は入っているけど。これが『元気の出る』アレンジメント……どういう……?


「……食べてしまっていいのでしょうか。少し抵抗はありますが……」


 ゼリーとプリン、ということは食べるものだし、食べていいと言われた。スプーンもある。じゃあ早速、というふうにはなぜかなれない。なんか……思っていたのと違う。美味しそうではあるけど。


 テーブルにグラスを置いたベアトリス。自身は座らずに、さらに店奥へ引っ込もうとする。


「かまわん。ここは私の店だ。私がルールだからな」


 まだ自分もよく把握できていないけど。それならそれで、とリディアの楽しみは増すばかり。


「ま、そういうことなら。ありがたくもらっちゃおうか。初めてだね、桜を食べるのは」


 さてさて。あとで説明をもらうとして。中々興味深い。シシーならこの謎を解説なしで解けるのかな? 


「コーヒーも淹れる。エスプレッソでいいな」


 すぐに淹れられるから。ドリップもベアトリスは好きなのだが、今はエスプレッソの気分。時間をかけずにさっと飲みたい。


 という提案を耳にしたところで、機敏にユリアーネは反応する。


「でしたら私が。一応、お店では専門でやらせていただいています」


 色々な戸惑いはある。だが、コーヒーを淹れている時間は至福。彼女にとっては一旦休憩、という感覚。それに自分達がお客とはいえ、なんだか体を動かしたい。


 ピタッと足を止め、振り返るベアトリス。


「お店?」


 なんだか先ほどまでの疑問が繋がりそう。そんな手がかり。なんというか、ただ買い物に来たわけではなさそうな。店全体を見られているような。そういった雰囲気を感じ取っていた。


 その説明を買って出るリディア。なぜか誇らしげ。


「この子はね。ベルリンのカフェのオーナーだからね。コーヒーを淹れるのは得意なんだ」


 飲んだことはないけど。きっとそう。たぶん。だってほら、こんな純粋だし。


「あまりハードルを上げないでください」


 そう伝えるとユリアーネは立ち上がる。グラスの中身も気になるが、それよりも一度場を整えたい。いきなり来たお客が使っていいなら、だが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ