表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/320

114話

 時刻は一六時を過ぎ、アニーとユリアーネは上がる時間に。代わりのアルバイトの人が到着し、軽く挨拶をしたあと、更衣室で二人は着替える。


 そんな中、まだ置いていかれているアニーは、ディアンドルを脱ぎつつユリアーネにすがる。

 

「ユリアーネさん、ユリアーネさん。なんかあの二人複雑な感じでしたけど、どうなってるんですか? それと、たんぽぽコーヒーって——」


「たんぽぽコーヒーは、実はコーヒーではないんです。たんぽぽの根の部分を、コーヒー豆と同じ様に乾燥や焙煎して、抽出したものです。薄めのコーヒー、といったところでしょうか」


 あまり店で提供しているところはないが、ブッフでは常備しているらしいことに、ユリアーネも驚いた。せっかくなので、ヴァルトでも置いてみよう、と画策する。


 せっかく着たディアンドルを脱ぐことに抵抗はあったが、意を決して脱ぐアニー。理解しながら喋っているため、ユリアーネより脱ぐのが遅くなる。


「ほぇぇ……というか、コーヒーじゃなくないですか? どっちかと言えば、お茶?」


 頭に絵疑問符を浮かべ、自分なりの解答を出す。紅茶やそっちに近い気がする。味がコーヒーというだけで。


 それについては、ユリアーネも肯定する。


「別名、たんぽぽ茶とも言われています。食物繊維やビタミン、ミネラルなども豊富で、カフェインを摂りたくない方にもオススメです」


 夜寝る前にもいいかもですね、と付け加え、コーヒーの万能さをアニーにアピール。もしアニーが飲んでみたいと言ったなら、今日淹れてみようと考える。


 だが、違うところにアニーは引っかかっていた。


「なるほど。しかし、なんでパウラさんはカフェインを避けるんでしょうかね? 気になります」


「……」


 もう、このままでいいんじゃないかと、ユリアーネは匙を投げかけている。知らなくても別に困らないだろう。ニブすぎて、アニーのこれからの恋愛事情などが心配になってくる。


 さらにアニーは続ける。いつの間にか着替えは終わっている。


「それにしても、パウラさんも綺麗な方ですから、ディアンドル見てみたいですね。恋人募集中っスかね? 左かな? それともいる感じで右ですかね? ユリアーネさんはどう思います?」


「……右です」


 それしかない。ユリアーネは呆れつつ答えた。


 だが、アニーにはもちろん伝わらないで、勝手に暴走する。


「やっぱり! そうっスよね。いますよね、もしよければ着てもらって一緒に——」


「ダメです。ゆっくりしてもらいます。我々も帰りますよ」


 荷物をまとめて、準備万端。ユリアーネは先にドアを開け、更衣室から出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ