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第6話 人間を辞めた気がする

 翌日、またしても同じ時間にレベルアップした。


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小森飛喜 レベルアップ!

 職業:ひきこもり

 レベル:3 → 4

 HP:30+10 MP:30+10

 筋力:3+1 耐久:3+1 敏捷:3+1 魔力:3+1 精神:3+1

 ユニークスキル:部屋の主

 スキル:排泄耐性LV5 空腹耐性LV4 暇耐性LV2 清潔維持LV1 騒音耐性LV1

 SP:0+100

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 経験値 0/400

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 ここまで来ると、帰納的に考えて毎日同じ時間にレベルが一つ上がっていくと考えてもいいだろう。

 もちろんどこかで法則が変わる可能性もあるが、そのときはそのときだ。


「またスキルレベルを上げていこう」


 少し尿意を感じ始めたので、まず排泄耐性をLV6に。

 ちょっと身体が汚れてきた気がするので、清潔耐性をLV2にしておく。

 あと、両隣がやはりまだうるさいため、騒音耐性もLV2にした。




 翌日、やはりまた同じ時間にレベルが上がった。


 得られた100ポイントで、空腹耐性をLV5へ、暇耐性をLV3にした。

 20ポイント余ったが、使うところがないので溜めておく。




 その翌日も同じ時間にレベルアップ。

 空腹耐性をLV6にして、清潔耐性と騒音耐性をそれぞれLV3にした。

 残りスキルポイントがゼロになった。




 丸六日となり、レベルが7になった。

 変わらず同じ時間だ。

 暇耐性をLV2から一気にLV4へ上げた。









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小森飛喜

 職業:ひきこもり

 レベル:30

 HP:300 MP:300

 筋力:30 耐久:30 敏捷:30 魔力:30 精神:30

 ユニークスキル:部屋の主

 スキル:排泄耐性LV10 空腹耐性LV10 暇耐性LV10 清潔維持LV10 騒音耐性LV10 寒さ耐性LV4 快眠LV5

 SP:0

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 気が付けば一か月が経っていた。

 あれから毎日同じ時間にレベルが一つずつ上がり続け、レベル30になっている。


「一か月でレベル30か。これは早いのか遅いのか……情報がないから何も分からんな」


 ずっと家に籠っているだけで上がったので、何とも楽なものだったが。

 スキル以外のステータスの方はレベル1の勇者に並んだが……あいつ今、どれくらい強くなってるんだろ。


 排泄耐性、空腹耐性、暇耐性、清潔耐性、騒音耐性は、すべてレベル10まで上げた。

 どうやら10でカンストらしく、これ以上は上げることができないらしい。


 一か月が経ったが、まだ一度もトイレに行っていない。

 どうやらもう排泄は必要ないようだ。


 食事もまったくしていない。

 だが身体は健康そのもので、体重も落ちていなかった。


 暇を持て余すこともなくなった。

 もちろん相変わらず部屋で何もすることはないのだが、それを暇だとは感じなくなったのである。


 風呂にも入っていないが、身体は清潔そのものだ。

 衣服も綺麗なままである。


 両隣の音は完全に聞こえなくなった。

 と言っても、意識すればちゃんと聞こえてくる。

 騒音と認識していない限り、普通の音として聞くことができるのだろう。


「……なんていうか、もはや人間を辞めた気がする」


 いずれにしても、どれも引き籠り生活を送る上で有用すぎるスキルだ。

 必要なスキルポイントが低く設定されていたのも頷ける。


 そしてレベルが上がったことにより、新しく取得できるスキルも増えた。

 その中でも、やはり「ひきこもり」に適したスキルに関しては、必要となるスキルポイントが少なく設定されていた。


 俺はその中でも「寒さ耐性」と「快眠」を取得し、それぞれLV4とLV5まで上げた。


 暑さ耐性もあったのだが、今は気候の影響か季節の影響か、それほど暑くはない。

 日中は過ごしやすい気温ではあるものの、夜になると少し冷え込むこともあって、寒さ耐性の方を優先して取ることにしたのだ。


 なにせこの部屋、寝具が一切ないしな。


 そして硬い床の上で寝るしかなかったこの状況も、快眠スキルが一気に解決してくれた。

 それまでは起きたときに全身が痛くなっていたのだが、このスキルのお陰でそれが解消されたのである。


 寝入りも早く、起きたときには頭がすっきりしている。

 寝すぎると頭痛がしたり身体がダルくなったりするものだが、どんなに寝ても気持ちよく目を覚ますことができるようになった。


「どんどん引き籠り生活が快適になっているが……これでいいのだろうか?」


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ひきこもり
peepにて配信開始!!
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「……なんていうか、もはや人間を辞めた気がする」 と言うか、もう生きている意味無いのでは。
[気になる点] ここまで来ると引き籠もりというより、霞を食べて生きている仙人という方がしっくり来るな。
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