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第33話 ただの趣味の悪いファッション

「――エクストラボス:ゴブリンキングを倒しました」


 ゴブリンキングを撃破した。


 ゴブリンコマンダーと違い、ゴブリンキングは通常種との見分けが簡単だったので、狙いを定めるのは容易かった。

 ただ、単体での強さがゴブリンコマンダーとは比較にもならなかった。


 さらには手下ゴブリンたちの復活スパンも早くなっていたり、連携がより強固になっていたりと、全体的に難易度が大幅に上昇していた。


 ……が、エクストラボスと言えど、所詮はDランクダンジョンといったところか。

 ほとんどゴリ押しでも余裕で攻略してしまえた。


「よしよし、宝箱が出たぞ。今度の報酬は何だろうか」


 開けてみると、そこに入っていたのは髑髏の首飾りだった。

 ゴブリンキングが装着していたものと同じものである。


「なかなか悪趣味なアクセサリーだな。……呪われたりしないよな?」


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小鬼王の首飾り:『ゴブリンの巣穴』のエクストラボス攻略報酬。スキル『王の威光』

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「スキル『王の威光』……?」


 首飾りを装備していたら、このスキルを使えるようになるってことか?


「どんなスキルなのか分からないな。帰ったら金ちゃんに訊くか」







 王都に戻ってきた。


「金ちゃん、ダンジョン『ゴブリンの巣穴』をクリアしてきたよ。エクストラボスも無事に倒せたぞ」

「おおっ、さすがでござる! ……ところで、その悪趣味な首飾りはどうしたでござる?」

「これがその攻略報酬なんだよ」


 俺はこれを装備していると、謎のスキル『王の威光』を使えるようになるらしいと話した。


「スキル装備でござったか!」

「スキル装備?」

「装備している間、特定のスキルを使えるようになる装備でござるよ。スキル次第では途轍もない高値が付くでござる。なにせスキルというのは、基本的にレベルアップで獲得できるスキルポイントでしか取得できないでござるからな。必然、一人の人間が保持できるスキルの数には限界があるでござる」


 しかも職業によっては必要ポイントが高すぎて手が出せないようなスキルも、装備するだけで使えるようになるというのだから、需要が高くなるのも当然な話だった。


「それで、『王の威光』でござるか。聞いたことないでござるな。少し鑑定してみていいでござるか?」

「そんなこともできるんだ」

「っ! こ、これは……」


 金ちゃんが目を見開く。


「『王の威光』……格下を威圧し、一時的にステータスを低下させるスキル……のようでござる」

「へえ。ってことは、雑魚的相手にはかなり使えそうなスキルだな」

「そんなスキルを、ただ装備するだけで……これまた破格な攻略報酬でござるな……」


 だがこれも普通の人はレベル制限により装備できない。

 やたらレベルだけ高い俺だから装備することが可能なのだ。


「てか、本当にこれ、俺以外には装備できないのか? 実はそんなことなかったりして」

「確かめてみるでござるか」


 俺は首飾りを外すと、金ちゃんに渡した。


「むむ。やはり無理でござるな。装備状態にならぬでござる。これではただの趣味の悪いファッションでござるよ」

「ご主人様に髑髏は似合いませんね」


 ……俺、今後も普通に装備しておくつもりなんだが。

 あんまり悪く言われると恥ずかしくなるからやめてもらいたい。


「金ちゃんってレベル幾つだっけ?」

「今は21でござる」

「21か。低すぎるってのもあるかもな」

「では、わたくしが試してみても?」


 リュナさんのレベルは50を超えているらしい。

 そう言えば、奴隷に落ちる前は名うての冒険者だったんだっけ。


「ダメです。わたくしも装備できないようです」

「やはり小森殿のレベルが必要なようでござるな。つまり小森殿以外に装備できる者はいないということでござる」


 ともかくこれで二つのDランクダンジョンを攻略した。

 次はCランクダンジョンだな。


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ひきこもり
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[一言] 王の威圧があればチンピラが見張っていても 自由に自室に帰れませんかね
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