ある日の夜
ある日の夜、わたしはふと目がさめた。
喉がかわいた。
水を飲もうと自室を出て廊下を歩いていると、バルコニーへ続く扉が少し開いているのに気がついた。
開けっぱなしにしちゃったのかな。
そう思って扉に手をかけたら、バルコニーに人影を見つけた。
ここに住んでいるのはわたしの他に一人しかいない。
そっと扉を開け、バルコニーをのぞく。
バルコニーには彼――レオンがいた。
レオンは手紙を読んでいた。
真剣な面持ちだ。
じっとしたままひたすら手紙を読んでいる。
誰からの手紙だろう。
レオン個人に手紙を送る人が思い当たらない。
気になったわたしは、レオンには悪いんだけど、そっと彼のようすを眺めていた。
ごめんね、レオン。
レオンはしばらく手紙を読んだあと、それをポケットにしまい、夜空を見上げた。
満天の星が輝く夜空。
遠くを見つめたまま、レオンは口ずさんだ。
「……国に戻らなくてはいけなくなったのでしょうか」
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