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ルゥと刻のアトリエ  作者: 帆立
竜の問いかけ
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4-10:竜の問いかけ

 カシマール先生がくれた魔法書。

 魔法をたくさんおぼえて『刻のアトリエ』を繁盛させるのに役立てるぞ。

 ……内容はやはり難しくて、ぜんぜんわからないけれど。



 こうしてわたしとレオンの旅は終わったのだった。

 困難もあったけど、楽しい冒険だった。


 初めて乗った列車。

 初めての魔物との戦い。

 初めての竜との出会い。


 いろんな『初めて』をレオンと共有できた。

 旅が終わって王都に帰ったとき、レオンとの距離が前よりも縮まった。

 ――そんな気がしたのは、わたしだけじゃないよね?


「まずはねぎらおう。お疲れさん」


 王都に帰った翌日、さっそく月のかけらを渡しにカシマール先生のいる研究所へと赴いた。


「まさか無事に帰ってこれるとはな。驚いた」

「えっ!? 無事に帰ってこれないと思ってたんですか!?」

「アシロマ山には竜が住み着いてるって聞いてたもんでな」


 カシーマル先生、アルタイルのこと知ってたんだ。

 それなら教えてくれてもよかったのに。


「竜に追い返されて、しょんぼりしながら帰ってくると思ってたからさ」

「そのときはどうするつもりだったんですか?」

「研究所で保管している月のかけらを譲ってやるつもりだった」

「余ってたのに取りにいかせたんですね。ひどい」

「お前たちの人生に関わることだぞ。他人に頼ってかんたんに解決したら意味ないだろ」


 たしかにそのとおりかも。

 がんばって冒険して手に入れたからこそ、価値のあるものなのかもしれない。


「ところでカシマール先生。月のかけらはこれでよかったのでしょうか」

「小さかったですか?」

「うーん……」


 わたしから受け取った月のかけらをカシマール先生はいろんな角度から観察している。

 難しい顔をしている。

 わたしはドキドキしながらカシマール先生の返事を待っていた。


「も、もしかして、ただの石ころだったりします……?」

「へ? ああ、いや、その逆だ。感心してたんだ。いいものを持ってきたな。加工するにはじゅうぶんすぎる大きさだ。問題ない」

「ということは、装飾品に加工してもらえるんですねっ」

「そうだな……。この大きさなら、装飾品にするよりもっといい使い道がある。ルゥ。お前のステッキに加工した月のかけらをはめてやろう。そのほうがより大きな月のかけらを使えるから、効果も高まるぞ」



 3日後、月のかけらを加工した石をステッキにはめてもらった。

 純白のきれいな石だ。

 真珠みたい。


「どう? レオン。かっこいい?」


 わたしはステッキを構えて格好をつける。


「伝説の聖女の再来でございます」

「てへへ」


 これでようやく『刻のアトリエ』を再開できる。


「それじゃあレオン。いよいよ『刻のアトリエ』開店だよ」

「はい!」


 扉のベルが鳴り、お客さんが入ってくる。

 わたしとレオンはとびきりの笑顔であいさつした。


「『刻のアトリエ』にようこそっ」

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[良い点] 更新で出てくるけど、41話から先が出てこない?
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