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4話


俺はここで勝負に出る。

別にここでなくても夢は叶う、だけど前世では心音はここにいた。

だからここにする。


暁斗はオーディションを受けるためとある建物の前に居た。


弥生芸能事務所だ。


前世の心音の手紙で書いてあった事務所である。

ここは、世界を渡り歩き全世界に認められた俳優が建てた事務所だ。

というのも世界を渡り歩き作品に出て人々を魅了していた俳優は三年前に失踪した。

だが二年前突然この弥生芸能事務所を建てたと言って現れたのだ。

それがここの社長。


弥生 大地


まさにレジェンド、誰しもが認める男。


だが、ここの事務所は一つ問題がある。

オーディションが厳しすぎるのだ。


弥生社長本人が見て本人が認めるほどの才能、スター性、将来性を見せなければ入ることが出来ない。


なんとこの事務所建てられてから一年間入れた人が居なかったのだ。


だからとても厳しい。


何人入ったという話は出ないが。

あくまでも所感で今現在所属していたとしても十数人だろう。

そこに既に心音がいるのかいないのかは分からないしそもそも前世とは違う未来になっている可能性もかなりある。


だがまぁ、こういう厳しいところに入った方が燃えるし何より弥生社長に会ってみたいというのがかなりでかい。


「オーディションを受けに来た人は中に入り右手に待合室があるのでそこに向かって下さーい!」


はたと気づけば周りには人が増えており女性が案内をしていた。


まぁ、増えてると言っても十人に届くかどうかだが。


邪魔だからと髪の毛をピンで止めていたが外す。


今俺の髪の長さは肩に届く程あり前髪は目を覆い隠すほど長い。

まぁ、これには理由があるのだが。


さて行くか、と思っていたら後ろで震えている少女がいることに気づいた。


「どうかしましたか?」


声をかけるとハッとその少女がしてこちらを見てきた。


「い、いえ、初めてオーディションを受けに来たんですけど少し緊張してしまって......」

「そうなんですね、分かります、俺も初めてなんですよ」

「え、そうなんですか?あんまり緊張とかしてないように見えるんですけど」

「まぁ、努力は欠かさず行ってきましたから、それに............あなたも同じでしょ?」


しっかりとその少女のことを見る。


首付近の筋肉の発達具合、発声の仕方。

それを見る限り恐らく歌手、またはアイドル志望。

腕や足の筋肉の発達具合と身体の動かし方を見るに恐らく歌手志望と言ったところか。


「なぜ、そう思うのですか?私が夢だけを見ていて努力していない可能性だってあるじゃないですか、だから自信が無いのかも」

「そもそもその質問をしてくる時点で努力してないってのは嘘ですよ、恐らく歌手志望でしょう?発声の仕方と筋肉の発達具合を見る限りきちんと声出しをしていて色々な歌い方を研究してきていると見ました」


というのも首付近の筋肉やパッと見の呼吸の仕方、肩の動かし方を見るに全体的に安定しているように見える。

しかも全体的にパフォーマンスは高い状態で。


首の筋肉については歌う練習し始めた頃に一気に増えてその後は減少していく(というのも喉声で発声しているせいで首の筋肉を使うせいで増えるがしっかり腹式呼吸になると首の筋肉等を使わなくなるため)が、それがかなり経って落ち着いている状態のようだ。


「............そうですね、確かに私はかなり努力したとは思います。ですが緊張はしますよ、相手は世界を見てきた人ですよ?」

「知っています、だけど......努力は裏切らない、そこにかけた時間は本物です自信を持ってください。

えーと、」


名前を呼ぼうと思って少し考えたのだが名前を聞いていないことを思い出して詰まってしまう。


「......文月 沙苗です、そうですね。自分が自分を信じなければ誰も信じてくれませんもんね」

「俺は信じますけどね」

「っっ!」


話している間に緊張がほぐれたようで震えが止まっている。

まぁ、この人はかなりの才能がありそうな人だからなスター性は見た感じかなり高そう。

社長さんのお眼鏡に叶う可能性はかなり高いのではないだろうか。


「きっと努力は報われますよ、全力で行きましょう」


「あっ............名前......」


何か言っていたような気がしたがおそらく大丈夫だろうということで控え室に向かった。



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