1話
新作です!
ボチボチ書いていこうと思いますので
よろしくお願いします!
俺には夢が、いや、俺達には夢があった。
♢
「んーーーー!すっっげぇぇ!」
「ひゃっ、どうしたの?」
6歳の少年はマンガを片手に立ち上がる。
「このマンガの主人公さ、俳優やってるっていう設定なんだ、これがさ、すごくかっこいいんだよ!」
「ほぇー、そうなんだー、どういう所が?」
「色んな人に話を聞いてさ、その時の感情だったり仕草だったりをね?それで練習して努力してってやってるのが凄くかっこいい!」
少年の幼なじみの少女はクッキーを食べながら話を聞いているのだが首を傾げた。
「んー、ほれってぼりょくしてるのがはっほいいってこと?」
「ぼりょく?とりあえずクッキー飲み込んでから喋って」
モグモグ、ゴクン
「それって努力してるのがかっこいいってこと?」
「んー、なんかそんな感じ!後は俳優しててキラキラしてる感じがするんだ!」
夢見る少女のように少年は話す。
「はぁ、ボクもこんな人になりたいな......」
「なればいいじゃん」
「え?」
少女は真剣な表情で話す。
「なりたいならなればいいんだよ、努力してさ」
「え、でも」
「でもじゃないよ?それってさ、夢なんじゃないの?私も夢はあるよ?2つくらい」
「2つ?」
少年はこてんと首を傾げる
「うん、1つはアイドルになること!みんなを笑顔にして大切な人を守れて楽しくすることができる人になるんだ!」
「アイドル」
「アイドル」
「2つ目は?」
「もう1つは......」
ここで少女は少年のことを見て頬を赤くする。
「〇〇〇のお嫁さんになることだよ」
「ボクの?」
「うん」
「いいよ!絶対ね!」
少年は特に考えることなくずっと一緒にいると思ってたから、好きだったからこそすぐに返事した。
「いいの?やった!じゃあさ、私がアイドルになって、〇〇〇が俳優になれて活躍したらさ、私を迎えに来てよ王子様になりきってさ」
「うん!いいよ!約束ね!絶対だよ?」
このことがきっかけで少年は2つの夢を得た、少女と一緒で、俳優になること、そして少女と結婚すること。
そして次の日少年は母親に告げられた。
その少女は引っ越してしまったと。
連絡を取ることはできるけどしばらく会うことは出来ないだろうと。
少年は唖然とした、昨日まで毎日会っていた少女と会うことが出来ないのだと、好きな子に会えないのだと。
泣きそうになったところで少年は思い出した。
『迎えに来て』
と少女が言っていたことを。
それから少年は努力を始めた周りに俳優をやるためにはどうするべきか、マンガの通り周りの人から話を聞いて吸収しようとしたのだ。
だが、周りはみんながみんな言ったのだ。
『お前には無理だ』
と。
正確に言えば最初の方はそんなことは無かった。
周りはそうなんだねぇ、頑張ってね?こうこうこういうことをしてみたら?というふうに言ってくれてたりしてくれていた。
だが中学生に入った頃くらいからだろうか。
周りの友達に話してみても。
『え、お前が俳優?無理でしょ、そんなに演技できなさそうだもん』
だったり
『そんなに顔、カッコよくないから難しいんじゃないかな』
などだ。
顔はカッコよくなくても演技力があれば関係ないだろうけど中学生男子がカッコよくないと言われるのは普通にショックだった。
こうして中学校時代に少しずつ少しずつ摩耗していって削れていった。
そして進路を決める中で親が言ってきたのだ。
『いい加減現実を見たらどうなの?これからの人生あなたがやりたいことをやるのもいいと思うけれど手に職をつけないと生きていけないのよ?芸能界なんてそんな甘い世界じゃないのよ?』
『諦めてしっかり勉強して就職した方がお父さんはいいと思うよ?』
この二人の言葉で燃え尽きてしまった。
諦めてしまった。
そして同時に思ったのだ。
きっとあの子もあんな約束覚えていないだろう。
そもそもちっちゃい頃の約束をここまで律儀に守ってきた俺は頑張ったんだ。
もし、あの子にまた会えたらまた普通に仲良くなって告白しようと。
この日少年は二つの夢と約束を諦めた。
そして高校生2年目の夏......
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