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タリム復興日誌~新米新婚男爵は養鶏業で復興を目指します!~なんだか妻の知識量が半端じゃないんですが…  作者: シャチ


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ミリアのタリムお散歩日記

6歳になったミリアちゃん視点でのタリムの町をみていただきます。

 私はミリア・タリム。

 ガリム領タリム男爵家の長女です。

 お父様のレイノルド・タリムとお母さんのミシェル・タリムは妹が生まれた後もとても仲良しです。

 私は今6歳、こないだ王都で開かれたべリリム侯爵家のお茶会に参加できて、初めて他の貴族の人達にご挨拶しました。

 とっても緊張しました。

 だって、相手は侯爵様です。

 うちは貴族としては一番下の男爵ですから、普通直接ご挨拶することすらないと先生から聞いたのに、いきなり違うことがあってびっくりしました。

 何でって聞いたら、べリリム侯爵家とタリム男爵家は事業提携しているからちゃんとご挨拶するのよって教わりました。

 べリリム侯爵令息のジェラルド様は私の1個したの5歳だそうですが、とても紳士的ないい子でした。

 お母様のジェニファー様に似てとってもきりっとした顔がかっこよかったです。


 今日は、お父様とお母様から許可をもらえたので初めてタリムの町をお散歩します。

 でも一人でお散歩するわけじゃないです。

 侍女のメリッサと護衛騎士のライラと一緒です。

 タリムを守る騎士団は厳密にはガリム騎士団になるんだそうですけど、タリムの町を守る軍団は男女比がちょっと変わっています。

 女性騎士が多いのが特徴です。

 なんでもお母様が、私が生まれた後で女性を護衛する騎士は女性のほうが良い!といって募集をかけたそう。

 女性でも強いと自信がある人たちが集まったと言います。

 ライラは騎士団でも結構強い人で、騎士爵をお持ちの方です。

 他にも何人か騎士爵持ちの女性騎士がおりますけど、お母様専属のフレイさんを除くと、結構王都に手伝いに行っています。

 なんでもべリリム侯爵家を通じて王女様の護衛の任に駆り出されているとの事。

 タリムは鶏肉だけじゃなくて護衛騎士も輸出?しているんですって。


 侍女のメリッサは私が生まれてからやとった先生兼任の侍女です。

 身の回りのお世話をしてくれます。

 ちなみに、私の専属侍女は同い年のルーナです。

 執事のウィルさんの娘さん。

 まぁまだルーナは見習いですけど。

 私だって多分まだ貴族令嬢見習いです。


 *****

 タリム男爵家は養鶏業とお砂糖で成り立っています。

 メリッサ先生から教えてもらいました。

 名産はお菓子です。

 領内でつかう生クリームのために酪農も盛んになってきているそうです。

 牛さんは乳牛用ですね。

 私は物心ついたころから美味しい鶏肉を食べてきたので知りませんでしたが、普通は生のお肉はほとんど食べられません。

 多くは保存食としてハムやベーコン、ソーセージに加工されたものとなりますが、タリムは生の鶏肉をその日に調理して食べるのが一般的になりました。

 お菓子屋さん以外に、鶏串焼き屋さん、唐揚げ屋さん、卵料理専門店があります。

 今日は初めて唐揚げ屋さんにいってお昼を食べた後、ケーキ屋さんのカフェでケーキを食べて帰ります。

 お父様からちゃんと町の様子を見て、人々がどんな顔をして生活しているか見てきなさいと言われています。


 男爵邸の正門から出ると、そこから噴水がある広場までまっすぐな道があります。

 タリムは新しい街なので十字に町が並んでいるの。

 お屋敷からでも噴水広場を見ることはできるんだよね。

 で、この辺りはお菓子屋さんや高級カフェやホテルがならんでいるの。

 私達は通りをそのまま進んで噴水広場まで来ました。

 広場にはバルと呼ばれる飲食店のほかに屋台なども立ち並んでいる。

 バルは時間に関係なくお酒と料理が食べられるお店、屋台は基本立ち食いと呼ばれるその場で食べる形式か食べ歩きができる食べ物が売っているって習った。

「お嬢様どちらへ行きますか?」

「屋台のクレープを食べてみたいです」

 お母様からバルは大人の社交場だから近づいてはダメよと言われています。

 覗いてみたら確かに大人の男の人がおおくて近寄りがたかったです。

 屋台のクレープは甘くないと聞いています。

 甘いのもあるそうですが、ほとんどしょっぱくてご飯の代わりに食べるんだとか。

「えーと、このお店で人気なクレープを一つ下さい」

「あいよぉお嬢様」

 屋台のおばちゃんは私が令嬢であることが分かったらしく丁寧にクレープを作ってくれています。

 緑色のペーストを生地に乗っけて、そこに焼いた鶏肉をのせています。

 薄く切られているんですね。そして最後に目玉焼きが一つ。

 それを生地で包んで手渡してくれますが…大きいですねこれ。

「お嬢様、一口失礼します」

 メリッサが毒見をしてくれました。

「食べてよいですよお嬢様」

「食べきれる気がしません…」

「余ったら私が食べますよ」

 ライラさんが余った分は食べてくれることになりました。

 ちょっとこのクレープを全部食べたらお腹にケーキを入れるところがなくなりそうです。

 それに食べ物を残すのは悪いことだってお母様からきつく言われています。

「ご飯を食べるということは、その生き物や植物の生を分けてもらっていることです。

 それを残すということは、私達に分けられた生命を無碍にすることと同じです。

 神の教えにも反するでしょう?」

 といわれています。

 タリム男爵家は養鶏を行う以上、生き物を食べるために殺すこともしているからなおの事、命をくれた生き物を無駄にしてはいけないということだそうです。

 女神さまに怒られないように正しく生活する必要があると思っています。


 クレープはちょっとしょっぱくてご飯だと思えばとてもおいしい味でした。

 卵の黄身がトロっと鶏肉に絡んで口当たりはマイルドです。

 緑のペーストは野菜類と豆を刻んでフレッシュチーズを混ぜたものだと聞きました。

 苦くなくて私は苦も無く食べられました。

 結局半分以上ライラに食べてもらいましたけれども…

 クレープを食べている間、私を見てぎょっとする人も結構いました。

 明らかにお貴族様って格好ですもんね…

 でもタリムは観光にやってくる貴族の方も多くて、たまにお父様とお母様がご挨拶していることがあります。

 最近では食の都タリムと呼ばれていて、旅行に来た貴族も食べ歩きをしていると聞きますから、あんまり驚かれないと思っていたのですが…


 クレープを食べ終えた私たちは、そのまま屋敷とは反対側に向かいます。

 こっち側の通りは生活用品や洋服などを売るお店が多いです。

 路地を入るとマンションが立ち並んでいて市民の方達が住んでいます。

 そういえば、噴水広場は朝方は市場になるんでしたっけ。

 そんなことを考えながらウィンドーショッピングです。

 洋服店やアクセサリーのお店は1店舗ずつしかないのでそれほど時間はかかりません。

 いつもはお屋敷に呼んで注文するので店頭に並んでる平民向けの商品は見ていて楽しかったです。


 来た道を戻り、カフェに入ります。

 ここはホテルタリム併設のカフェ、間違いない味のものが出てきます。

 といってもタリムの飲食店は他の町と違って”少なくとも外れはない”と言われているらしいです。

 タリムで飲食店を開く際は屋台であっても男爵家から発行される資格を持っている必要があるからだと言われています。

 衛生管理?と調理の試験を行うからだと教えられました。

 さらには資格には等級があって、ホテルタリムは三ツ星ランクなんだそう。

 これは、タリムだけの制度でガリム全体ではないそうです。

 なので、領都では下手なお店に入ると美味しくない料理が出てくることがあるらしいです。

 そこが差別化なのだとお父様が言っていました。


 今日頼んだケーキはベリーのケーキです。

 ふわふわのスポンジ生地に甘い生クリームがたっぷり塗られていて、中と上にベリー類が綺麗に並んでいます。

 間にはジャムもぬられていて、断面が層状になっていてとてもきれいです。

「朝どれのベリーを使ったケーキです、こちらのハーブティーと共にお召し上がりください」

 ホテルの従者の方が説明をしてくださいます。

 こんなオシャレなケーキお屋敷でもパーティーの時にしか食べられないですね。

 ホテルタリムでは予約注文すれば食べることができます。

 フレッシュなケーキはタリムでは一番人気のスイーツです。

 わざわざタリムにまで来る貴族の方達は、これを目当てにやってくるとまで言われています。


 というのも、今や王都でも生の鶏肉は購入が可能なようなのです。

 卵は無理だそうですが…

 べリリム侯爵家が主導して作られたと畜場にて今は鳥だけでなく、豚や牛といった家畜も王都郊外にて精肉されたものが市場に並ぶようになったとのことです。

 いまだハムなど日持ちする肉類も主流ですが、上流階級では生の肉をステーキにして食べるのが流行しているそうです。


 それにしてもこのケーキとっても甘くておいしいです。

 タリム郊外に建った砂糖工場のおかげですね。

 領内には輸入品よりも5割ほど安いタリム産の砂糖が流通しています。

 おかげで甘いクリームのクレープも平民でも購入しやすい価格になってきているそうです。

 いまやタリムは鶏だけでなく、砂糖の一大輸出地になっています。

 うちもそろそろ子爵に陞爵するってききます。

 砂糖の生産を可能にしたことが評されるそうです。

 そうなると私は子爵令嬢見習いですわね。

 もっともっと勉強しないといけなくなりそうです。

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