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防衛、レガリア城

「一休みにしましょうか。水分と栄養はお取りくださいませ。」


アルカードの稽古は正直かなり疲れる。俺には剣の才能があまりない(と、自分では思っている)ため、基本的には魔法で筋力や速度をあげなければ剣で渡り合うことは不可能だ。


そのため、本来なら練習も魔法を使用してするべきでは?と思うのだが、アルカード曰く


「普段から魔法に頼っていては、上手くなるものもなりませぬぞ」


ということで、魔法は使えないのだ。それはさておき、


「エスカ様」


休んでいる俺にそう声をかけてきたのは、魔王を除けば魔族最強と謳われているディアボロスだ。ちなみに、俺の秘書ポジションでもある


「どうした?何かあったか?」


「は。今代の勇者により、最西端の砦、レガリアが攻撃されるとの情報を得ました。」


「レガリアは1番人間界に近いからな。勇者の力を図るいい機会とはいえ、我が国の砦を落とさせる訳には行かないか…。」


いかが致しましょう?と目で聞いてくるディアボロス。そうだな…


「アルカード、ここの守りは頑丈だな?」


「は。いかなるものにも、魔王城アグネスやアグネス城下街を落とすことは不可能です。」


「ではアルカード、配下を束ねレガリアに向かえ。落とされることは許さぬ。」


御意、と言い消えるアルカード。アルカードがこの場にいないことを確認したあと、ディアボロスに向けて告げる。


「ディアボロス、少しここを留守にする。俺が留守の間、アグネスに俺がいない事は他の魔族の誰にも知られるな。」


「かしこまりました。しかし…何故知られないように?」


「俺をよく思わぬ輩に変に動かれても困るのでな。」


「ではそのように。お気を付けて。」


そう言って俺は自室に転移する。服を外出用のものに着替え、父親が俺のために用意してくれた魔剣を腰に指し、その隣にかけてあったもう一本の帝剣を空間収納する。


「アルカードを信頼していないわけでないのだがな。しかし今代の勇者の力を測るためには自分の目で見るのが1番だ。誰にも悟られないようにレガリアに行き、戦を見る。必要なら手助けをしてくる。」


いつの間にか後ろにいたディアボロスにそう告げる。


「行ってらっしゃいませ。」


そう告げられて、俺は光に包まれながらレガリアに転移する。


「ふむ、あまり変わらんな…勇者は…居たな。」


アルカードとレガリアの城主、シルビアと戦っている極光を纏った剣を持つ少年。あれが勇者だろう。どうやら異能だけでなく魔法も使っているようだな。


「あなたは誰?」

そう後ろから声をかけられて、俺は振り返る。そこには杖を持った少女が居た。


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