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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十六章 失敗に学ばない人

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第81話 サイボーグの見せ場

「そうか、連中を上手い事使えばいいんだな……ストーリーを奴等を通じて改変する。我ながら良いアイディアだ」 


 そう言うとかなめはすぐに首筋のジャックにコードを差し込んで端末に繋げた。彼女の目の前ですさまじい勢いで画面が切り替わり始め、それにあわせてにやけたかなめの顔が緩んでいった。


「何をする気だ?」 


 カウラの言葉にようやくかなめは自分が抜けた表情をしていたことに気づいて口元から流れたよだれをぬぐった。


「こいつ、おそらく今回も連中の監修を受けることになると思ってさ。そうなればすべての情報は電子化されているはずだろ?そうなればこっちも……」 


「改竄で対抗するのか?西園寺にしては冴えたやり方だな。私も協力しよう」 


 カウラはそう言うとキャラクター設定の画像が映し出される画面を覗き込んだ。


「じゃあ、私はもう少し……」 


 カウラは自分の役のヒロインの姉の胸にカーソルを動かす。


「やっぱり胸が無いのが気になるのか?」 


 生ぬるい視線をかなめが向けるのを見てカウラは耳を真っ赤に染めた。


「違う!空手の名人と言う設定がとってつけたようだから、とりあえず習っている程度にしようと……人の話を聞け!」 


 かなめはラフなTシャツ姿のカウラの画像の胸を増量した。


「これくらいで良いか?ちなみにこれでもアタシより小さいわけだが」 


 そう言ってかなめはにんまり笑った。誠はいたたまれない気分になってそのまま逃げ出そうとじりじり後ろに下がった。誠は左右を見回した。とりあえず彼に目を向けるものは誰もいない。誠はゆっくりと扉を開け、そろそろと抜け出そうとした。


「何してんだ?神前」 


 突然背中から声をかけられた。そこには島田がぼんやりと誠を見つめていた。


「ああ、島田先輩。僕はちょっと居辛くて……」 


 誠はとりあえずこの学芸会のような部屋から抜け出す口実を考えていた。


「そうなんだ、でもそこに立っているのは危ないな」 


 突然頭に巨大な物体の打撃による衝撃を感じた瞬間、誠の視界は闇に閉ざされた。



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