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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第十四章 長いものには巻かれるものらしい

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第71話 何か企んでいる女

「なによ!みんな見てるじゃないの!それに痛いし!」 


 アメリアはかなめのサイボーグの腕力に耳を引っ張られる痛みに耐えながら食堂まで引っ張り込まれてきた。


「そんなことどうでもいいんだ!それよりオメエ何考えてる?今日何しようとしてた?下らねえことを考えてるなら今すぐここで吐け!」


 かなめは顔を真っ赤にして怒りに震えてアメリアに迫った。 


「良くないわよ!それに私は監督で全責任を負うのよ。その原案についても出来上がってのお楽しみってのもあるでしょ?そんなこと言えるわけないじゃないの!役者は監督の言うことを聞いて黙って演技だけしてればいいの!分かった?」 


 かなめの手を叩いて耳を離させるとアメリアはそのまま廊下に消えていった。食堂の中の男性隊員はただなにが起きたかわからないと言うように口をあけたまま舌打ちするかなめを見つめていた。


「西園寺さん、さっきのはちょっとやりすぎだったような……あんなことされたら誰だってしゃべりませんよ。特に相手はアメリアさんですよ。一度へそを曲げたら絶対口を開くことなんて考えられません!」 


 誠は立ち上がってかなめが去っていくアメリアの後姿を見送っている入り口に向かった。どうにかしろと言うような視線を島田が誠に投げてくるのが誠もどうすることもできずにそのままかなめを見つめていた。


「なんだ?あ?神前はあいつの……あのアホに台本を公衆の面前で読み上げても平気だとでも言うのかよ。しかも子供が見れるようなものには絶対ならねえんじゃねえか?こんなことならかえでのお望みの実質ポルノに近いような濡れ場有りのベルばらの方がマシだったぞ」 


 そう言いながらそのまま何も言えずに立ち尽くしている誠と島田の目を見て誠が置いた自分の朝食のトレーの前にどっかりと腰をかけた。そしてそのまま何も言わずに猛スピードで朝食を食べ始めた。


「まあ、アメリアさんも多少は常識がありますから。かえでさんの書くようなエロの面で危ない台本にはならないでしょう。それにかえでさんとリンさんの衣装のデザインも本人の希望を入れて際どくはしましたが、放送できないほどでは無いので安心してください」 


 制服姿に着替えを終えたアメリアが食堂に入ってきた。入り口でつかまれていた右耳を抑えて苦痛に顔をしかめていた。誠はとりあえずしゃべる元気もないというようなアメリアに代わって取り付く島があるかどうかわからないかなめに口添えをしてみた。


「アメリア、神前。オメエ等の『多少の常識』ってなんだ?登場人物はすべて18歳以上とか言うことか?観客は子供まで想定に入れてるんだぞ?そんなオメエ等の常識が通用するか!アタシ等は映画を作るんだ。しかも良識のある人が見ても大丈夫と太鼓判を押してもらえるレベルじゃねえといけねえ。オメエ等がいつも作ってる同人エロゲとは話が違うんだ」 


 かなめは明らかに苛立ちながら少しは骨もある鯖の味噌煮を骨ごとバリバリ噛み砕いた。


「全員が18歳以上って……まあ、うちは実際最年少のアンが18歳だから本当にそうなんですけどね……ああ、ヒロインの小夏ちゃんが14歳でしたね。失礼しました」 


 そう言った島田にかなめが汚物を見るような視線を浴びせた。


「あ、すいません」 


 島田もその迫力に押されて黙ってパーラの差し出した朝食の乗ったトレーを受け取り誠の隣に座った。


「じゃあアメリアさんについて行けばいいですね。どうせ暇だし」 


 思わず誠はそう言っていた。かなめの顔が急に明るくなった。


「そうだな、神前。付き合えよ!それとカウラも連れて行けばなんとかなるだろ。アイツはこういう時は穢れを知らない常識人として役に立つ。価値判断の基準として使えるだろ」 


 簡単な解決策に気づいたかなめは瞬時に機嫌を直して白米に取り掛かった。誠はようやく騒動の根が絶たれたと晴れやかに食堂を見回した。


 その時不意に隊員達の顔が怪訝そうなものに変わった。誠はその視線の先の食堂の入り口に目を向けた。



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