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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第八章 不毛なる戦いの記録

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第45話 慌てて飛び込んだ詰め所

「廊下は走るんじゃないよー」 


 いつものように下駄をからから鳴らしながらトイレに向かう嵯峨の横をすり抜けると、誠はそのまま実働部隊の控え室へと駆け込んだ。


 肩で息をしながら誠は実働部隊の執務室で周りを見渡した。ようやく落ち着きを取り戻した詰め所の端末に座る隊員達が見えた。明らかに呆れたような視線が誠に注がれた。


「どうしたんだ?すげえ汗だぞ。何かヤバい事でもあったのか?」 


 椅子の背もたれに乗りかかりのけぞるようにして入り口の誠を見つめてかなめが聞いてきた。誠はただ愛想笑いを浮かべながら彼女の隣の自分の机に到着した。


「そのー。ちょっと遊び慣れた人に迫られまして……」


 誠はそう言って大きくため息をついた。


「失礼な!僕はここに居た!それに『許婚』である神前曹長は僕の物と決まってるんだ!今更迫る必要はない!」


 誠からすると良く分からない方向でかえでが怒りながらそう言った。


「いいえ、違います。毎日ラブホに通ってる中学生の方です」


 かえでにそう言われると誠はあまり言いたくない方の事を口にせざるを得なかった。


「ああ、アンに迫られたのか?アイツもそんなにケツを使ってたら痔になるぞ。まったくアイツの男癖にも困ったもんだ」


 かなめはあっけらかんとそう言って一笑いした。


「いくら苦手な人物に迫られたと言っても慌て過ぎだぞ。ちゃんとネクタイとベルトを締め直せ。たるんでるぞ。だから隙が出来てアンのような乱れた生活をしている人間から迫られるんだ。もっと規律正しく生きるように心がけろ」 


 カウラは目の前の目新しい端末を操作しながら声をかけてきた。


 誠は周りを見渡しながらネクタイを締め直した。一度は誠に向って怒って見せたかえでと渡辺がなにやら相談しているのが見える。そして当然のことながらアンの席は空いていた。


「すいません、遅れました」 


 おどおどと入ってくるアンが向ける視線から避けるように誠は机にへばりついた第三小隊設立以降、毎朝このような光景が展開されていた。



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