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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第五章 もとをただせば

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27/201

第27話 とりあえず話は元に戻って

「別にそんな具体的なこと考えなくても良いんじゃないかと思うんだよな。島田がレースが好きで、かえでが露出狂なのは良く分かったけど、そんなこと分かっても俺嬉しくないから。だから俺もこうなるだろうなあと思って最初から用意しといたんだ」


 そう言うと嵯峨はランの前の書類の束を指さした。


 ランはすぐにその紙の束を受け取ると全員にそれを渡した。


「私がシナリオ書きたいんですけど!レースでもポルノでも何でも来いだったけどどっちも没なんでしょ?それで希望ジャンルですか?」 


 そう言ってアメリアは会議机を強くたたいて立ち上がった。


「オメエに任せたらどうせ一人で1時間みっちり古典落語の大ネタをやるとか言うのになるだろうが!それじゃあまだレースで裏金の存在がバレた方がマシだ!まあ、ポルノは問題外だが」 


 そう言ってかなめはアメリアの頭をはたいた。カウラはこめかみに指を当てて、できるだけ他人を装うように立ち尽くしている。


「まあね、私も二年間しか落語の修業はして無いから『(しば)(はま)』とか『死神』とかの大ネタをやるとなるともう一回師匠の所に行って教えを請わなきゃならないし……それはそれで面倒な話だし……」


 自分のやる出し物まで決めていたアメリアはかなめにあっさり否定されると残念そうにうなだれた。


「それにどうせ他にやりたい奴なんて居ねえからアメリアが撮影とかを仕切るんだろ?じゃあ、そこで好き勝手すれば良いじゃねえか」 


 かなめはそう言ってため息をついた。


「まあな。アメリアは去年の実績もあるしな。それに一応コントビデオとか作ってた実績もあるし、その腕前を見せて頂戴よ。どうせ素人の演技だ。お前さんの特殊技術で鑑賞にたえるものにしてくれねえと俺の面子がねえからな……まあ俺はプライドゼロだからどうでもいいけど」 


 そう言うと嵯峨は出て行けというように左手を振った。


「希望ジャンル……何でも良いんですか?ポルノでなければ」


 レースのドキュメンタリーを諦めた島田が嵯峨に質問した。


「そう、なんでもオーケー。当然子供が見ても大丈夫なモノ限定と言うのがつくけどね。当然ポルノは論外。なんと言っても市からのお願いだから。その辺はお前達の常識に期待しているよ……ってそれが一番期待しちゃいけないところなのかもしれないけどね。まあ関係ないか、俺には」


 嵯峨は島田なら暴力表現オンリーのヤンキー映画とか言い出すに決まっていると決め付けるようにそう言った。


 誠はとりあえずポルノだけは避けられたと言うことに安堵の表情を浮かべて立ち上がった。



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