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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第四十四章 法術師と言う存在

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第187話 法術暴走と言う弊害

「それよりこのことは叔父貴は知ってるのか?法術特捜がその後見人に隠し事なんて感心しねえぞ」 


 かなめはあごを引いて上目遣いに茜を見つめた。


「知っています。いつかは私から伝えろとは言われていますけど……かなめ姉さまの態度を見ているとその時は今では無かったようですね」 


 茜は戸惑った調子でそう言った。


「なるほどねえ、まあ一番ああなる可能性の高いのは自分だしな」 


 かなめの言うことに誠は少し違和感を感じた。


「それってどういうことですか?隊長は能力制御が苦手だって自分で言ってましたけど、やっぱり米軍に無理やり封印を解除された副作用ですか?」 


 誠はようやく落ち着いてかなめの言葉に口を挟んだ。


「なあに、言ったまんまの意味だよ。暴走の起きる可能性は叔父貴が一番高い。そう言うこった。その原因も神前の言う通りだ。米軍は法術暴走の危険を冒してまで叔父貴の法術の封印を解除した。なにが自由の国だ!人の能力をいじくりまわす自由もあるってことか!」 


 そう言ってかなめは再びひざの上に腕を乗せて起き上がった。


「オメエから話せよ。実の親父のことだろ?」 


 そう言って上体を上げて茜を見た後はかなめは目をつぶってソファーに体を落ち着ける。その声を聞くと茜は神妙な表情で誠を見つめながら語りだした。


「実はお父様は遼南帝室の正統なんです」


 茜は初めから嵯峨の身の上を話すつもりでそう切り出した。 


「そこから話すか?ぱっぱと言えよ。アタシとしては必要事項だけ聞ければそれで良い」 


 天井を見上げてかなめが声を張り上げた。仕方が無いと言うような表情をして茜は再び口を開いた。


「でも苗字が遼帝家の出を表す『神前(しんぜん)』じゃなくて『嵯峨』ですよ……ああ、確か西園寺さんのお母さんの親戚なんでしたよね……だからですか?」


 誠の何気ない言葉にかなめはあいまいに頷いた。


「遼帝家で『神前』を名乗っているのは遼帝国が鎖国していたころに東和に亡命した一族だけだ。叔父貴は遼南内戦初期に自力でお袋を頼って甲武に来たんだ……だから苗字は本来は西園寺だ」


 かなめは関心なさそうにそう言った。



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