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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第三十六章 終業時間が来て

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第151話 公家の血筋

「分かったわよ、パーラの分は出すわよ。じゃあ、他の分はかなめちゃんで」


 アメリアは上手い事おごる数を減らすことを考え付いた。


「えー!やっぱりアタシがおごるのかよ。まったくなんでサラの分までださなきゃならねえんだよ!」


 かなめは明らかに不服そうにそう叫んだ。 


「外道!おごると言ったら気前良く行くのが甲武侍の心意気だろ?」 


 サラの後ろに隠れていた小夏が叫んだ。その言葉にかなめはつかつかと小夏に迫って行った。


「あのなあ、アタシは客なんだぞ。いつも外道呼ばわりしやがって。カウンターを三回壊したくらいで偉ぶるんじゃねえ!それにアタシは公家だ!侍じゃねえ!侍は公家に使える使用人だ。そんな使用人の立場もわきまえずに自分の国を『サムライの国』なんて気取ってる連中と一緒にするな!」 


 かなめは小夏の言葉にキレてそう言い返した。


「西園寺、壊したのは四回だ。それとテーブルを三つ、椅子を10脚くらい付け足しておけ」 


 そう言うとカウラはかなめと小夏の脇を通り抜けて誠をつれて更衣室へ向かう廊下を早足で歩いた。


「良いんですか?カウラさん。西園寺さん喧嘩を始めそうですよ」 


 先に立って歩いていくカウラに誠は恐る恐る声をかけた。


「いや、喧嘩にはならないだろ。あいつは金のことでは喧嘩をしないからな。昔から言うだろ『金持ち喧嘩しない』と」 


 かなめのことはすべて分かっているというようにカウラは歩き続けた。


「でも……」 


「安心しろ。あいつの持ってるカードはサイン一つで巡洋艦が買えるようなカードだ。西園寺の家の裏書にはその位の価値があるということだ」 


 あっさりそう言うとカウラは女子更衣室に消えてしまった。誠は振り向いた。遠くに見えるかなめ達はなにやら耳を寄せ合いながら時々誠を眺めるようなそぶりをしていた。


 その時、急に誠の体は体重を預けていた男子更衣室に引きずり込まれた。



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