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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第三十章 ご都合主義的展開

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133/201

第133話 文句の一つもつけたくなって

「僕の格好ってこんなに間抜けでしたっけ?もう少し尖った肘とか、胸のあたりにシールドみたいなのをデザインして格好良くしてみたつもりなんですけど。あと、なんでシルクハットを被ってるんですか?あれは明らかに邪魔ですよ」 


 その言葉にアメリアの笑みが大きく見える感覚に誠は囚われた。


『ああ、それねデザインしたのは小夏ちゃんだから。それにこれは魔法少女モノよ!野郎が目だったら意味ないわ。それに魔法少女を助けるキャラにはシルクハットは欠かせないって小夏ちゃんが言ってたから私もその方が面白そうだから採用したのよ』 


 あっさりとアメリアは答えた。小夏が後ろでガッツポーズをしている。周りでは運行部の女性隊員が拍手をしていた。


『良いんだよ、どうせやるのはお前さんなんだから。まあ一部。ぶーたれてる奴もいることだしさ』 


「新藤さんまで……」 


 誠はこのまま部屋に帰りたくなったが、帰ればカウラとかえでによる血の制裁が待っていると気づいて踏みとどまった。


『じゃあ次は女将さん……いえ、春子さんの場面ね』 


 アメリアの声に誠は興味を引かれた。


 春子の役、魔獣ローズクイーンのデザインは誠がしたものだった。はっきり言って悪ふざけに過ぎたと自分でも思えた。頭に薔薇の花のような冠を被り、両手から蔓のような鞭が生え、全身が緑色の素肌のような格好にところどころに棘が映えた姿である。正直、エロゲ系RPGの敵モンスターみたいだなあと思いながら書いた落書きをどうアメリアが使うのか予想が付かなかった。


 そして画面が開いた。中央でリンは腕組みをして、人が入るほどの大きさの透明なカプセルを見上げた。顔のアップでの怪しげな笑みに誠は背筋が寒くなるのを感じた。


『うちの女性陣は何でこういう悪役やらせると映えるのかな』 


 これは絶対に口にはできないと思いながら誠は目の前の光景を眺めていた。


『ふっ。やはり所詮は出来損ないの試作品か。まあいい時間稼ぎになっただけましというところか……』 


 メイリーン将軍ことリンはそのまま目の前のカプセルを見上げた。そこには全裸の女性のようなものが入っていた。


『え?』 


 誠は目を疑った。それは彼がデザインしたまんまの魔獣ローズクイーンの姿だった。ローズクイーン役の春子は眼を開き、これもまた悪そうな笑みを浮かべてリンを見つめる。


『やっぱ怖いよ、うちがらみの女の人!』 


 冷や汗を流しながら誠は画面を見つめた。


『さて、あとはあのはねっかえりの王女様がどれだけの成果を上げるか、楽しみだねえ。貴様もそう思うだろ?』


 再びリンはとてつもなく悪そうな笑みを浮かべた。それに答えるようにして春子が舌なめずりをしていた。そして再び画面が暗くなった。


『アメリアちゃん、こんな感じで良いの?』 


 うれしそうに春子はアメリアに演技の感想を尋ねた。モニターにその姿は映ってはいないが彼女が非常に楽しんでいることだけは誠にもよく分かった。


『お母さん凄い!私達もがんばりましょう!』 


『当然よ!』 


 小夏とサラが割り込んできた。誠はただカウラとかえでの制裁が怖くてじっとして周りの人々から忘れられようと気配を消していた。



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