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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 節分と『特殊な部隊』  作者: 橋本 直
第二十六章 差し入れとはまり役

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第120話 見え透いた展開

『そこまでだ!機械帝国の手先め!』 


 突然かなめのわき腹のむき出しの機械の部分に明石が猟銃を突きつけた。あまりに唐突な登場に誠は目を覆った。


「これもアメリアの狙いか?」 


 再び口におはぎを持っていきながら嵯峨が誠に尋ねてきた。誠はさすがにこの展開はないだろうと思ってただ苦笑いを浮かべるだけだった。そんな状況を知らないだろうかなめことキャプテンシルバーは静かに手にしていた鞭を投げ捨てた。


『おじさん!危ないよ!その人から離れて!』 


 そこに小夏が現れた。彼女がかなめに止めを刺そうとしていると思ってかえでとリンは手を握り締めて画面を見つめた。


『安心しろ!機械帝国の手先程度に怯む私では無い!それとこいつはこの世界を崩壊に導く機械だ!今すぐ壊してしまわなければこの世界もいずれコイツの手先に征服されてしまう!』 


 そう言って明石は猟銃の引き金に指をかけた。だが、小夏から放たれた小さな火の玉に銃を取り落とした。


『キャプテンシルバー。本当にそれで良いの?世界を機械で埋め尽くして……それが願いなの?』 


 歩み寄る小夏にキャプテンシルバーは再び鞭を取ろうと立ち上がろうとするが、腕や足から機械音がするばかりで体を動かせずにいた。


『小夏!近づいたら!』 


 サラの制止を無視して歩いていく小夏。かなめの腕や足から煙が上がった。


『大丈夫、あなたを壊したりしないわ』 


 そう言うと小夏の両手に暖かいクリーム色の球体が浮かんだ。それはゆらゆらとゆれて要の壊れた体を修復していった。


「便利だねえ。俺も魔法を使えないかな?法術はこんなに都合よく発動してはくれないからな。折角の力があっても不便なだけだよ。まあ、ラン並みの使い手だとあのくらいの事は出来るかもしれないがね」 


 そう言いながら嵯峨は明らかに無理をしておはぎを口にねじりこんだ。


『情けを……貴様……敵に情けをかけたつもりか?』 


 キャプテンシルバーは悔しそうに唇を噛んだ。なぜか出てきた猟師っぽい明石が再び銃を手にしてキャプテンシルバーに向けた。


『この借りはいつか返すぞ!』 


 そう言ってキャプテンシルバーは消えた。そのまま森に残された小夏と明石は顔を見合わせていた。



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