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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第二項 鉱山の街
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情報売買 その2

「負けですよ。是非その情報を買わせていただきます」

「教授ならそう言ってくれると信じていました」


 情報を売りつけることには成功した。教授たちも検証を始めたばかりなので、いつでも金欠だろうからな。私の読みは当たってたというわけだ。

 

「さて、ミスリルを入手する方法ですが鉱山に生息する魔物、潜りモグラを倒すことです」

「もしかして、それだけですか? ゼロさん」

「まさか、だがそうとも言えます。潜りモグラを倒すことでミスリルが手に入る。それも教授たちの検証通りなら5~10%の確率でです。しかし、今から鉱山に行ったところで効率よくミスリルは稼げません。まず前提として鉱山に行っても上層しか入れませんからね。上層で普通に戦っていては潜りモグラは殆ど出てきませんから。そこで重要になってくるのがーー」


 私が知りえる効率よくミスリルを入手する方法を教授に教える。

 鉱山の帰りに兄弟たちに協力してもらい検証も済ませてある。この情報に信頼性があるかどうかは教授たちが本検証をして調べるだろうから概要を説明するだけだ。


 潜りモグラは壁を叩く音に敏感でその音を頼りに土の中を進み襲い掛かる。そのためミスリル目当てに討伐しに来たプレイヤーたちでは、碌に潜りモグラに出会うことはできない。

 壁に向かって何度も攻撃をする奇異な行動をするプレイヤーはいないだろうからな。

 なので、鉱山には住民か訪問者の生産職、特に鉱石採掘ができる人材がいなければいけない。だが、この街に来たばかりでは住民と伝手を作ることは難しく、訪問者の生産職はこの街で売られている鉱石で生産活動は問題なくできるので、わざわざ自ら採掘にはいかない。

 それに、このことを知らなければ潜りモグラからミスリルがドロップすると分かっていても装備を作るほどに貯めるのは時間と労力がかかる。


「と言うことです。鉱夫組合とは多少は伝手があるので、もし採掘できる人材がいないなら多少は力になれますよ。それと、これが潜りモグラからドロップするミスリルです」

「ほう、これがミスリルですか。β版では出てこなかったファンタジーの代物ですね。ですが、この大きさなら確かにアクセサリーを作るのでも一苦労。ましてや、防具などもってのほかだと。しかし、魔術師などの魔術を使うプレイヤーなら喉から手が出るほど欲しいアイテムでしょうね。

 杖に着けてもアクセサリーにしてもどちらでもいいわけですから。これは良い情報を教えてもらいました。早速ですがこの情報の対価について話しましょうか。

 お察しの通り今の私たちではこの情報に見合う金額を即座に出せるほどお金に余裕がありません。そこで提案なのですが情報料として百万バースと私たちが今知っている情報の提供で如何でしょうか?」


 百万バースか。本来の情報の価格と比べたらかなり低いだろうな。だが、教授たちが知っている情報をプラスアルファで提供してもらえるのなら大黒字だ。

 それだけ情報には価値がある。希少な情報であればあと1桁追加されるものもあるのだから。


「分かりました。それで交渉成立といきましょう」

「それは良かったです。かなり低い値段になってしまいましたが、これが今私が出せる全額だったので一種の賭けだったのですよ」

「はは、そうだったんですか。それなら私ももう少し粘ればよかったですかね?」

「それはご勘弁を」


 無事に商談は成立した。

 臨時収入で百万バースも手に入ったので新しいスキルを習得するのがいいかもしれない。

 補助スキルはあって困るようなものではないし、優秀なものが多い。それにチュートリアルで手に入るスキルなら1つ数万バースなので、それなりの数が買える。50万バースは残しておけば装備の依頼はできるだろう。


「今日はありがとうございます。おかげで有益な情報を得られました」

「こちらこそ助かりましたよ。教授たちの情報にはいつも助けられてますからね」


 教授から今知りうる限りの情報を教えてもらったので大満足だ。

 まさかこの街で馬を買えるとは知らなかった。スキルの書を買うのはやめて馬を買おう。もうこれは決定事項だ。馬は黒色がいい。夜闇に紛れて奇襲するのにも役立つからな。


 それに次の街に行くのも......おっと、そう言えばこの後は不知火たちと狩りに行く予定があった。

 もちろん次の獲物はゴーレムだ。今日の魔石集めは終了。今度は不知火たちの装備の材料集めに行くことになってる。私が持ってるアイテムを売るのもいいがそれは不知火が辞退したのでこれは売却だ。




「やっぱり全員そろったね」

「だな!! 俺も新しい武器作りてえから早く行こうぜ」


 今回も全員集合した。まだレオたちは装備を更新していないようなので早く狩りに出掛けよう。


「今日は何時までできるんだ?」

「僕は何時でもいいよ」

「吾輩は1時くらいですかな」


 不知火たちも大体夜中の1時くらいまでならできると言うことなので少しは余裕がある。

 今回はパーティ戦なので魔石を手に入れてもカウントされないが気分転換は重要だ。

 ゴーレムはここら一帯で一番難易度が高いがパーティなら何とかなる。ついでに今日中にレベルが上がるといいのだが。まあ、上がらないことなどないと断言できるがな。


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