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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第五項 王都
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腕輪の検証

 一度ログアウトし、休憩を挟んでから再度ログインを果たす。宿を出て大通りに出るとプレイヤーの熱気がさらに上がっていた。時刻も19時と社会人たちも参加する時間帯に近づいているからだろう。


 歩きながら午後に手に入れた魔除けの腕輪を取り出す。それから鑑定を掛けると前回の鑑定結果と変わらない情報が提示された。


 おそらく魔除けの腕輪はデミワイバーン・ドクトゥスのレアドロップだろう。効果が一致する箇所が多いので間違いではないはずだ。

 それにしてもこれ程強力な装備をドロップするとは変異種様々だ。これが貰えたのはラストアタックを決めたからかもしれない。


 鑑定で装備の性能は見ることが出来たが使ってみない事には良し悪しは分からない。なので王都の外で性能調査をしようと思う。それと魔力を伴う事象の低減とやらがどれほど効果を発揮するのかも検証しなければいけない。

 もしデミワイバーン・ドクトゥスと同じ性能をしているのなら魔術を無効化できてしまう壊れ性能だからだ。そんなことになれば範囲魔術や多段判定魔術を気にしないで戦えるようになり今まで以上に動き回ることが出来る。


 城門を潜って外に出る。まずは魔物で検証だ。本来ならプレイヤーに頼んで検証した方が早いのだろうが今はそれどころでは無さそうだし、そもそもオリジナルスキル並みの切り札になり得るので出来る限り情報の秘匿はしておきたいと言うのが本音だ。

 まあ、魔物相手にしてもこの場で検証する訳だから気づく者もいるだろう。先の戦いで二つもオリジナルスキルを使っているわけだし、デミワイバーン・ドクトゥスの能力を知っている人間が見れば関連づけるのはそう難しいわけではない。


 適当なアクセサリーを外して魔封じの腕輪をセットする。これで問題は無く効果が発動されているはずだ。


「まずは肩慣らしだな」


 魔力を伴う攻撃ならば魔術だけではなく勿論魔導にも有効と考えていいはずだ。だが門から一番近い所にいる魔物は魔導も使えない魔物ばかりだ。魔導持ちと戦うにはもう少し前線に近づかないといけない。

 そう考えて白黒を発動させるため魔術を行使しようとして違和感に気づいた。どういう訳か上手く魔力が練れず思い通りに魔術を使うことが出来ないのだ。


「つまり...そう言うことか」


 デミワイバーン・ドクトゥスも魔導による攻撃はしてこなかった。だが今思えばしなかったのではなくできなかったのではないだろうか。イダンの言った通り魔力を無効化する効果は自身にも適用されていたのだ。

 それが装備になっても反映されない道理はない。しかしだ。装備の効果になったが故に元の性能よりも劣るように調整がなされているはず。


 それを証明するように集中し、魔術陣の構築を行えば普段よりも長い時間を掛けて魔術陣が出現した。そして赤いオーラが私に降りかかる。だが心なしかいつもよりその輝きは薄れている。

 これは効果にも影響を及ぼしているだろうとステータス画面を開くとSTRの上昇値は12、さらにハイエンチャント・レッドアップを行使することでSTRを上昇させると11だけSTRが追加された。

 つまり元の効果から半減していることになる。もしかすると、と思い魔封じの腕輪を外してみるが上昇値は変わらず元のままだった。


 次にエンチャント・グリーンアップとハイエンチャント・グリーンアップを発動させる。その結果AGIが24、次に23上昇した。それから再度魔封じの腕輪を装備するがAGIの上昇値は変わらなかった。


ちなみに書術のアーツを使ってみたが魔封じの腕輪を装着していると結果は同じだった。ただアーツによっては効果そのものが影響受けることは無い事が分かった。


「結果をまとめるとこいつを装備している間は碌に魔力自体を扱えなくなり、バフに関しては効果が半減する訳か。そして一度掛けたバフは装備を外しても上昇値は継続する。だがバフを掛けてから装備すれば上昇値に影響しないと...。玄人向けの装備だな。使い方次第では良いようにも悪いようにも化ける、か」


 メタモルフォーゼがあるので使い方さえ間違えなければ相当強力な装備と言える。バフの効果時間が1分なので調整は必須だな。それに他の魔術も使用する事を考えると魔術を発動する毎に防具変換は難易度が高い。

 逆に前に出て戦う時に真価を発揮する。後、不意打ちの威力を下げることが出来るがそちらは万象夢幻が発動するので意味は薄そうだ。


「大体の仕様は理解できた。後は魔導に何処まで影響があるか」


 一度魔封じの腕輪を外して魔物とプレイヤーたちが入り乱れる戦場に出る。迫り来る魔物はウルフなどが多いので攻撃を避けてから返しの一撃で仕留める。進みながら魔術を行使すれば徐々に白黒は成長し、瞬く間に私が超強化されていく。

 レベル差とパラメータ差の両方が合わさりウルフやゴブリンと言った魔物は相手にならなくなってしまった。検証を再開するにしてももう少しは強い魔物の方が良いだろう。それに分かりやす魔術を使って来る相手の方が良さそうだ。


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