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AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第四項 迷宮の街
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パーティ VS トレントンキング その4

 鎌鼬が飛び出し、ロードの横を抜けて私に向かって来る。

避けようと思えば避ける事も可能ではあるが今の位置から動くことで防衛態勢を崩されることに繋がっては困るので展開していたリフレクトを間に挟む。

 すると、半透明の盾にぶつかった鎌鼬は吸収されるかのように消失した。

 本当ならここで魔導を行使したトレントン目掛けて反撃が行われるがリフレクトは意識することで反射を行わずに盾の形状を維持して使用することが出来る。

そのため、リキャストタイムをなるべく挟まないでトレントンの攻撃を防げるためMP不足に陥るまでの時間が引き延ばされて助かっている。


「レオ、魔導は無視して攻め続けろ。とにかく手数を増やしてくれ」


 アブソープやエンチャント・マナスティールをレオに飛ばしながらマナコンバージョンでレオのMPをロードに移していく。

 アブソープは対象に触れ続けることでMPを奪い、エンチャント・マナスティールは対象に触れるだけでMPを奪うのでどちらにせよ今は手数が必要だ。


「クロススラッシュ。ダブルスラッシュ! まだまだ行くぜ! ハイクロススラッシュ......ハイダブルスラッシュ!!」


 大剣にオーラが纏わりつきトレントン目掛けて振るわれる。

 一回目はクロス型に軌跡を残し、次いで横一文字に二回斬撃が刻まれる。

 それだけでトレントンのHPは一定値まで減少し、ダブルスラッシュによる攻撃で幹が切断されていることもあって切断面から再生が始まった。

 しかし、レオの攻撃はそれで終わらず、隣のトレントンを標的に長剣術Ⅱで習得したアーツを放つ。

 二次スキルで習得するアーツだけあり、ダメージ量は剣術のアーツを上回りハイダブルスラッシュの一回目の攻撃でトレントンを切断し、残りの一撃分を虚空に放つ。

 すると青色のオーラが僅かに飛んでいき、近場のトレントンを攻撃した。


 一連の動作で2体のトレントンを戦闘不能状態にし、追加でもう1体のトレントンにダメージを与えた。

 しかし、奪い取ることが出来たMPの量は微々たるものだ。さらにマナコンバージョンでロードにMPを移せば変換率の影響でさらに得られるMPは減少してしまう。

 高品質のMP回復ポーションがあるので逼迫した状況に陥ることは無いが考え物だ。

 ソロなら万象夢幻の黒失を上手く使ってMP回復することも出来るし、体術メインで戦闘を行えばアブソープなどでもMPを回収することが可能だ。ただ、この方法はパーティを組んだ状態では難しいものがある。

 これもパーティメンバーが考えなしにMPを消費するのが悪い。特にロードと聖の二人に限ったことだがな。


「お?」

「おや?」

「どうした?」


 トレントンを攻撃していたレオとロードが同時に首を傾げる。


「トレントンの再生能力が鈍ってませんかな?」

「だよな!? タイミングがズレるから何事かと思ったぜ!!」

「ここに来てパターン変化か? 要因は何だ? 時間だろうか。だが、それだとタイミングが不可解だな。一番可能性が高いのは一刀か聖たちが何かやったかだが」

「ゼロ殿、今考えても仕方ありませんぞ。ここは一刀殿たちが戻って来てから聞くことにして戦闘に集中しましょう」

「それもそうだな。この後、行動パターンに変化が無ければロードが対応しているトレントンの一部をレオが相手してくれ。その分、ロードはMPの節約だ」


 いよいよ中盤戦開始と言ったところか。

 トレントンキング戦は今までのフロアボス戦で一番長引くことは確定だ。


 師匠から言い渡された修行が変更される前はリアクティブスネークのソロ討伐だったがあれも長引いた方だ。しかし、変更された今回の修行は確かにパーティで挑まなければ厳しいものになっていた。

 今も三手に分けて行動しているので一人で攻略を行うとしたら単純計算で三倍の時間は掛かることになってしまう。さらに時間的問題だけで解決するかと言われたら微妙なところだ。

 ダンジョンに潜る前はソロでトレントンキングを討伐してやろうと意気込んでいたが攻略法が確立していないうちは控えた方が良さそうだ。

 折角、銀樹刀を強化出来るチャンスだと思ったが無理して装備をロストでもしたらシャレにならないからな。




「聖たちはまだ来ていないのか?」

「一刀か。あいつらは戻ってきてないな。それより、どうだった?」

「気がかりな情報を見つけた。」


 レオとロードの一方的な攻撃が続いている中、偵察に出向いていた一刀が帰還した。

 詳しく話を聞こうとしたところ、聖たちが戻って来てからの方が良いと言う事で一刀もトレントンとの戦闘に参加した。

 そうと決まれば一刀にはアブソープなどのバフを掛けていく。レオとは違い、一刀は手数を重視するスピードタイプの前衛なのでMP吸収効率が高まる。

 何気にこれが侮れないもので一刀に役割を託したレオが十分に活躍できるようになった。これで待機時間が長い強力なアーツを使えるようになり、より多くのトレントンを行動不能に陥らせることが出来る。

 さらに、これによりロードが行使する魔術の量が減少してMP節約にも繋がっている。


 聖たちが戻って来れば本格的に戦闘が始まる現状では貴重なダメージソースを無駄にすることは出来ない。それに、ヤツを確実に倒すには継続ダメージを与えるのではなく、一撃の威力が重い方が良い。

 そうなれば多重詠唱に加えて複合詠唱かつ魔乗せなどのテクニックで威力上昇を目指すためMP消費量がバカにならい。下手をすれば一回の攻撃で殆どのMPを使い果たすこともあり得る。


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