表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
144/378

迷宮の街 その1

 教会を出て生産職ギルドに向かう。しかし、今の時刻は朝の9時過ぎなのでリアさんたちはログインしていなかった。

 今の時間帯だと知り合いのほとんどは会社に行っているだろうからな。まあ、アルはログインしているようなのでリアさんに渡してもらうよう頼むか。ドロップ率が高かった〈高薬樹の欠片〉は500個程ドロップしているので100個くらい渡せば大丈夫かな。


 それが終わったらすぐに定期馬車に乗り迷宮の街に向かう予定だ。


 それだったら生産職ギルドに行く前に先にラピを迎えに行かないとか。

 昨日はラピを少しも走らせていないのでストレスが溜まっているかもしれないが今回も定期馬車を使うので我慢してもらうしかないな。迷宮の街もダンジョン内にラピを連れていくことはできるだろうがダンジョンの中は普通のフィールドよりも明らかに危険だろうからラピをダンジョンに連れていくのは躊躇するので次の街でもラピは待機してもらうことになる。


 一刀たちは先にダンジョンに潜っているがすでに10階層のフロアボスを倒しさらに上の階層まで進んでいるようだ。アーサーたちも40階まで進んでいるみたいだし早く私もダンジョンに潜りたい。

 さっき一刀からダンジョンの詳細が届いていたので後で読み込んでおこう。今のところダンジョン内には罠とかは見つかっていないようなので私一人でも潜ることはできそうだ。


「おお、待たせたな。そんなに寂しそうな顔するな、ラピ」


 宿についてラピを迎えに行けば向こうからすり寄ってきて寂しかったと私にアピールしてくる。かわいい奴め。一日空いてしてしまったので私に早く会いたくて仕方なかったのだろう。

 こんな健気な姿を見ると迷宮の街までラピに乗って行きたくなるがそれだと仮眠が取れないので諦めてもらうしかない。昔なら3日くらい徹夜でも問題なかったのだが年を取るとしっかり寝ないといつも通りのパフォーマンスがだせないのがつらい所だな。


 宿の者に礼をいいラピを連れて生産職ギルドに向かう。そろそろきつくなってきた。本当だったら走ってギルドに向かいたいのだが戦闘のし過ぎで疲れているし、殺気のコントロールをしながら戦ったせいか今にも眠気に負けそうだ。

 

 それからラピと歩いて生産職ギルドまでたどり着いた。ここに来る前にアルにはギルドで待っているようにフレンドメールで伝えたのでアイテムを渡したらすぐに馬車乗り場まで向かう。


「あ、いたいた。目が死んでるから一瞬誰だか分らなかったよ」


「そんなにヤバいか? 朝まで魔の森で狩りをしていたからだろうが今にも寝落ちしてしまいそうだ」


「まさか徹夜? 身体には気をつけてよね」


 ギルドに入ると直ぐにアルと合流することができた。今の私はそんなにひどい見た目をしているのか? まあ、寝れば治るだろうし、そこのところは気にすることじゃない。


「これをリアさんに渡して欲しいのだが頼めるか?」


「りょーかい。うわ、なにこのアイテム!? 魔の森にこんな魔物いたの?」


「麓にはいないだろうが砦の奥にならいる。今回、私は教会の関係者として特別に入れてもらったが普段なら入ることができないからそれはかなりレアなアイテムだと思うぞ」


 魔の森の奥には許可がないといけないのは知っていると思うがその中にはどんな魔物がいるのかは流石に知らなかったようだ。

 私が魔の森の中で見た魔物はウッドアニマルとゴブリンだけだがあれは魔の森のほんの一部しか入れていないのでもっと奥にまで行けば多様な種類の魔物がいるのだろう。それもウッドアニマルみたいなドロップアイテムの内容が有益な魔物がな。


 そういえばウッドアニマルのドロップアイテムの鑑定結果を見せていなかったな。これがその内容だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高薬樹の欠片 上等級 ☆5

高薬樹の欠片。薬草の効果を上昇させる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高薬樹 上等級 ☆5

高薬樹。薬草の効果を上昇させる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

生命の葉 上等級 ☆5

生命の葉。煎じて飲めば体調の不良を解消する


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

生命の雫 上等級 ☆5

生命の雫。癒しの効果がありこれを飲むと一定時間HPが自動回復する


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 まずはリアさんに渡す〈高薬樹の欠片〉だが、これは粉末にして薬草に振りかけてから時間を置くとその薬草の効果が上昇すると教会の人に教えてもらった。高品質の薬草でポーションを作っている彼女なら喜んでくれるだろうと、前にMPポーションをくれた礼にこのアイテムを渡すことにした。

 本当だったら〈高薬樹〉を渡すのが良いだろうが我々プレイヤーのせいでポーション類が品薄になってると師匠に言われていたのでこっちのアイテムは全て教会に寄付することにした。一応、私も教会に所属していることになっているからな。


 そして残りの二つのアイテムだが今までも使えるドロップアイテムを入手してきたがアイテム単体で効果を発揮するのは少なかった気がする。〈生命の葉〉と〈生命の雫〉はこれ単体で料理と同じ効果を発揮するので売ればかなり高額になるだろう。

 だが、教会に寄付してしまったので雫の方は残り一つしかない。これだけ時間がかかったのに手元に残るのが1個と言うのは寂しいものだが、欲しいのだったら、またウッドアニマルを狩ればいいだけの話なのだ。


 まあ、〈生命の雫〉もリジェネーションで代用できるのでそこまで必要と言うわけではないのだがな。パーティー戦をするなら予備にあってもいいかなって程度なのでこれ以上は狩る必要はない。

 〈生命の葉〉はアリアさんが教会で買ったものと一緒のアイテムだ。見ての通り体調不良を治す効果がある。これは私が持ってても仕方がないのでギルドに売ろうとも考えたがリアさんがこれでポーションを作れるかもしれないので彼女に〈生命の葉〉が必要か連絡をしておいた。


 もし彼女が欲しいと言ったら適当な値段で売るかポーションと交換してもらおう。〈生命の葉〉もタダであげないのかと誰かに言われそうだが私と彼女たちは生産者と消費者の関係なので必要以上にタダでものを渡すのは違う。それは向こうも分かっているだろうしな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ