表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AWO〜ゼロと愉快な5人の仲間たち〜  作者: 深山モグラ
第一章 中央大陸編 第一節 中央王国 第三項 森林の街
120/378

エルダートレントン その5

「ハイスラッシュ!! ったく枝が多すぎて本体に攻撃できねぇぜ」


「そういう魔物だから仕方ない。諦めるんだな」


 レオたちがエルダーの本体に攻撃を当てようとしても枝や根に拒まれてしまって大してダメージを与えられないでいる。レオほどのSTRがあればエルダーの幹に攻撃が当たったらロード以上にダメージを稼げるのは間違いないがそう簡単にはいかないようだ。

 ここにきてすでに20体以上エルダーを討伐しているが未だにロードが一番ダメージを与えている。枝とかに攻撃するだけだと本体を攻撃するよりはダメージが減ってしまうので仕方がない。ロードを見ていると相性が重要だとつくづく実感させられるよ。


「ゼロが来てくれたおかげで効率が上がったのは確かだけど、いつものオリジナルスキルが戦闘を終了するごとに切れるのはつらいね。エルダートレントンってほとんど動けないから釣りもできないしさ」


「それは仕方なくねぇか? ゼロのオリジナルスキルが常時発動してたらそれこそバランスが崩壊するぜ」


 それに関しては不知火の言う通りだ。〈白黒〉が常時発動の効果だったらと考えると明らかに手が付けられない。それに絶対、隠れ制約が追加されていて気軽に使えなくなるに違いない。


「ハイファイヤーピーラー......そういえばゼロ殿は種族レベルが50を超えていましたな。新しいオリジナルスキルはすでに作ったのですかな?」


「ロード、その手には乗らないぞ。流石の私とて公式の情報くらい目を通しているからな。公式イベントが終わったら教えてやるよ」


「これは手厳しい。まさかゼロ殿が公式イベントのことを知っていたとは」


 私のことをどんな目で見ているのかロードとは小一時間話し合う必要があるな。まあ、これはアルが教えてくれたことなので普段の私だったら普通にしゃべっていた可能性がある。

 公式は大してゲーム内の情報を流さないくせにイベント情報は広告するのだから困ったものだ。情報の更新頻度が遅いと覗きにいかなくなるのは分かってやっているのだろうか?


 公式によれば夏休みに入る前に大型アップデートがあり、アップデート後には第2陣の参加と夏イベントが開催されると書いてあった。

 細かい内容は順次発表すると記載されていたが早くも夏イベントは生き残りをかけたサバイバルだと発表されていたのでロードはそのことを知っていて私の2つ目のオリジナルスキルを聞き出しに来たと言ったところか。


 一応はバレても問題ないようには作ったが対策を取られないようにするためにもイベント当日まで秘蔵する方がいいだろう。ロードなら必ず対策を立ててくるだろうしな。


〈戦闘が終了しました〉

〈魔力視のLVが上昇しました〉 

〈視覚強化のLVが上昇しました〉

〈聴覚強化のLVが上昇しました〉 

〈臭覚強化のLVが上昇しました〉

〈感覚強化のLVが上昇しました〉 

〈看破のLVが上昇しました〉 


 最後にロードが行使した魔術のおかげでエルダーのHPがなくなり無事に勝利した。ここまでくるとエルダーを倒すまでの定石ができてくるので特に苦戦するはずもなく片手間に終わってしまうのでこうして雑談しながら狩っているのだ。


「今度はあれだな。結構サイズが小さめだからすぐ終わるだろ」


 一刀が発見したエルダーは今まで戦ってきた中でも一番小さい。ほとんどの場合、トレントンは大きさで強さが決まるので背丈が低いアイツは弱いに違いない。


「だったらさ。あのトレントンでTA(タイムアタック)してみない?」


「いいなそれ!! じゃあ、作戦考えようぜ!!」


「TAですか。懐かしいですな。βの時にはよくやりましが今回は30秒を目指しますかな?」


 全員やる気みたいだ。それならダメージソースがロードしかいないので、まずはダメージ源を増やすことが重要だな。初手でエルダーの動きを封じれれば一刀たちも攻撃に加われるのでホーリープリズンが安定か。


「まあ、いつも通りだが俺は最前線で枝からの攻撃を防ぐぞ」


「じゃあ、俺と一刀はひたすらエルダートレントンに攻撃だな!!」


「エルダートレントンの攻撃範囲を抑えるのは私も参加しよう」


「僕は漏れた攻撃を撃ち落とすから不知火は前方からの攻撃だけに集中してね」


「吾輩はいつも通り火属性で攻撃しますぞ。それとフレンドリーファイアが起こらないように範囲攻撃はしませんが当たりそうになったら適当に避けることを推奨しますぞ」


 これで作戦は決まりだな。まとめると一刀とレオはとにかく本体を目指し走り抜ける。その時に前方からくる攻撃は不知火が防ぎ、横からの攻撃は私がそもそも攻撃できないようにホーリープリズンで防ぐ。それでもホーリープリズンから抜ける攻撃があったら聖が矢で撃ち落とす。

 ロードはいつも通りだが今回はMPの消費を気にせず火力だけを求めてもらう。ロードの連続詠唱は久しぶりに見る気がする。いつもは均等にレベル上げするために多重詠唱しかしてないからな。


「準備はいいか?」


「こっちはオーケー」


「俺も問題ないぜ!!」


 他のやつらも問題ないとのことなので始めるとするか。バフはさっきの戦闘でかけたバフがまだ継続しているので重ね掛けをする必要はない。

 アシストはタイミングが命なので少しだけ精神集中してから始めるか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ