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9,真夜中の魔法使いさん
魔法使いかどうか見分けるとしたらローブを着ているかどうかのファションよりも目で判断したいと思ってしまう。
魔法使いに大事なものは? と考えてやはり命が宿っていそうな目ではないでしょうか。魔法を使うために命を削っていそう……そんなイメージがあります。
魔法ものの物語も好きでよく読みますが、魔力が枯渇してヘロヘロになったり、死にかけになったり――目は口ほどに物を言うような「魔法使いは目が命!」で日々生きていそうであります。
無尽蔵な魔力を持って、なんて設定がお馴染みになってしまっていますが、きっと駆け引きがない感じがして物語からふと我に返ったとき、それこそ物語の魔力から簡単に解放されてしまうのかもしれません。
命がけの魔法――
彼らはそうした環境でこそ花開く、儚い存在なのではないだろうかと思うのでありました。だからこそ強い。




