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【第4章完結】学校1の天才美少女な先輩に即告白・即失恋!だけど諦めきれません!  作者: 天井 萌花
第1章 先輩とお付き合いしたい編

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第14話 先輩のこと好きじゃない生物なんているんですか?

 先日ブレアを怒らせたのに、3人(2人とヘンリー)は今日も懲りずに作戦会議をしていた。

 あれから毎日開催された作戦会議は今日で10回目になるが、そろそろネタ切れなのではないだろうか。


 ・とりあえずデートに誘う。

 ・魔法の話をする。

 ・エマに取り次いでもらう。

 ・授業中に沢山質問する。

 ・もう一回告白してみる。

 ・タイプを聞いてみる。

 ・強行突破で壁ドンとかしてみる。


 など色々試したが、どれも冷たくあしらわれただけで手応えは得られなかった。

 放課後は準備室に行けば大抵会えるのでブレアに会う所までは簡単なのだが、何をしても振り向いてくれないのだから困り物だ。

 ヘンリーはむしろ好感度が下がっている気がしているが、2人があまりにも張り切っているため言えなかった。

 というかアーロンに関しては最早面白がっているだけではないだろうか。


「そういえばアーロン先輩って、どうしてあんなに先輩の写真持ってるんですか?」


 アーロンに写真を見せてもらっている途中、ふと気になったルークは聞いてみる。

 アーロンがいつも持っている魔道具には沢山の画像が入っているが、7割程度がブレアの写真だった。

 ちなみに全て盗撮である。

 返事を待つ間に考えたルークは1つの可能性を思い至る。


「はっ……!まさかストーカー!?」


「ちげーよ!でけえ声で言うんじゃねえ、お前のんがストーカーだわ!」


 まだ教室に残っていた生徒達が一斉に3人の方を見る。

 アーロンに怒鳴られたルークは「すみません!」と小声で謝った。


「盗撮してる時点で兄貴もストーカーと変わらないけどね。お金が欲しいなら普通にバイトしてよ。」


「うるせえ!ストーカーってのは相手に好意も持ってするもんだろ?オレはあんなヤツのこと1ミリも好きじゃねえから違う!」


 物凄い剣幕で反論したアーロンを、ルークが信じられない!とでも言いたそうに見る。


「先輩のこと好きじゃない生物なんているんですか?」


「……あー悪い、間違えたわ。好き好き。」


 アーロンが適当に答えれば、ルークは慌てて大きな声で言った。


「好き!?いくらアーロン先輩でも、先輩は渡しませんからね!」


「狙ってねえから安心しろって。お前めんどくさいな。」


 もう新鮮味がなくなってきたのか大笑いすることが減ってきたアーロンは呆れたようにルークを見る。

 好きじゃないと言っても好きだと言っても突っかかってくるのなら何と言えば正解なんだ。


「オレがどうしてわざわざ写真撮ってるかっつったら、勿論売るためだよな。あいつの写真は儲かるんだよ。」


「なんというか最低ですね。」


「それを喜んでみるルークくんもユーリー先輩には最低だと思われてるかもしれないよ?」


 ルークが引いているが、ルークにだけは引かれたくないと思った。

 ヘンリーが困った顔で言うとルークが少し項垂れていた。


「お前みたいな変態がいっぱいいるってことだ。次からお前からも金取ろうかな。」


「やっぱり先輩ってモテるんですね……。」


 ルークが大々的に告白した影響で、このクラスでブレアに想いを寄せている生徒はおそらくいない。

 そのためついついブレアが恐ろしくモテるという前提を忘れかけていたようだ。

 ブレアのことが好きじゃない生物はいないと思っているのに、大きく矛盾している。


「アーロン先輩!今日はどうやって攻めますか?」


 こうしてはいられないとやる気満々になったルークを、遠くから男子生徒が呼んできた。


「あ、ルークー、外にユーリー先輩いるぞー。」


「マジで!?」


 窓際で外を見ながら話していた男子生徒が呼ぶと、ルークはガタッと音を立てて立ち上がる。

 走って窓際に行くと男子生徒は殆ど真下を指差した。

 見下ろすと銀色の長髪が陽光に煌めいていた。

 校舎外でブレアを見たのは初めてで、どこに向かうのかかなり気になる。


「ありがとう!ヘンリー、アーロン先輩、行ってくる!」


「待ってルークくんここ3階!」


 ヘンリーの止める声を聞かずに窓から飛び出したルークは近くの木に飛び乗り、スルスルと幹を伝って降りて行った。


「ルークくん、すご……。」


 窓に駆け寄って一連の動作を見たヘンリーはぽつりと呟いた。

やっぱりルークくんは限界オタクだと思うんだ



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