第91話 私、継がないからっ!
次の日、プライベートビーチにて
「ビーチバレー大会」かぁ…。一体どんな感じになるんだろうか?蘭那部長が考えたペアだけど…あの部長、かなり考えたんだろうなぁ…。あの人、結構真面目だよな。
美代部長と蘭那部長の『部長ペア』
俺とモブオとの『同級生ペア』
菜弥美先輩と前妻木先輩との『副部長&同じクラスペア』
テルマ先輩と上空芽仙先輩との『小動物ペア』
舞奈と聖香との『お友達ペア』
子龍先輩と上空士仙先輩との『美男と野獣ペア』
等々……
「モチモチ~っ!! チョット待ってくれないか~っ!! 僕のペアだけが決まっていないんだけど、どうなってるんだい!? 僕はミヨミヨとペアを組みたいんだけどなぁ~っ!!」
「あっ、ゴメンなさい、天翔君…。全員で奇数になっちゃうんで今回テンテン君は審判をやってもらおうと思っているの……」
「え―――ッ!!?? そうなのかいっ!? 僕は審判なんかよりも、ミヨミヨとペアになりたいんだけどな~っ!!」
「それだけは絶対無理!! 天翔君のお願いごとでもそれだけは聞けないの……。本当にゴメンなさい……」
「わ…分かったよ~…。残念だけど仕方無いよねぇ~…。部長の僕がワガママ言ってもいけないもんねぇ~……」
おっ!?珍しいな!!意外とアッサリ引き下がるなんて……。前の『四大茶部総会』の時は美代部長の横に座りたいってかなりごねてたのになっ!!
でも、あんなに落ち込んでいるテンテン部長を見るのは初めてだな。これは貴重だわ…。まさに『合同夏合宿』ならではだなっ!!
「テ…テンテン君……」
「えっ? どうしました、ショウショウ先生??」
「もし良ければ、僕とペアを組まないかい? 審判はルイルイさんがやってくれるみたいだし、僕は何もやる事が無いから……。ただ、僕はスポーツ全般そんなに得意では無いからお役には立てないとは思うけど……」
「ショッ…ショウショウ先~生!! 有難うございます~っ!! 本当は僕も審判じゃなくてビーチバレーに参加したかったので本当に嬉しいです~っ!! 頑張って優勝しましょう~っ!!」
「い…いや、今、お役に立てないって言ったところだけど……」
「モチモチ~っ!! 僕はショウショウ先生とペアを組むけど、それでも良いかな~っ!?」
「えっ? べ…別にいいわよ…。それに十五チームで中途半端だったけど、これで十六チームになるからシード無しでトーナメントが出来るしね……」
「しかし、ルイルイのあの水着は何なんだっ!? ほとんど裸に近いじゃねぇかっ!!」
「オイ、フツオ。怒っている割には顔がニヤついているぞ!!」
「バッ…バカ野郎!! ニヤついてなんかいねぇよっ!! モブオこそ鼻の下が伸びてるじゃねぇかっ!!」
「あぁ、伸びてるよ。俺は意外とああいうタイプが好みなんだよ。チョット性格がきつめで、何を考えているか分からないところとかな…。それとあの超セクシーなところも良いなぁ……」
「チョッ…チョットどころの性格じゃねぇぞ、あの性格は!! でもモブオが意外とルイルイがタイプとはな…。驚きだわ…。それじゃあ、ルイルイも俺よりモブオの事を好きになってもらうように交渉してみようかっ!?」
「バカ野郎!! 余計な事を言うんじゃねぇ!! 俺は努力してルイルイ先生に振り向いてもらうんだからなっ!!」
「モ…モブオ……。お前、モブオのくせに意外とカッコイイ事言うじゃねぇか……」
「うるせぇ!! ほっといてくれっ……」
「それじゃあ、今から始まるビーチバレーでルイルイに良いところを見せないとなっ!!」
「あぁ、そのつもりだ。だからフツオ。お前は俺の足を引っ張るんじゃねぇぞっ!!」
「わかった、わかったよ。俺なりに努力はするよ。それにしても、モブオはてっきり舞奈の事が好きだと思ってたんだけどな……」
「なっ…何を言ってるんだっ!? ま…舞奈ちゃんにはお前がいるだろうが!?」
「はぁ―――ッ!!?? お前こそ何を言ってるんだっ!? 俺と舞奈は全然関係ねぇよっ!!」
舞奈に聞かれでもしたらエライコッチャだぜ……。舞奈は美人でナイスバディだけど、舞奈が俺みたいな奴を好きになる訳無いしな……
「二人共、私がどうかしたの??」
ゲッ!! 舞奈っ!!
「まっ…舞奈ちゃん…。べ…別に何でも無いよ…。それよりも舞奈ちゃんの水着、メチャクチャ良いねぇ。凄く似合ってるよ!!」
「有難うモブオ君!! さすがモブオ君ね。水着の褒め方が、一矢とは全然違うわっ!! 一矢! 少しはモブオ君を見習ったらどうなの?」
え―――ッ!!??モブオと俺とどう違うんだ!?よう分からんわっ!!
「それじゃあ一矢。聖香の水着姿を見て一つ感想を言ってみてちょうだいっ!!」
「え―――ッ!!?? 舞奈、急に何を言ってるのよっ!! わっ…私っ!? は…恥ずかしいわっ……」
「えっ? 聖香の水着姿だって……? う~ん…そうだなぁ……。良く似合ってるし、普通に可愛いけど……」
ポッ…「ひっ…一矢君、あ…有難う……」
ムスッ…「ひっ…一矢のバカっ!! フンだっ……」
え―――ッ!!??聖香は喜んでくれているのに何で舞奈は機嫌が悪くなるんだっ!?
ポンポンッ……
「フツオも大変だなっ……プッ……」
「へ…変な同情するんじゃねぇよ!! ってか、今『プッ』って笑ったよなっ!?」
「まっ…舞奈お嬢様ぁ~っ!!」
んっ?? この呼び方をするのは蘭那部長だな。
「は…花持部長!! 昨夜もその呼び方は止めてくださいってお願いしたじゃないですかっ!!」
「いえいえ…。お願いはされても私は受けておりませんので……」
「でも、これから学園でもそんな呼び方をされたら…私…、恥ずかしくて学園に行けないです!!」
「何をおっしゃっているのですか!? アナタは選ばれし者なんですよ!! 下々共がアナタにひれ伏しても良いくらいの事なんです。でも学園内は平等扱いですので、私達『エグゼクティ部』は仕方なく呼び方だけで我慢をする事にしたのですから……」
しかし、蘭那部長…。昨日までとはえらい変わりようだなっ!!まぁ、舞奈にだけだけどな……
「だから、私はお嬢様扱いされるのが嫌なんです!! だから今まで隠して来たのに……。それに私はママの会社を継ぐつもりも無いですからっ!!」
えっ!?舞奈、そうなのか!?
「えっ! え――――――――――――――――――――――――っ!!??」
「私は『普通』の人と『普通』に結婚して『普通』の生活をして『普通』の幸せが欲しいだけですからっ!!」
舞奈っ!!『普通』を連呼しないでくれっ!!なんとなく俺が嫌な気分になっちまう……
「舞奈お嬢様…。それは無理というものです。『寿志光家』に生まれた舞奈お嬢様の避けては通れない『宿命』というものです……」
蘭那部長、なんか人が変わってますよっ!!アナタ、何者ですか!?
「オイ、モチモチ!! 一回戦八試合もあるんだからなっ!! 早く試合を始めるぞっ!!」
「あっ、スミマセン久地川先生!!」
「花持部長…。私はママの会社は継ぎません!! 会社はママの妹か、もしくは…。み…美代お姉ちゃんが継いだ方が良いと思うんです!!」
え―――ッ!!??舞奈の奴、なんか思い切った事を言ったぞっ!!
「ま…舞奈ちゃん、今なんて言いました!?」
「あっ、そっか~。そういう手もあるわね……」
蘭那部長もなんか納得した顔をしているぞ―――――――――ッ!!!!
お読み頂きありがとうございます。
っていうか『ビーチバレー大会』なかなか始まらなくて申し訳ありません(笑)
次回は必ず...必ず......




