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第85話 目のやり場に困るぜっ!

「うわ―っ! すっごく気持ち良いわ~っ!! 海最高!!」


「そ…そうですね。海もとても綺麗ですし、砂浜もさすがプライベートビーチなだけあって綺麗ですねぇ…」


「私、砂のお城を作ってみたいわ…」


「えっ? テルマ先輩、お城作れるんですか? 私もお手伝いしたいです!」


「舞奈、大丈夫か!? お前、凄く不器用そうなんだけど…」


「ひっ、一矢っ! あ…あなた失礼な人ねっ!? 私は昔から絵を描いたりするのは苦手だけど、何かを作ったりするのは得意なのよっ!!」


「へぇ…そうなんだ。俺は逆に絵を描いたりする方が得意だけどな…」


「フンッ! どうせ一矢が描いた絵は『努力賞』とか『特別賞』止まりじゃないのっ!!」


「まっ、舞奈! 何でその事をお前が知っているんだっ!?」


「えっ? 前にノブオ君に教えてもらったのよ。『フツオは絵を描くのが得意だとよく言ってるけど、コンテストに出しても結果は毎回、普通の結果なのさ』ってね…」


 フ…フツオの野郎…。舞奈に余計な事を吹き込みやがって......

今 度会った時、覚えてやがれ!!


 しかし、そんな事よりも…。舞奈近すぎ!! そんな凄い水着姿で俺に近づくなよな!

目のやり場に困るじゃねぇかっ!!



「ところで一矢? さっきから何で一矢は顔をそむけた感じで私と話をしているのよっ? 何か嫌な感じだわ…。そんなに私の水着が変なの!?」


 舞奈!そこは察してくれっ!!


「ホントそうよねぇ…。ビーチに来てから一矢君、ずっと顔が横に向いているわよ。まるで子龍みたいだわっ!!」


 菜弥美先輩、子龍先輩とだけは一緒にしないでくれっ!!


「一矢君…。アナタ、顔が『普通に四十五度』ね…」


「テッ、テルマ先輩! 『普通に四十五度』って、意味が分かりませんよ!!」


「私も分からないわ…。ただ私の口から『普通』にその言葉が出てきたの…。一矢君…『普通』にゴメンね…」


 アッ…アンタワザとだな!? 可愛いからつい許してしまうけど......

 こ…この『小悪魔天使金髪美少女』めっ!!


「『四十五度』で思い出しましたけど、そういえば子龍先輩はどうしたんでしょう? 昼食にも来なかったし、ビーチにも来る気配がないですよね??」


「あぁ、別に子龍の事はほっといてもいいんじゃない? どうせ寝てるか、ルイルイあたりに捕まってコキ使われてるかもしれないわよ」


「そうよね…。それとも今、ランチをいただいているかもしれないわね......」


「そ…そうかもしれませんが…。でもせっかく『ネガティ部』の合宿ですし、皆で楽しまないといけないような......」


「一矢君、相変わらず『普通に真面目』なのね?」


「いっ…いや、テルマ先輩…。何回俺の事を『普通』って言えば満足されるんですかっ!?」




「ひ…一矢君......」


「えっ? な…なんですか、美代部長?」


「一矢君に改めてお礼が言いたくなりまして…」


「お礼って…。何のお礼ですか? 俺は何もお礼なんて言われるような事してませんし......」


「いえ、そんな事ないです。今日こんなに綺麗なビーチに私みたいな者がいれるのは全部一矢君のお陰ですから…。一矢君、本当に有難うございます......」


「やっ、やめて下さいよ美代部長! 本当に俺、何もしてませんから......」


「でも、私も美代部長のおっしゃる通りだと思うわ。『エグゼクティ部』とのドッチボール対決を私達が勝てたのも一矢君の作戦のお陰だし…。『四大茶部総会』で一矢君が私達の事をフォローする様な事を言ってくれたって美代部長から聞いているわよ。私からもお礼を言わせてもらうわ。一矢君、本当に有難う!! これで『次期部長』は一矢君で決まりねっ!!」


「菜弥美先輩!! 最後の一言は聞き捨てならないっすよっ!!」


「そうよ、菜弥美!! 『次期部長』はアナタに決まってるじゃない!! 私は一矢君は『次期副部長』にふさわしいと思うわ…。ねっ? ねっ? 一矢君!?」


「チョッ…チョット待ってくださいよ、テルマ先輩!! もしかしてテルマ先輩が『次期副部長』って言われる可能性があるから今のうちに『副部長』の座を俺に押し付けておこうと言う魂胆じゃないでしょうね!?」


「さっ、砂のお城を作ってこよ〜…」


 ず…図星かよっ!!


「それにしても、一矢。アンタ、さっきからずっと顔が横向いてるけど本当に大丈夫なの!? 首痛めてるんじゃないの?」


 だ~か~ら~、舞奈。話を元に戻すんじゃねぇよっ!!





 ブォーン…ブーン…ブォーン…


「ショウショウ先生!! もうすぐ目的地に着きますかね~っ!?」


「えっ? ああ…そうだね…。あと数時間…いやっ、あと数十分で着くと思うよ…フゥ…」


「そうですか~っ!! いや~、楽しみだな~っ!! もうすぐミヨミヨやルイルイさんに会えるぞ~っ!! わ~っ、テンション上がってきた~っ!!」


「き…君は常にテンション上がってると思うのだけども......」


「先生…? 真者しんもの先生!?」


「な…なんだい、前妻木さん......」


「別荘は海辺にあると聞いていますが全然海が見えてこないし…。それよりドンドン山奥に入っている様な気がするのですが…本当はずっと前から道に迷っているんじゃないですか?」


「なっ!? べ…別に人生に迷った事はあるけど、決して道に迷ってなんかいないよ…たぶん…。こっちの狭い道の方が近道だからね…たぶん…。だてに学園内の教師の中で『大型免許』を持ってる訳じゃないからね…たぶん......」


「たぶんって何ですか!? 『大型免許』は持っているんですよね!?」


「えっ? あぁ、それは大丈夫…。間違いなく持っているから......」


 はぁ…。本当に大丈夫なのかしら…。この先生前から信用できないところがあるし…。それに見た目通り頼りなさそうだし…。なんでこんな人がうちの部の顧問なんかやっているんだろう…?



「前妻木先輩!!」


「ん? どうしたの? 長い時間マイクロバスに乗っているから気分でも悪くなった?」


「い…いえ、違うんです。本当に私なんかが皆さんの『夏合宿』に御一緒して良いのかなと思いまして…」


「聖香ちゃん、まだそんな事気にしてたの? 全然気にする事なんて無いわよ」


「で…でも私は『ポジティ部』でも『ネガティ部』でもない人間ですし......」


「何を言ってるのよ! 聖香ちゃんは私と同じ『ネガティ部』の助っ人として『ドッチボール対決』で一緒に戦った仲間じゃないの!! っていうか、仲間ってよりは『戦友』だわっ!! だから聖香ちゃんは今回の『合同夏合宿』に参加する権利があるのよっ!!」


「そ…そうなんですかねぇ……?」


「そうよ! それに夏休みに入ったから、こういう事も無いと一矢君に会えないでしょ?」


「べっ、べべ、べ、別に一矢君に会いたいとかそんな事は決してありませんからっ!! 前妻木先輩、急に変な事言わないでくださいよっ!!」


「えっ? そうなの? てっきり聖香ちゃんは一矢君のことを…。うーん…まっいっか。でも私は一矢君に会いたいわよ。あの子とは話やすいし、なんとなく気が合うしね…」



「え―っ!! 前妻木先輩もフツオみたいな奴が良いいんですか!?」


「ビッ、ビックリするじゃないの、多田野君!!」


「いや、前妻木先輩は天翔部長の事が好きなんだと......」


「たっ、多田野君!! そ…そういう事は大きな声で言うもんじゃないでしょ!?」


「あっ! そ…そうでした…。スミマセン…。僕も今回の『夏合宿』に誘ってもらえたのが嬉しくて嬉しくて、天翔部長じゃないですがテンション上がりまくりでして…。それに......」


「それに、何?」


「それに僕は今回『アーカイ部』としての役目も果たそうと思っているんですよ」


「ノブオ君。『アーカイ部としての役目』って何なの?」


「聖香ちゃん。勿論、『アーカイ部としての役目』と言えば『ネガティ部』『ポジティ部』『エグゼクティ部』の『合同夏合宿』の密着取材に決まってるじゃないかっ!!」




 


その頃、別荘では......


「う~ん…もう食べれませ~ん…。う~ん…んっ? んっ!? 夢か!? ここはどこ? はっ!! ここは別荘で…僕は部屋で一矢君が来るのを待っていて、いつのまにか寝てしまって…」


「い…今何時なんだっ!? え―――――――――っ!! もう三時じゃないかっ!!」


「な、なんで誰も僕を起こしてくれないんだよ―――――――――っ!!!!」


お読み頂きありがとうございます。

なんか『ネガティ部』だけの『夏合宿』のはずが『エグゼクティ部』が使用人としていたりマイクロバスで『ポジティ部』が向かって来ていたり...そして聖香やモブオまで...

一体、一矢達はどうなるのか!?

次回新章『合同夏合宿編』スタートです(笑)

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