第84話 ついに水着回だなっ!(挿絵有り)
『恐竜みたいな人』に出くわした一矢!!
一矢の運命はいかに!?
「きょっ、恐竜みたいな人!!」
「オイオイ…。誰が恐竜だ。そんな失礼な事言う奴は本当に食っちまうぞっ!!」
「ヒッ、ヒエ―――ッ!! 助けてくれ~っ!!」
「ハハハハ!! 冗談だよ、冗談! 本気にしないでくれよ。俺が君を食う訳ないじゃないか…」
ハァハァハァ…。マ…マジで口から心臓が出て来そうだったぜ…
「ア…アナタは『エグゼクティ部』の『上空士仙先輩』ですよね?」
「あぁ、そうだ。上空だ。驚かせてしまって悪かったな。そんなつもりは無かったんだが…。まぁ、こんな見てくれだからな…。残念だが、何もしなくてもいつも周りから怖がられてしまうんだ…」ショボン…
こ…この人は見た目は『恐竜』だけど…、俺が言うのもアレだけど、話し方はメチャクチャ『普通』だな。でも落ち込んだ表情は全然、可愛くないけどなっ!!
「と…ところで、上空先輩はここで何をされてたんですか?」
「あぁ、俺か? 俺はここの別荘の庭の手入れをしてたんだよ」
「えっ? 庭の手入れですか!? なんで先輩がそんな事しなくちゃいけないんですか?」
「それは俺達『エグゼクティ部』全員が君の『傘下』だからだよ。ボスが別荘に来る前に庭の手入れをするのは『傘下』として当然の事じゃないか…」
「イヤイヤイヤイヤ!! チョット待ってくださいよ!! 俺は皆さんを『傘下』にしたつもりは全然無いですからっ!! それも俺より年上ばかりの先輩達なのに…。メチャクチャ気を遣うじゃないですか!? マジでこんな事はもうやめてください!! お願いします!!」
な…何故なんだ?何故、俺みたいな奴の『傘下』にそう簡単になれるんだ!?
俺、そんなに凄い男なのか?イヤイヤイヤイヤ、それは絶対無い!!
俺は『普通』の高校生…いや、俺は『少しだけ普通じゃない』高校生なだけじゃないか。
「上空先輩! なんでそんな簡単に俺なんかの『傘下』になれるんですか? そもそも『エグゼクティ部』の人達って『高貴』で『金持ち』で『プライドの高い』集団じゃなかったんですか!?」
そうだろ?『エグゼクティ部』ってそういう部だろ?それなのに何故、『メイド』やら『執事』やら『コック』やら『庭師』みたいな事ができるんだ!?
「まぁ、君の言う通り、元々『エグゼクティ部』はプライドの高い人間の集まりさ。でも先日の『ドッチボール対決』でようやく俺達は目が覚めたんだよ。常に何事も一番上にいるはずの俺達が、一番『底辺』だと思っていた『ネガティ部』に勝負で負けたんだからな…」
『底辺』って、メチャクチャ失礼だなっ!!
「負けただけで、こんなにも変われるもんなんですか?」
「まぁな。変われるもんさ。俺達はいずれ親の事業を継いでトップになる宿命なんだよ。でも今の上からしか物事を見れない俺達では、トップに就いても下の者はついて来ないという事に気が付いたんだよ。会社なんてものは『人』がいなければ成立しないんだからな」
「言われている事はよく分かりますが、でも別に俺達の合宿先でこんな事をしなくても良いじゃないですか!?」
「ハハハハ!! だから、それは俺達が君の『傘下』って事もあるし、それに今回俺達もある意味『エグゼクティ部』の『夏合宿』みたいなもんなんだよ。花持部長曰く、合宿のテーマは『下々の気持ちを知る』って事らしい…」
『下々の気持ちを知る』って…。なんだか花持部長らしいテーマだな。『下々』って言葉を使うあたりプライドの高さがうかがえるし…。しかし、それにしても……
「それにしてもココの別荘の庭、メチャクチャ綺麗ですよね? これ上空先輩が全部手入れをされたんですか?」
「あぁ…。俺はこの別荘には一週間前から来ていてね。それで少し俺なりの手入れをさせてもらったんだ」
「も…もしかして上空先輩は本物の『庭師』ですか!?」
「まぁ、正式に『庭師』になっている訳ではないが…。実は俺の親父は『林業』関係の事業をやっているんだよ。そしてそのグループ子会社の中には『造園業』も何十社もあってね。親父の口癖が『何事も一流でなければ誰もついて来ん!』って事で俺は小さい時から『造園』も含めて『林業』に関わる事は徹底的に叩き込まれたんだよ。あっ、料理人の伏江と同じようなもんだな」
そうだったのか…。これで納得したぜ。この人達は『プライド』も高いけど、『実力』も伴っているんだ。だから今まで『エグゼクティ部』で偉そうな感じでいてられたんだな。
「でも上空先輩! これだけの腕があれば『エグゼクティ部』じゃなくて『クリエイティ部』の方が良かったんじゃないですか?」
「ハッハッハッハ!! 『クリエイティ部』ね。勿論、一年の頃に津田部長…、当時は副部長だったけど、伏江と一緒によく勧誘されたよ。でも妹の芽仙がどうしても花持部長が発足した『エグゼクティ部』に入部したいけど俺も一緒じゃないと嫌だとか言うから…。仕方なしに俺も『エグゼクティ部』に入部したんだよ。すると何故か伏江も俺について来たんだけどな…」
「へぇ…。そうだったんですか~……」
こうやって色々と話を聞いていると『金持ち』は『金持ち』なりに色々とあるんだなぁと、つくづく思うなぁ…。そう考えると俺は『普通の家庭』に生まれて…。は~っ!?
うちのどこが『普通の家庭』なんだよっ!!
親父は『元ポジティ部部長兼ネガティ部副部長』
母親も『元ポジティ部で元祖?突っ込みマスター』
妹は『超天才少女』
『普通』なのは俺だけじゃねぇかっ!!
はっ!?しまった!!『普通』を認めてしまったぞ……
「布津野君、どうしたんだい? なんか急に顔色が悪くなったぞ…」
「い…いえ、なんでもないですよ…。いや、ホントに…」
「一矢君!! ここにいたのね!? 急に外に飛び出したからとっても心配したじゃない!! でもお庭にいてくれて良かったわ。今からみんなでプライベートビーチに行くから一矢君も早く水着に着替えてきなさい。私達、お庭で待ってるから!!」
「あっ、菜弥美先輩…。先程はスミマセンでした…って…。あっ、あぁ―――――――――っ!!??」
「どっ…どうしたのよ、一矢君? 急に大きな声を出して…?」
「だ…だ…だって皆さん…。み…水着…水着姿じゃないですか~っ!?」
「当たり前でしょ、一矢!! 今からビーチに行くんだからっ!!」
「まっ…舞奈…。そ…その水着……」
「水着!? ひっ…一矢! あ…あまりジロジロ見ないでよっ!! 恥ずかしいじゃない!!」
な…なんてこった…。この女子達の水着姿は…!!
菜弥美先輩はパープルのビキニで…や…やっぱ胸でけぇ…!!
テルマ先輩はオレンジ色の水着で、なんか可愛いひらひらのついたワンピース…
まっ、舞奈は水着までピンクかよっ!?それにこいつの菜弥美先輩よりも大きな胸が更に強調されている水着じゃないかっ!!
そ…そして最後に美代部長……
あなた、何で『スクール水着』なんですか―――っ!?
「そっ…、それはそれでいいなぁ……」
「ひ…一矢君…? な…何がいいんですか??」
「あっ! 思わず声に出してしまった!! あっ、いえ…。な…何でも無いですよ、美代部長!!」
こ…これは非常にマズイぞ…。そう、これは非常にマズイ…
えっ?何が非常にマズイかだって?『水着回』でメチャクチャいいじゃないかってか?
あぁ、そうだな。『水着回』は男の『ロマン』だよなっ!?
だから俺は、そんな事を言ってるんじゃないっ!!
お……俺が心配しているのは、このままだと次回から...
『R15』にしないとマズイんじゃねぇのか―――――――――ッ!!??
お読み頂きありがとうございます。
なんとか最新話投稿できました。
そして夢の?水着回が始まりました!!
マジで次回から『R15』にすべきか菜弥美...いや、悩みますわ~(笑)




