第78話 初心者じゃねぇかっ!(挿絵有り)
さぁ、『ネガティ部』の『夏合宿』の始まりです!!
夏合宿当日の朝、名染伊太学園校門前
「美代部長、おはようございます!!」
「お...おはようございます、一矢君。今朝はよく眠れましたか?」
「そ…そうですね。いつになく、よく眠れましたよ」
昨夜だけは珍しく誰もメールをしてこなかったから、よく眠れたとは言えないな。
しかし、久しぶりに美代部長の私服姿を見たけど、なんか残念な服装だよなぁ……
菜弥美先輩あたりが服をチョイスしてあげた方が良かったんじゃないのか?
でもやっぱ、スタイルは抜群なんだよなぁ〜……
「二人共〜、おっはよ~っ!!」
「お…おはようございます。菜弥美先輩、今日はなんか朝からテンション高いですね!?」
今、菜弥美先輩の事を考えた瞬間に現れたから、ビ…ビックリしたぜっ!!
「そっ…そりゃあそうでしょ!? だって今日は私にとって、生まれて初めての夏合宿なんだからっ!! 興奮し過ぎて昨夜はほとんど眠れなかったわ! だから一矢君にメールをしようかどうかメチャクチャ悩んでいる内に、いつの間にか眠ってしまったんだけど……」
やはり、そんな事で悩んでいたんですね!?……でもまぁ、俺も菜弥美先輩と同じで生まれて初めての部活での夏合宿なんだけどな……
「んで、今日はいつもみたいに髪型がポニーテールじゃないですが、何か理由とかあるんですか?」
「べっ…別に理由なんて無いわよ!! 別に、髪型を変えて一矢君に何か突っ込んで欲しいとか、そういうのは絶対に無いからっ!!」
はいはい…。本当は俺に髪型を突っ込んで欲しかったんですよね?この人は日頃、少し男っぽい所があるけど、たまに乙女らしい所を見せるのがこう、ギャップがあって可愛らしい所だよなぁ……
「菜弥美先輩はポニーテールも良く似合ってますけど、今の髪型もとても似合ってますよ!! とても可愛らしいです!!」
「かっ…可愛らしいなんて…。ひ…一矢君、な…なんて事を君は言うんだ〜っ!!」
あぁ~、菜弥美先輩!恥ずかしがって、そんなに自分の旅行バックを振り回していたら、メチャクチャ危ないですよ!!ソレ誰かに当たったらどうするんですかっ!?
バシィッ!!!!
「ギャ―――――――――ッ!! イッテェ~ッ!!」
「あっ!! 子龍先輩!!」
アチャ〜ッ……。菜弥美先輩の旅行バックが、子龍先輩の顔面にヒットしてしまったぞっ!!
「ごっ…ゴメンなさい、子龍!! だ…大丈夫かしらっ!?」
「ッツーッ…。ぼ…僕は大丈夫…だよ…。し…しかし、菜弥美は何故朝から旅行バックを振り回してたんだい…?」
「えっ? そ…それは…。べ…別に何でも無いわよ!! 私の髪型を一矢君が褒めてくれて、それが嬉しくて…、嬉しさのあまり、興奮してバックを振り回した訳では、決してないからっ!!」
菜弥美先輩!!もう理由全部言ってますからっ!!
「へぇ…。そうなんだ…」
しっ…子龍先輩っ、感想はそれだけかいなっ!?
「全く…。朝から騒々しいわね、アナタ達…」
「あっ! テルマ先輩、おはようございます!! っていうか、テルマ先輩は逆に『ドッチボール対決』の時と同じで今日は髪をくくっているんですね?」
「ヘッ…ヘンかしら……?」
「ぜっ…全っ然、変じゃないですよっ!! 『ドッチボール対決』の時には言い損ないましたけど、髪をくくっているテルマ先輩も、メチャクチャ可愛いっすよっ!!」
「ひっ……一矢君!! わ…私は全然、可愛くなんかないわよっ!!」
あぁあー―――っ!?
テッ…テルマ先輩まで、自分の旅行バックをそんなに振り回したら…
バシッッ!!!!
「フギャァ――――――――ッ!!!!」
まっ…またしても子龍先輩の顔面に、これまた綺麗にヒットしてしまったぞっ!!
「し…子龍先輩、マジで大丈夫ですか!? 鼻血出てますよっ!! い…今から夏合宿に行くと言うのに…。な…なんて不運な人なんだ…。プフッ…」
「ぼ…僕は…大丈夫だよ…。でも一矢君…。今、わ…笑っていなかったかい??」
「そっ…そんな事はないですよ!! まっ…まさか顔面に二回もバックが当たった人を、この俺が…わっ…笑うはずないじゃないですかっ!! ププッ…」
「皆さん、おはようございます!! 遅くなってどうもスミマセン!!」
「おぉ〜舞奈、おはよう!!」
「ひっ…一矢君!! お願いだから、舞奈ちゃんの事を決して褒めてはいけないよっ!!」
わっ!子龍先輩、余計な事を言ってしまったぞっ!!
「しっ…子龍先輩!! どういう事ですかっ!? なんか、とっても失礼じゃないですかっ!!」
バッシィッッ!!!!!!!!
「フゥンギャ―――――――――――――ッッ!!!!!!!!」
なっ…。結局こうなる運命なんだよ……
「しかし舞奈、お前の荷物…。とても多く無いか? たかだか二泊三日の夏合宿で、旅行バックが三つもあるなんて…。一体、バックには何が入っているんだ!?」
「ひっ…一矢も失礼な人ね!! 女の子はね、色々と必要な物があるのよ!! それに、バックの一つには大量のお菓子が入っているのよ。だってほら、今日は車で現地まで行くんでしょ? 途中のサービスエリアで買ったら割高だし…。だから昨日、近くのスーパーで安売りしていたお菓子を大量に買ってきたのよ!!」
「舞奈、お前……、一人でバック一人分のお菓子を食べる気かっ!?」
「たっ…食べる訳ないでしょ、もう! アンタ、バカじゃない!! みんなの分も買って来たに決まってるじゃない!! 一矢、もしかしてアナタ…、私が毎日、大量のお菓子を食べているから太っているとでも言いたいのね!? えぇそうよ! きっとそう思っているに違いないわ!! ハイそうですよ……。どうせ私はデブですよ〜……」
しっ…しまった!!舞奈が『超マイナス思考』な奴だって事をすっかり忘れていたぜっ!!
「ま…舞奈、ゴメン!! そんな事は全然思ってないからっ!! あぁそうだよなっ!! 舞奈は周りのみんなの事を常に考える優しい奴だったな!! さっきは俺がどうかしていたぜっ!! そっ…そんな事よりも今日の舞奈の服…、メチャクチャ可愛いよなっ!? メッチャ似合ってるし…。だから俺は見惚れ過ぎて、きっと思考回路がおかしくなってつい変な事を言ってしまったんだと思うわっ!!」
たのむ…舞奈!今の言葉で何とか機嫌を直してくれ~っ!!
「わ…私の服が、メチャクチャ可愛くて、メッチャ似合っているですって!? あ…当たり前じゃないのっ!! ひっ…一矢なんかに言われなくても…、か…可愛いに決まってるじゃない……!!」(ポッ…)
ぃよしっ!!これは機嫌が良くなった時の舞奈だっ!!でかしたぞ、俺っ!!
プップッーー!!!!
「ッ!?」
「オッス!! 『ダーリン』とその他大勢の『ミジンコ共』! 朝から校門の前で騒がしい奴等だなぁ。まぁ、お前等には今まで縁の無かった『夏合宿』に行くのだから、興奮する気持ちは分かるけどなっ!! ハァーハッハッハッハ!!」
ルイルイこそ、朝から失礼な事を連発しやがって…
「ところでルイルイ、本当に大丈夫なんだろうな?」
「何が大丈夫なんだ。ダーリン?」
「その『ダーリン』って呼び方は止めろって言ってるだろがっ!! それよりも、『今日はルイルイに運転を任せて大丈夫なのか?』って聞いているんだよっ!! だってそうだろ? 車のボンネットに思いっきり『初心者マーク』が貼られているんだぞっ!!」
「大丈夫だ。心配するなって、ダーリン!! まさか私がダーリンを乗せて事故でも起こすとでも思っているのか!? 安心しな。何がなんでも、私とダーリンは生き残る様にするさっ!!」
「バカ野郎!! 全員、生きて別荘まで連れて行けっ!!」
「冗談だ。冗談だって。まぁ、良いから全員早く車に乗れ。予定よりも少しだけ出発時間が遅れているのだからな…」
「ハイハイ…分かったよ。さぁ皆さん、車に乗り込みましょうか…。って、美代部長、さっきから何をしているんですか!? なんか両手を頭の後ろにやってゴソゴソされてますけど…?」
「わっ…私も菜弥美ちゃんやテルマちゃんみたいに、か…髪型を変えたら、ひ…一矢君に褒めて頂けるかと思いまして…」
なっ…なんて素敵で可愛らしい人なんだっ!!!!う~ん、抱きしめたい!!
今日からの合宿は、絶対に美代部長に沢山の楽しい思い出を作ってもらわなないと……!!
ブッブ―――ン ブ――――――ン……
「ところでルイルイ?」
「なんだ、ダーリン」
「ルイルイはいつ車の免許をとったんだ? 初心者だから、まだ免許をとって一年も経っていないんだろ??」」
「あぁ、そうだな。こないだの『ドッチボール対決』の時に教習所の『卒業試験』を合格して、先日の終業式の日に『試験場』に行って免許を取ってきたんだ。これも今日の為に取った様なものだけどな。まぁ、そんな事は全然気にしなくて良いぞっ!! 別にお礼なんて言わなくて良いからなっ!! ハーハッハッハッハ!!」
・・・・・・・・・・・・
「ル…ルイルイ…てめぇ…」
ふざけるんじゃねぇぞっ!!そんな免許とりたてほやほやの人間に俺達の命を預けれるか―――――――――――っ!!!!
た…頼むから…、お…降ろしてくれ―――――――――っ!!!!」
「 「 「 「 「 「 ギャ―――――――――ッッ!!!!」 」 」 」 」 」
お読み頂きありがとうございます。
ルイルイがまさかの初心者運転...(笑)
果たして一矢達は無事に別荘まで行けるのか!?
次回をお楽しみに(^_-)-☆
ちなみに『夏合宿』といえば『水着回』ですよね(笑)
もしかしたら『R15』にしないといけないかもですね(笑)




