第76話 傘下なんていらねぇよっ!(挿絵有り)
『ドッジボール対決』での敗者の条件について話をしようとしている美代部長と一矢
果たしてどんな話をするんでしょうか?
誰が『女ったらし』だっ!!おまけに『普通の』まで付けやがって!!
「は…花持さん…。私の話を最後まで聞いていただけませんか?」
「わっ…分かったわよ! …で、話って何なのよ!?」
「は…はい…。実は…。私達の『ネガティ部』が今回『ドッジボール対決』に勝ちましたので、『夏合宿に使う別荘』や『部費の一部支払い』は当初からお互いで決めた通り、約束は守って頂きたいと思っています…。で…でも……」
「でも? でも、何なのよ!?」
「でも…。『廃部』まではする必要が無いと思うんです。せっかく創った部を無くすというのは逆の立場で考えても心が痛みます…。いかがでしょう? 『廃部』というお話はこの際、無かった事にしませんか?」
さぁ、どうする?花持部長さんよ~。今の美代部長の言葉で、あれだけ疲れた表情をしていた『エグゼクティ部』の部員達の表情が少し明るくなってきたぞ!!
「花持部長! これは願ってもない事ですよ! 『廃部』にならなくなって、良かったじゃないですか!!」
「うっ…上空さん! 何を言ってるのよっ!! なんで『ネガティ部』なんかに情けをかけられなくちゃいけないのよっ!! 私は越智子美代なんかの申し入れは絶対に受け入れられないわっ!!」
うわぁ〜…。なんて頑固な『チビ女』だっ!!ホント、可愛げが無い女だよなぁ…。せっかくの可愛い顔が台無しだぜっ!…ってまぁ、俺も人の事は言えないくらい、頑固で『チビ』だけどなっ!!ふんっ!ほっといてくれっ!!
「オイオイ、部長~。なんで断るんだよ!? せっかく越智子さんが、そう言ってくれてるのにさ~っ!!」
「おだまり贅太!! 私のプライドが許さないのよ!! 越智子美代! アナタだってそうでしょ!? 部長としてのプライドはあるでしょ!? それにうちが勝っていたら私はアナタの部は絶対に『廃部』にさせてたわよ!! もしそうだったら、アナタも私と同じで素直に『廃部』を受け入れたんじゃないの!?」
「花持部長…。もう良いじゃないですか? そろそろ素直になりましょうよ。全然、可愛げが無いですよ…。って、スミマセン! また余計な事を言ってしまいました…!!」
(ポッ……)「『普通のくせに普通じゃない女ったらし』のアナタは黙ってて!!」
なっ、何かさっきより呼び名増えてるじゃねぇかっ!!
「花持さん…。先程の質問にお答えしますが、こんな『ドジ』で『ブス』で『のろま』な私でも部長としてのプライドはあります……」
みっ、美代部長!今ここでそれを言っちゃダメ~っ!!
「ねっ! ほら、あるじゃない! でも今の『ドジ』はよく分からないけど『ブス』で『のろま』ってのは嫌味に聞こえて仕方ないわね!!」
ほらぁ!やっぱりその言葉、引っかかったじゃないですかっ!!同性には言ってはいけない『ワード』なんですからっ!!
「……部長としてのプライドはあります。と言いますか、この『ネガティ部』を一番愛しているというプライドがあります。ですので、もし私達が負けていたら、私は『エグゼクティ部』の皆さんの前で土下座して『廃部撤回』をお願いしようと思っていました……」
「えぇ―――っ!? 美代部長、そんな事を思っていたんですかっ!?」
「は…はい…、そうです。こんな私が出来る事はそれくらいしかありませんので……」
わ―――っ!!なんて素敵な人なんだ―――っ!!今直ぐ抱きしめたい衝動にかられるぜっ!!
「うっ……」
「お~いっ! モチモチ~っ!!」
「えっ!? えっ!? てっ…天翔君!!」(ポッ……)
「僕からも頼むよ~っ!! せっかくモチモチが創った部なんだからさ~っ! 『廃部』にするのは勿体無いと思うんだよ~っ!! それに他の部員達は『廃部』反対なんだろ~っ? それだったら…、部長としてのプライドがあるんなら『部を絶対守る』っていうプライドを持った方がカッコいいし、そっちの部長さんの方が僕は好きだなぁ~っ!!」
「!!…す…好き……」(ポッ……)
んっ?テンテン部長が現れた途端、花持部長の表情がとても可愛らしい表情に変わったぞ!!もしかして…………
「花持部長! テンテン部長が珍しく、とても良い事を言っています。いかがですか? 俺もそういう風なプライドを持った部長の方が大好きですっ!!」
「!!…だ…大好き……」(ポッ……)
「ヒトヤン君~っ!! 『珍しく』って、結構キツイ事を言うねぇ~っ!! でもそれ最高~っ!! 気持ち良いよ~っ!! グゥ〜ッ!!」
ア…アンタは子龍かっ!?あっ、呼び捨てだ。まぁいっか。心の中だし……
「わっ…分かったわよ!! 分かりました!! は…『廃部』はしないわよ! それで良いでしょ? こ…この…、『ダブル女ったらし』めっ!!」
『ダブル女ったらし』って、どういう意味だっ!? 俺とテンテン部長の事を言っているのかっ!?言っている意味がサッパリ分からないぜっ!!
「でも…。でも『廃部』はしないけど、前にアナタ…そう! 『普通のくせに普通じゃない女ったらし君』が言っていた『ネガティ部』の『傘下』になるわっ!!
俺の呼び名、長すぎるだろっ!!
「いっ…いや、花持部長。『傘下』っていうのは俺の中では冗談で言った事ですので、『傘下』になるっていうのは、高校の部活であまりヨロシクないんじゃないでしょうか……。ねぇ? 美代部長……」
「そ…そうですね。『傘下』っていうのはあまり聞こえが良く無いと思いますが……」
「だったら良いわよっ!! 『ネガティ部』の『傘下』にはならないわよ! その代わり、アナタ! そう、アナタよ! 私達、『エグゼクティ部』全員…、『布津野一矢君』の『傘下』になるわ!! それなら良いでしょ!? っていうか、それが絶対条件だから!! じゃないと『廃部』するから!! って事で『布津野一矢君』!!これからよろしくねっ!!」
・・・・・・!!??
「えっ?? え―――――――――――――――っ!!?? じょ…冗談ですよねぇ~っ!!??」
「えっ? 『エグゼクティ部』が一矢君の『傘下』になったって!?」
「一矢!! ほっ…本当なの!?」
「一矢君…。アナタ、『只者』ではないわね……」
「ひっ…一矢君!! ぼ…僕はとっくの前から君の『傘下』だからねっ!!」
「フフフ……。本当に彼は『名染伊太学園四代目異端児』になりそうだな」
「ホント、そうですね……」
「海藤君」
「ん? これは理事長に学園長」
「あの子が、あの『ヒトヤン』の息子なんだね?」
「はい、そうです。理事長」
「…やはり親子だな。容姿もそうだが、全体的によく似ているねぇ。なぁ、太一郎?」
「そうですね。お父様」
「バカモン!! 学園内では『理事長』と呼べとあれだけ言っているだろう!!」
「ス…スミマセン! おと…いや…理事長」
「いずれにしても、また『ルイルイ』以来の騒がしくも楽しい学園になりそうだな」
「そうですね、理事長。ぼ…僕も彼にはかなり期待しています。きっと僕が彼の父親に振り回されていた、あの頃の様な活気のある学園になると思います……」
「布津野君!! これからよろしく!!」
「布津野師匠!! ヨロシク!!」
「普通の女ったらし君、よろしくね~」
「わ―――っ!! や…やめてくれ―――――――――っ!! 俺は『傘下』なんていらねぇよ―――――――――――――――っっ!!!!」
お読み頂きありがとうございます。
つにに『普通の少年』に『傘下』ができてしまいました!!
果たして今後、一矢はどうなるのか!?
そしてついに学園長と理事長が登場しました。
新連載『ポジティ部!~俺の様な奴がネガティ部なんか創ってもいいのか!?』に合わせての登場です(笑)
どうぞ、いずれの作品も今後とも宜しくお願い致しますm(__)m




