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第50話 泣きそうになるじゃねぇか!(挿絵有り)

いよいよ『カレーの具材』争奪戦も終わりに向かい...

今回は第50話という事でいつもより少しだけ長めです(笑)

「二人共! もうすぐ合宿所だぞっ! 頑張れっ!」


「了解! でも制限時間の三十分って、とっくに過ぎているわね? 私達失格になるのかしら?」


「別に失格は無いと思うけどな。ただ普通に具材無しのカレーライスを食べるだけじゃないのかな……」


「そ、それだったら全然良いんだけど……」


「ひっ、一矢っ! 私、聖香におんぶしてもらっているから頑張りようが無いんだけど、どうすれば良いかなっ!?」


「そっ、そうだな。舞奈は和久塁を応援してやってくれないかっ!」


「わ、分かったわ。聖香を応援するわっ! で、でもまさか私達が肉も野菜も持って帰って来れなかったなんて事知ったら、きっとモブオ君怒るだろうぁ……」


「大丈夫さ!モブオはそんな事で怒る奴じゃ無いって!」


「そ、そうかなぁ…..」


「舞奈!布津野君、見て!合宿所が見えてきたわよ!」



「お~い! 三人共〜! お疲れさ~ん! 戻るのが遅くて心配したよ~っ!」


「わ、悪いな、モブオ。道中、色々あってさ……。で、申し訳無いけど肉も野菜も手に入れられなかったんだ……。ホントすまんっ!!」


「あぁ~その事か。それは他のクラスの奴等から聞いているから問題無いよ。そんな事より舞奈ちゃん、足の怪我は大丈夫か!?」


「有難う、モブオ君。足は痛いけど、聖香が頑張ってここまでおんぶしてくれたから悪化はしていないと思うわ。聖香、本当に有難う!」


「や、やめてよ~舞奈!お礼だなんて恥ずかしいじゃない!!」


「いや、和久塁! 俺からもお礼を言わせてくれっ! 本当に有難う! お前が居てくれて助かったよ!」


「ふっ、布津野君までっ!! やめてよね~! 私、恥ずかしさのあまり穴があったら入りたいわ!」


「和久塁、お礼って訳じゃ無いけどさ……。これから俺の事も下の名前で『一矢』って呼んでくれないか? どうも最近、苗字で呼ばれるより下の名前で呼ばれる事の方が多くてさ……。『一矢』って呼ばれる方がどうも落ち着くんだよ。まぁ和久塁が嫌なら別に下の名前で呼ばなくても良いけど……」


「えっ!?良いの? 本当に私も布津野君の事を『一矢』って呼んでも良いの!?」


「全然構わないよっ! だって友達じゃん!」


「あ……有難う、ひっ、一矢……」(ポッ……)


「ちょっと待って、聖香!『一矢』って呼び捨てで呼んで良いのは私だけって決まっているから!聖香は一矢の事は『一矢君』って呼んでちょうだいねっ!!」


「ちょっと待て、舞奈っ! そんな事いつ、誰が、どう決めたんだ!?」


「私が『ネガティ部』に入部した後に私が決めたんだけど何か文句ある!?」


「べっ、別に文句は無いけど、いつの間にか決まっていたのね~!??」


「分かったわ、舞奈。私は布津野君の事を今から『一矢君』って呼ぶ事にする。それじゃぁ、一矢君も私の事は『聖香』って呼んでくれるかな?」


「そ、そうだよな。その方が平等だよな。それに和久塁に『聖香ちゃん』って呼ぶのは何か似合わないしな! よしっ!俺も今から『聖香』って呼ぶぜ! これからも宜しくな、聖香!」


「『似合わない』って何よ! でもまぁ良いわ。私も『ちゃん付け』で呼ばれるのは何か恥ずかしいし……。私こそ宜しくね、一矢君!」


「よしっ! よく分からんが、話がまとまったところで早く、皆でカレーライスを食べようぜっ! とても美味しくできてるからさっ!」


「えっ!?もしかして、モブオが言っていた作戦、成功したのかっ!?」


「いや、大失敗に終わったよ」


「やっ、やっぱりか~っ!! そうだと思ったぜ。だから俺達も必死で具材をゲットしようと頑張ってはみたけどさ……。でも、まぁ仕方無いよな。皆で具材を想像しながら『普通以下のカレーライス』を頂こうかっ!」


 チッ、何か『普通以下』って言ってしまった自分に腹が立つぜっ‼


「いや大丈夫。具材は入ってるよ」


「えっ!?何で具材が入っているんだ!?お前、作戦失敗したんだろっ!?」


「あぁ、作戦は失敗に終わったけど、うちのクラスの他の班の人達が少しずつ具材を分けてくれたのさ。だから逆に他の班のカレーライスの具材よりも少し多めに入ってるぜっ!」


「えっ? 何で? そんな事して良いの??」


「そうよ!これって班ごとで競っていたんじゃ無いの!?」


「私はそんな事は何一つ言っていないぞっ‼」


「あっ!ルイルイ!」


「私は三十分以内にここの敷地内にある具材を持って帰れと言っただけだ。具材を持ち帰れなかった班は具材無しのカレーを食べてもらうとは言ったが、誰も班で分け合うなとも言っていない!そこの『ブオブオ』の判断は間違ってはいない!


 へっ?『ブオブオ』!?」


「そうそう。俺が他の班の人達に具材を分けて欲しいと言ったら、皆、喜んで分けてくれたぜっ!」


「そっ、そうなのか、みんなっ!?」


 っていうかモブオ、お前いつの間にルイルイから『ブオブオ』って呼ばれる様になったんだ!?で、今更ながら何で俺だけ繰り返しじゃなくて『ヒトヤン』何だっ!?



「当ったり前じゃん、布津野! 俺達、班は別でも同じクラスだぜっ!」


「そうよ! それに農園に行く途中で聖香達がトラブっていたのは分かっていたから、あなた達の分も多めに野菜を持って帰ってきたの。三十分以内に戻らなければ行けなかったから急いでいたし、二人には何も言わずに戻ってきたけど……」


「肉もさ、他のクラスの奴等が良からぬ事を考えてたから、俺達も、もしもの事を考えて肉の袋を多めに取っていたのさ」


 『だから俺達の分が全然残っていなかったんだなっ!』とは突っ込まないでおこう……


「マ、マジか……。あ、有難う……。俺……泣きそうな位、嬉しいわっ!」


「お~、泣け泣け、布津野!好きなだけ泣けっ!」


 ハッハッハッハ~ハッハッハッハ~ハッハッハッハ~……


「ど、どうよ舞奈?」


「えっ?何がよ?」


「『何がよ』じゃねぇよ。みんな俺達の為に具材を多めに取って来てくれていたんだぞ!お前もみんなにお礼を言った方が良いんじゃないのか?」


「えっ? ……そ……そうね……。み……皆さん……あ……有難う……」


「ヤッ、ヤッタ―――ッ‼ 初めて寿志光すしこうさんが俺達に声を掛けてくれたぞ―――っ‼ こんな素晴らしい合宿初日を迎えられるなんて思いもしなかった……」


「そうだよなっ!俺達、頑張って食材を集めた甲斐があったよなっ!」



 お―――っ!何か俺の予想を遥かに超えた展開になってきたぞ!当初は舞奈と聖香を仲良くさせる目的だったけど、この雰囲気でいけば舞奈はクラス全員と少しは打ち解けられるかもしれないぞっ‼



「よしっ!三組の全ての班、『合格』だっ‼」


「なっ、何だよルイルイ!?急に『合格』って!?ビックリするじゃないか!」


「だからお前達三組は合格なんだよ! 三組のクソ共も、それに他のクラスのウジ虫共!この高校一年生の時にある『謎めいた合宿』の目的を知らないようだなっ!?」


『目的』?っていうか、やっぱりアンタ、口がメチャクチャ悪いよな!


「お前達が高校生になって約二ヶ月、それなりに友人も出来てきた頃だろう。だがしかし、まだクラス一丸とまではいっていないはずだ。この合宿は友人達と更に仲良くなるのも良いが、色々な障害を乗り越える為に皆で協力しあい、助け合ってクラスが一丸になる事を目的とした合宿なのだっ! どうだ?理解したかっ!?このミジンコ共めっ!!」


 ルイルイ……。俺達の呼び方は最低だが、その他は何か『まとも』な事を言っている気がする……。


「よって今回の『第一ラウンド』で、その目的を達成できたのは三組のクソ共だけであり、他のウジ虫共のクラスは班ごとに足の引っ張り合いをしていたという事で『不合格』だっ!よって、食後の運動に三組以外は肉の入った袋をぶら下げていた木まで五往復のペナルティを課すことにする。以上!」


 えっ?え――――――――――――――――――っ‼


 ちょっと待て!全員の『え―――っ』で終わらせる訳にはいかないぞっ!

俺にも『突っ込みマスター』としてのプライドがある!


 ルイルイ……。アンタ……。


そんな『普通』に『まとも』な事を説明されたらメチャクチャ気持ち悪いわっ‼‼

俺達の呼び方は別としてだけどなっ‼‼


挿絵(By みてみん)

お読みいただき有難うございました。

ついに節目の50話を無事に迎える事ができました。

文字数もいつの間にか10万文字を超えています。


更に100話を目指して頑張りますので、ここらへんでどうか、ブックマーク及び評価点を頂けたら作者も気合いを入れて頑張れますので、どうか、どうか宜しくお願い致しますm(__)m

心の声「50話だけにブクマ50件になりたいなぁ......」

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