表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/193

第49話 俺がおんぶしたかった!(挿絵有り)

 くっ、くそーーっ!!まさか肉が一つも残っていないなんて…

モブオが『もし具材が見つからなくても俺に良い考えがあるから、心配しないで二人を仲良くさせてこい!』って言ってたけどさ…。あいつドジなところあるから心の底からは信用できないんだよなぁ…。それに調理場にはあのルイルイも居るしなっ!


 やはりモブオには悪いけど自分達で具材は確保しておいた方が良いかもなっ!

よしっ!まだ一つ位、見つけにくい所にぶら下がっているかもしれないぞっ!

諦めずに、もう少し探してみよう!




――その頃、米炊き担当のモブオは合宿所の食堂に居た――――。


 しめしめ…誰も居ないぞ!久地川くちがわ所長代理はさっき、こう言っていたよな。

『敷地の中にあるものなら何でも持って帰って来て良い』っさ…。

だったら合宿所内も敷地内だからオッケーだよな。そして合宿所にある食堂の冷蔵庫の中身も頂いて構わないってことだよな?そうに違いない!俺の解釈はきっと間違っていないはずだっ!


「おい、お前!そこで何をしている!?」


「えっ!?あっ!久地川所長代理!!」


「ほ~っ、お前はヒトヤンと同じ班の奴だな?」


「はっ、はい!多田野乃武男ただののぶおと言います」


「えっ?『ただのもぶお』だと?」


「いえ、『ただののぶお』です」


「名前なんかどうでも良いんだっ!そんな事より『ブオブオ』は何故ここに居るのかと聞いているんだっ!」


「『ブオブオ』?それは何ですか?食べ物ですか?」


「お前はバカか?お前の名前が『モブオ』だから『ブオブオ』って呼んでいるんだっ!それよりもお前、ここの冷蔵庫の中身を持ち出そうとしていただろっ!?」


「そっ、そうですよ!なっ……なんか、わっ……悪いですか!?俺は敷地内にあるものは全て持ち出しオッケーってのを、素直に実行しようとしただけなんだすけどね~っ‼」


「ハッ……ハッハッハッハッハ~ッ!別に悪くはないぞっ!というよりも、この学年に知恵が回る奴が居たって事で逆に私は嬉しいぞっ!だがな、残念だったな『ブオブオ』……」


「残念?」


「あぁ、残念だ。ブオブオの様な知恵の回る奴が居た場合を想定して、悪いが事前に冷蔵庫の中は空っぽにしておいたのさ!」


「なっ、何だって~っ!?」


 ス……スマン、フツオ……。お前は足が遅いし、二人を仲良くさせる事に専念し過ぎて具材なんて持ち帰るは事できないだろうと思って、せっかく、この作戦を考えたのに……。


「オイ、ブオブオ!何を落ち込んでいる?どうだ?私と手を組まないか?私はお前の様な『学年総合二百位』で『アーカイ部』所属の様な奴と前から手を組みたいと思っていたんだよ!」(ニヤリ……)


「てっ、手を組む!?っていうか、そこまで俺の事を知っておいて何故、俺の名前は覚えてくれていないんだよっ!?」





 ――その頃、一矢達は――――。


 あーーっダメだっ!全然無いっ!こうなったら肉は諦めて野菜カレーでいくか?それとも……


 モブオに少しだけ期待してみるか?


 それよりも舞奈達のところに早く行かなければっ!!


「ん? 向こうから誰か歩いてきているぞ?誰だ?なんかおんぶをしている様に見えるけど......」


 あっ、あれは舞奈達だっ!それも和久塁が舞奈をおんぶしているじゃないか‼


挿絵(By みてみん)


「オ――――――――――――イッ! 舞奈~っ! 和久塁~っ! 二人共どうしたんだっ!?」


「あっ!一矢」


「ふっ、布津野君!」


「二人共大丈夫か!?一体どうしたんだ?」


「私達は大丈夫よ!途中で舞奈がドンドン足が痛くなってきたらしくて、歩けなくなってしまったの。だから私が舞奈をおんぶをして農園に向かったんだけど、後から来た班の人達に追い越されてしまって……。そしてようやく農園にたどり着いた時には野菜が一つも残っていなかったのよ……」


「ゴ……ゴメンね、一矢……。私が足をくじいてしまったせいで野菜を確保できなくて。それで野菜はダメでも、もしかしたら一矢がお肉確保してくれているんじゃないかって思って……」


「わ……悪い、二人共!俺の方もダメだった……」


「えっ!?そうなの?……。でも仕方無いわよね……」


「そうよね……私が足をくじいていなければ……みんな私の事を心の中では恨んでいるんでしょ? お願いだから心の中で思わないで口に出して文句言ってくれるかなっ!?」


「バッ、バカな事を言うな、舞奈! 誰もそんな事は思ってねぇよ!相変わらずマイナス思考だなぁお前は!」


「そうよ、舞奈!私も全然恨んでなんかいないわよ! それよりも舞奈をおんぶしている事が……あっ、いや……何でも無いわ……」


「そうだ!和久塁! 舞奈をずっとおんぶしてたんだろ? 大丈夫なのか?俺と代わろう!」


「いっ、嫌よっ!!」


「えっ? 何で!?」


「私も聖香さえ良ければ聖香におんぶしてもらいたい……」


「まっ、舞奈!私は全然オッケーよ!力と体力に自信があるんだから!」


「な、何だよ。舞奈まで……。女子におんぶをさせるなんて……。男の俺がおんぶしないと格好悪いじゃないか?」


「だ、だから嫌なのよ!一矢におんぶされるなんて……恥ずかしいじゃない……」


 あっ、そっか。体重もばれるし舞奈の胸が俺の背中に当たる訳だしな。そりゃあ恥ずかしいわな!まぁ俺は少し残念だけど……


「さぁ、そんな事より早く合宿所の調理場に戻ろう!モブをが米を炊いて待ってるはずだっ!」


 あとはモブオの作戦にかけるしかないな……






 キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


 ――名染伊太学園 昼休み屋上――


「美代部長、どうされたんですか?何か落ち込んでません?」


「あっ、菜弥美ちゃん、ごめんなさい……。私、そんな落ち込んだ顔をしていましたか?」


「はい、かなり落ち込んだ表情でしたよ」


「そうですかぁ……」


「もしかして、一矢君達が居ないから寂しいとかですか?」


「えっ?まぁ、それもありますが……」


「他に何かあるんですか?」


「私だけ無いんですよ……」


「えっ?何が無いんですか?」


「私だけ……私だけ教室で一矢君達の事を考えながら黄昏たそがれている場面が無いんです…….それがとても寂しくて……」


 きょっ、今日は私が一矢君の代わりをしなくては!!


「みっ、美代部長!そっ、そっちですか――――――――――――――――――っ!?」


挿絵(By みてみん)

お読みいただき有難うございました。

もう少しで50話です!

今後とも宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=192309388&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ