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第45話 合宿の班決めは難しいなっ!

さぁ、いよいよ『謎めいた合宿編』の始まりです。

「おいっ、フツオ!…おいっ! フツオってば! 聞いてるのかっ!?」


「えっ? ああ~モブオかぁ…。ゴメン…聞いてなかった…」


「なんだよ、フツオ!珍しくは無いけどボーっとして?」


「い…いや、何か一回飛んだ気がしてさ…」


「はあ~? 飛んだ? な、何意味分からん事言ってるんだ!? そんな事よりも今日だぞ!」


「へっ? 何が?」


「だから~、今日決めるんだよ! 『謎めいた合宿』で色んな行事をやる時の班決めをな!」


「あっ! そうだった! 忘れてた。俺はこの日を待ってたんだった!」


「そうだろ~。お前、前から班決めの事しつこく言ってたじゃんか」


 そう。俺はこの日を待っていた。


 先輩達からも聞いていたが、毎年『謎めいた合宿』では色々な事を班で行動したり、班で競争したりするらしい。


 そしてその班は毎年、四名ずつで編成されるそうだ。


 去年、菜弥美なやみ先輩達は奇跡的に三人共同じクラスで、そして残り一人が『ポジティ部』副部長の前妻木まえむき先輩だったらしい。


 三人であと一人をどうしようかと悩んでいた時に前妻木先輩から声を掛けて来たそうだ。


 前妻木先輩は困っている人を見たら助けたくなるタイプだそうだ。


 俺は前妻木先輩はポジティブな性格では無くて実は俺と同じ…いや、同じでは無いが『普通』の人ではないかと疑っていたんだ。


 でも、その事を聞くとやはりポジティブな性格なのかなと思う様になってきた。


 そして皆さん、もうお判りでしょう!?(皆さんって誰!?)


 四人で一班…。そう…。自慢にはならないが、俺達も現在、班決めをしても三人しかいないのだ!


 実際、俺やモブオはなんとでもなるんだ。


 誰にでも話し掛けれるし、『お前のところの班に入れてくれ~』って事は簡単に言える。


 だがしかし…舞奈は別だ!


 今もかたくなに俺やモブオ意外とは友達を作ろうとしない......


 本当に困った奴だよ......


 だがしかし、今回は違うぜっ!!


 絶対に四人で一班を作らなくてはならない。

 これは舞奈にもう一人友達が作れるチャンスなんだ!


 俺はこの日をずっと待っていた。

 そして舞奈の友達候補は勿論あの『和久塁聖香わくるいせいか』である。


 俺はこの件で和久塁と数日前から秘密裏に作戦を練っていた。

 そして本日、作戦は実行される!





「さあ、今日は来週に行われる『謎めいた合宿』の班決めを行うわよ。皆ある程度は決まっているかもしれないけど、どうなのかしら?一度分かれてみてくれない?」


「せっ、先生! ちょっと良いですか?」


「何かしら寿志光すしこうさん?」


「班は絶対に四人じゃないと駄目なんですか!? 三人ではいけませんか?」


「三人? うーん…それは厳しいわね~…。うちのクラスは四十名だから四人編成でちょうど十班出来るのよ。それに班同士で競争したりする行事もあるし、どこかの班だけ五人っていうのも何かとやりにくいわね」


「そ、そうなんですか……」


 うわぁぁぁ…舞奈の奴、凄く暗い顔してるわ~


 きっと今、頭の中はマイナスの事しか考えていないよなっ!


「せっ、先生! ちょっといいですか?」


「どうしたのかしら、和久塁さん?」


「じ、実は私達五人はいつも一緒で今回もみんなと同じ班が良くて…。でも今先生が五人は厳しいと言われたので…思い切って私が抜けようかと思うのですが…」


「へぇ〜! 偉いわね、和久塁さん!」


「えーっ! 聖香、本当にいいの!?」

「そうよ! 聖香が抜けなくても良いじゃない!」

「なんかこう、申し訳ないわ!」

「もうこうなったら公平に、ジャンケンで決めようよ!」


「あ、有難う。でも大丈夫よ。私はどの班でも皆と仲良くできる自信あるから!」


「それじゃあ先生からの提案だけど、一人多くて困っていて自分から抜けてくれた和久塁さんが一人足らない寿志光さん達の班に入るっていうのはどうかしら? 布津野君、多田野君、寿志光さん、それでどうかしら?」


「おっ、俺は全然構いませんよ。なっ? モブオ」


「おっ、お~…。俺も全然ウェルカムですよ!」


「寿志光さんはどうかしら?」


「わ…私は…うーん……。どっ…どうしよう…」


「オイ舞奈ぁ! 別に良いじゃないかっ! 和久塁はメッチャ良い奴だぜっ! 俺が保証する!!」


「ふっ、布津野君! 『めっちゃ良い奴』とか『俺が保障する』とか言わないでくれる!? 何だかとっても恥ずかしいじゃない!」


「えっ? そっか~? でもお前良い奴じゃん」


「だから言わないでよ!」(ポッ…)


「ふ…二人共、私の前でイチャイチャしないでくれる!? 特にアナタ! わ、和久塁さんって言ったわね? 私はね、本当は三人が良かったの。それにアナタの事を全然知らないから、今の時点では信用できないし...。でも一矢が良い奴とか保証するとか言うから…。今回は同じ部活仲間の一矢の顔を立てて、アナタを受け入れる事にするわ…」


 舞奈の奴、エライ上から目線で言いやがったな!!


「ホッ、ホントか舞奈!? それは良かった! 本当に良かった! これで安心だぜ~」


「何が安心なのよ?」


「イッ、イヤ…アレだ。俺は負けず嫌いだから、班で競争する様な行事で負けたく無いじゃんか…」


「一矢って負けず嫌いだったっけ?」


「ま、負けず嫌いだよっ! なっ、なぁっ? モブオ!」


「えっ? あ、あぁそうそう!! フツオは昔から超〜負けず嫌いなんだよ! だから三人の班はめちゃくちゃ不利だしね。和久塁さんが加わってくれたら百人力だよ! 和久塁さん、有難う!」


「そんなにアテにされても困るんだけど…。でも私、頑張るわ! そして寿志光さんに信用して貰える様に頑張るからっ! 三人共、宜しくお願いします!」


「まっ、舞奈でいいわよ…」


「…えっ?」


「だから…同じ班だし、私の苗字言いにくいだろうから、私の事は『舞奈』って呼んでくれていいから……」


「えっ! ホントに!? じゃ、じゃあ私の事も聖香って呼んでくれるかな!?」


「わ、分かったわ…。せ…聖香…」


「有難う! これからよろしくね! まっ…舞奈…」


「オイオイオイオイ!! 二人共なんだか青春っぽいなぁっ!!」


「うるさいわね、一矢!!」「うるさいわよ布津野君!!」



 フッ…フフフ......


 二人で俺を突っ込みやがって......

 突っ込みは俺の専売特許だっ!


 しかし……フフ......


 上手くいったぞ〜……


 舞奈の奴、上手い事と引っかかってくれたな…


 フッフフフフ……


 俺は一週間前から既に作戦を実行してたのだよ。


 作戦は、まず先生に事情を説明すると喜んで協力してもらえる事になった。


 そして和久塁の四人の友達も作戦に加わり、クラスのリーダーでもある和久塁がクラス全員の班分けを事前にまとめ、クラスの奴等は全員それを承諾してくれた。


 そうさ!


 舞奈以外のクラス全員がグルなんだよ!!!!


 それもこれも舞奈…、お前の為になっ!!


 それと、和久塁から頼まれてた『舞奈と友達になりたい』というのも、これで何とかなりそうだ。


 こ…これで…ひとまず……


『寿志光舞奈に同級生の女友達を作るぞ作戦 第一段階』成功だ―――――――っ!!



 たまにふと、何で俺がここまでやらないといけないんだと思う事はあるけど、今日は考えない様にするぜっ!!!!


お読み頂き有難うございます。

班分けも一矢の作戦により無事に決まり、次回は合宿へ!

果たしてどんなドタバタラブコメ?が待ち構えているのか!?

そして他のネガティ部部員の出番はあるのかっ!?(笑)

乞うご期待!!

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