第186話 生徒会主催イベントってコレか!?
「うう……はっ!? ここはどこだ!?」
「おっ、やっと目が覚めましたね?」
「ひ、一矢君? ぼ、僕は眠っていたのかい? っていうか、クラスの演劇はどうなったんだろう? ぼ、僕は途中から記憶が無いんだけど……」
「でしょうね。はぁ、しかしマジで大変でしたよ。客席にいる女性全員が子龍先輩の唇を奪おうとしていたんですからね」
「えっ!? な、何の事なんだい!? 一体、何があったんだい!?」
「仁見先輩、アナタは本当に『罪なお顔』に生まれてきましたね?」
「えっ? えっ? 君はたしか……『アクティ部』の羽和さんだったかな……?」
「はい、そうです。羽和です」
「子龍先輩。この羽和さんや今、見張りをしてくれている掛端や津田弟、そして津田先輩がいなかったら先輩の唇はめちゃくちゃ腫れていたかもしれないですよ」
「えーっ!? そ、そうなのぉぉ!?」
「ちっ、しかしお前の顔は『一流』だが他は全て『三流』だな?」
「つ、津田先輩、子龍先輩にそんなキツイことを言わないでくださいよ? ほんと、この人はメンタルも弱いんですからぁ……」
「そ、そうだったな。『ネガティ部』で性格が普通なのは布津野君だけだったな。キツイことを言ってしまい、すまなかったシリッチ。それとだな……ふ、布津野君、アタシの顔をマジマジと見ないでくれるかな? ちょっと恥ずかしいというか、何というか……」
何だ、この可愛らしい『小動物』は!?
っていうか、俺はこの可愛い『小動物』にほんの数時間前に唇を奪われてしまったんだよなぁ……
昨日までは津田先輩のことを少し怖いと思っていたけど、今はなんか、普通に『小柄な美少女』にしか見えないでいる俺が怖いぞ……
「あのぉぉ、津田先輩? ぼ、僕は『シリッチ』なんですか?」
「うるさい!! そんなこと今はどうでもいいんだよ!!」
「ヒエーッ!!」
「おーい、布津野君、羽和さん、姉貴~っ!! 女性達はこの近くにはいないみたいだぞ」
「おっ、そっか。ありがとう、津田弟」
実は俺達は『別館』東側の壁……そう、津田先輩が描いた壁画の前にいる。
「あのさぁ、布津野君? そろそろ俺のことは『翔妬』って呼んでくれないかな? 一緒に戦場で戦った仲なんだしさ……」
戦場って……
毎回そうだけど……俺の事を気に入ってくれているのに本当に申し訳無いけど、こいつの顔が怖くて直視できない俺がいる。
でもまぁ、性格は悪くないのはこの数ヶ月でよく分かっているし、こいつは俺と違って『彼女持ち』だし悔しいが俺よりはそういう意味では『一流』だからな……
別に『翔妬』って呼んでもいいかもしれないな……
「分かったよ、翔妬。今日は『子龍先輩救出作戦』を手伝ってくれてありがとな?」
「い、いや、何言っているんだよ布津野君? お、お礼なんて言わないでくれよぉぉ」
しかし、翔妬の顔は照れていても怖い顔だな。
「それはそうと子龍先輩」
「えっ、何だい一矢君?」
「今回、俺達が子龍先輩を助けることができたのは同じクラスの男子達が数分間、女性達から子龍先輩を守ってくれたおかげなんですよ。だから俺達はギリギリ間に合い助けることができたんです。だからクラスに戻った時にはちゃんとお礼を言ってくださいね?」
「そ、そうだったんだぁ……僕はずっとクラスの男子達に嫌われていると思っていたんだけど、そうでは無かったんだねぇ……今まで僕は皆に対してとても失礼な事を思っていたんだなぁ……よし、分かったよ。凄く恥ずかしいけど、ここは今までのお詫びも含めてしっかりお礼を言わせてもらうよ」
「はい、そうしてください」
実は子龍先輩に言えなかったことがある。
子龍先輩のクラスの男子達が助けた理由……
それは自分達が好きな子までもが子龍先輩の唇を奪おうとしていたのを阻止したかっただけということ……子龍先輩だけに良い思いをさせたくないという男共の嫉妬から来ていることなど……
これはさすがに言えんわ!!
「布津野君、これからどうする?」
「えっ? ああ、そうだな羽和さん。ほんと、これからどうしようかなぁ……『コスプレ喫茶』も気になるし、親父達の動向も気になるし……それに俺は今、ルイルイに思いっきり文句も言ってやりたいしな」
「でも、あと少しで学園祭一日目が終わる時間よ。全部は無理かもしれないわ」
「ああ、そうだな。よし、それじゃぁ子龍先輩も連れて『コスプレ喫茶』に戻るとしようか?」
「おーい、布津野君?」
「ああ、掛端か? ご苦労だったな。別館の入り口はどうだった?」
「それが入り口前に『大人の美女』いや『美熟女』かな? で、その女性達が『コスプレ喫茶』の場所を訪ねてきたんで、僕が『コスプレ喫茶』まで案内していたところなんだ~っ!!」
「はぁぁああ!? 俺はそんなことを聞いてるんじゃないよ!! ってか、見張りしてなかったのかよ!?」
「イヤイヤイヤッ、案内するまではちゃんと見張りはしていたよ~」
「じゃぁ、入り口付近に子龍先輩の唇を奪おうとしている女性達はいないのか?」
「うん、大丈夫だよ~っ!! 多分……」
ほんと、こいつは天翔さんにノリがそっくりだな。
でも女性達を『コスプレ喫茶』まで案内するところは根っからの『ポジティ部部員』なんだよなぁ……
「とりあえず、掛端の言う事を信じて今から『コスプレ喫茶』に行きましょう、子龍先輩。それで先輩には学園祭終了まで裏方をやってもらいますから……」
「オッケー!! そうさせてもらうよ」
「掛端にも引き続き裏方をお願いするけど、津田先輩達はどうされますか?」
「とりあえず私と津田君とで『コスプレ喫茶』の警備をさせてもらうわ!! それでいいよね、津田君!?」
「えっ? ああ、まぁいいけどさ……」
「津田先輩は?」
「アタシは布津野君にお姫様抱っこで『コスプレ喫茶』に連れて行ってほしい」
「いや、それは無理です!! 色んな意味で俺は死んでしまうと思いますので」
「ハッハッハッハ!! 冗談だよ。アタシは『クリエイティ部』の部室に戻るよ」
「そうですか。分かりました。今日はありがとうございました」
ピン ポン パン ポーーーン
『生徒会よりお知らせです。明日の学園祭第二日目のイベントを連絡させて頂きます』
ん? この声は聖香か?
『明日は生徒会主催による……』
おっ、そうだった。
俺は前から生徒会主催のイベントが何か気になっていたんだ。
一体、何をするつもりなんだろう?
『生徒会主催による『ミス・名染伊太』を開催いたします。開始時間は午後十三時、場所は体育館で行われますので一人でも多くの御来場をお待ちしております』
聖香のやつ、ミ、ミスコンをやるつもりだったのか!?
『尚、ミスコン参加者は事前に生徒会で決めております。拒否権はありませんのでご了承ください。もう一度言います。拒否権はありませんから!! 参加者の発表は明日の朝に本館ホールに貼り出しますのでご確認お願い致します。以上、生徒会からのご連絡でした……』
ピン ポン パン ポーーーン……
「はぁぁああ……」
「布津野君、どうしたんだい? ため息なんかついてさ……」
「このミスコン……拒否権が無いということを二回言った時点でさ……」
『ネガティ部女子達』の全員参加は間違い無しだな!!
お読みいただきありがとうございました。
子龍をなんとか救出した一矢だが、新たな嵐の予感を感じさせるイベントを生徒会長の聖香が発表する。
果たして一矢が思っている通り、ネガティ部女子達がミスコンに参加するのか!?
まぁ、参加しないと話が進みませんわな(笑)
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆




