第183話 陰キャで人見知りの王子がハーレムをつくってもいいのか?
ピン ポン パン ポ~ン
『本日13時より体育館にて五つのクラスにて演劇が行われます。多くの方のご参加、お待ちしております』
おっ!? ここ最近、全然出番の無かった子龍先輩が遂に目立つ時が来たぞ。
「菜弥美部長、子龍先輩達の二年一組は何番目に演劇をするのですか?」
「えっ? たしかトップバッターじゃなかったかしら。だよね、テルマ?」
「子龍には興味無いけど、そうだと思うわ……子龍には全然興味は無いけど……」
今、理解したぞ。テルマ先輩の口からたまに出てくる『毒舌』は母親譲りだな。
「そっかぁ、トップバッターなんですねぇ……。でもまぁ、俺達は『コスプレ喫茶』があるから子龍先輩の応援には行けないんですけどね……残念だなぁ……応援に行きたかったんですけどねぇ……」
「布津野君、安心してくれたまえ!!」
「えっ? ああ、掛端……お前いたんだったな?」
「オイオイオイ!! 布津野君、君は失礼な人だな~っ!! 僕と落駒さんは君達が『元ポジティ部』の人達と遊んでいる間もひたすら裏方を頑張っていたんだぞ~っ!!」
「あ、遊んでねぇよ!! でも悪かったな、掛端……で、『安心してくれ』っていうのはどういうことなんだ?」
「それは私から説明させてもらいますね。じゃないと私の存在を忘れられるかもしれないので……」
「ハハハ、落駒さんの言っている意味がよく分からないけど、じゃぁ、説明を頼むよ」
「はい、実は私達『ポジティ部』と『アクティ部』は毎年、『学園祭』のスタッフとして活動しているんです。それで私達『ポジティ部』は各部で催しの手伝いが必要なところに顔を出している訳です」
なるほどな。それでこの二人はうちの手伝いに来てくれたんだもんな。
「それで『アクティ部』の方は各催しに使われる機材の搬入などのお手伝いをしたり、『生徒会』や『運動部』で募集した方々と協力して学園の警備などをやって頂いているんです」
「へぇ、そうなのかぁ……それは知らなかったよ。でも凄く助かるよなぁ……」
これだけ全国からこの学園に人が集まると一人や二人くらい訳の分からない奴だっていそうだもんな。
ん? 『濃すぎるキャラ達』は警備の対象にならないんだな?
「そういうことで、現在『アクティ部』の人達が『ネガティ部』の様に教室から出れない部活に対して『巨大モニター』を設置する為に周っているところです。間もなく、こちらにも『巨大モニター』が設置されますので、この場所で体育館にて行われる演劇を観ることができるでしょう」
「そうなんだ、それは有難いよ!! 先輩達も子龍先輩の芝居が観れて良かったですね!?」
「そうですね。子龍君の雄姿をここで観れるのは本当に助かりますね」
「ですよね、美代先輩」
「ところでさぁ、一矢?」
「ん? どうした、舞奈?」
「子龍先輩のクラスの演劇のタイトルって何だったかな? とても長いタイトルだったような気がするんだけど……」
「うーん、何てタイトルだっけ……テルマ先輩、覚えていますか?」
「私が覚えている訳無いじゃない、一矢君。子龍の演劇には興味無いのだから……」
「そ、それじゃ菜弥美部長はどうです? 覚えていますか?」
「えっ、私!? そ、そうねぇ……何となくだけど、うちのお父さんが小説のタイトルにしそうな感じだったような気がするんだけどなぁ……『ハーレム』っていうワードがあったような……」
「ハーレム!? そ、そうでしたっけ?」
「ハッハッハッハ!! 『ハーレム』と言えば布津野君にピッタリのタイトルなんだけどな~っ!!」
シ――――――――――――――――――ン……
「掛端、何を訳の分からないことを言ってやがるんだ!? 部屋の空気が一瞬にして冷たくなったじゃねぇか!!」
それにみんな顔が真っ赤だし……
「演劇のタイトルは『陰キャで人見知りの王子がハーレムをつくってもいいのか?』よ」
「えっ? そ、そういえばそんなタイトルだったよな? ってか紅伊奈かよ? お前、よくこんな長いタイトルを覚えていたよな!?」
「フフフ、私は結構記憶力がいいのよ。どう一矢君? 私のことを惚れ直したでしょ? だから学園祭が終わったら正式にお付き合いしましょうね?」
「へっ!?」
「バッ、バカな事を言わないでよ、紅伊奈!! そんなことで付き合うだなんておかしいじゃない!!」
「フッ……バカなのは演劇のタイトルを覚えていなかったアナタ達じゃない」
「バッ、バカって何よ!?」
「まぁまぁ、二人共そんなことで揉めるなよ……」
「 「そんなことって何よ!?」 」
「えっ? あ……す、すみません……」
ガラッ…ガラガラッ
「 「皆さん、お待たせ~っ!!」 」
「あっ!? 『アクティ部』の針切部長に羽和さん!!」
「ごきげんよう、布津野君!! 『巨大モニター』を持って来たわよ」
「どこに設置するんだ?」
「二人共ありがとうございます。そ、それじゃモニターは黒板の前に設置していただけますか?」
「 「オッケー」 」
しかし、いくら台車で運んで来たからといっても100インチはある巨大ミニターを二人だけで運んで来るなんて、さすが腕力と体力が自慢の『アクティ部』だけのことはあるよなぁ……
「針なんちゃら君、こんな大変な仕事をやってもらってありがとう」
「な、何を言っているんだ、大石さん!! 俺は君の為ならってか、俺の名前は『針切帝琉』だからね!? お願いだからそろそろ覚えてくれないかなぁ……」
「羽和さんもありがとう。子龍先輩の演劇が観れないんじゃないかって諦めかけていたからさぁ……本当に助かったよ」
「そ、そ、そんなお礼だなんて水臭い事を言わないでよ。私は『アクティ部』の前に『布津野ファンクラブ会長』でもあるんだから、これくらいのことをするのは当たり前じゃない!!」
「いや、その『布津野ファンクラブ』ってのはお願いだから解散してくれないか!?」
【エグゼクティ部 メイド喫茶内】
「そういえばコメコメとロミロミの息子は演劇で主役をするんやったな?」
「あぁ、そうやで」
「そうなのよ。まさか、あの子が主役をやるだなんてねぇ……未だに信じられないわ」
「どんな劇をするんや?」
「うーん、なんやったかな? なんかメチャクチャ長いタイトルの劇やったけどなぁ」
「ちょっと待って。私、入り口で今日の学園祭のパンフレットをもらっているから、そこに劇のタイトルも書いてあるんじゃないかな?」
ゴソゴソゴソ……
「あった、あった。えーっと、ナニナニ……? 子龍の二年一組はっと……『陰キャで人見知りの王子がハーレムをつくってもいいのか?』っていう長ったらしいタイトルみたいね」
「ハッハッハッハ!! まるで『ラブコメ作家』のケシケシが考えるようなタイトルだな!! センスがまるで無い!!」
「う、うるせぇよ、トラトラ先輩!! センスが無いって何だよ!? ってか、マジでその演劇の脚本を書いたのは俺だよ!! まさかヒロミとコメコメの息子が主役を演じるとは知らなかったけどさ……」
「 「 「え――――――――――――――――――っ!!??」 」 」
お読み頂き有り難うございますm(__)m
遂に待ちに待った?子龍先輩の出番がやってきました(笑)
そして演劇の脚本を書いたのがケシケシ先生ということも判明する!
果たしてラノベのような演劇は一体どんなものなのか?
そして人見知りの子龍先輩はちゃんとお芝居ができるのか!?
どうぞ次回もお楽しみに(^-^)/




