第180話 同窓会かよっ!?(挿絵有り)
「この人がテルマ先輩のお母さんなんですか!?」
「う……うん、そうなの……」
「そう、私はテルマのママよ!! そして『元ポジティ部 部長』様よっ!! ハッハッハッハ!!」
マジでテルマ先輩の母親で、それでいて『元ポジティ部 部長』だって!?
まぁ、見た目は同じ金髪外国人だからテルマ先輩の母親と言われても不思議ではないけど、雰囲気が全然違うじゃねぇか!! それに元部長って......
「よーっ、テルマ!! 何だ、お前のそのへんてこりんな衣装は!? めちゃくちゃ面白いじゃないか~っ!! ワーハッハッハッハ!!」
いきなり自分の娘に失礼なことを言う人だな!!
それにテルマ先輩の性格だってよく分かっているはずなのに、そんな気にしてしまう様な事を言うなんて……
「トラトラ先輩、久しぶり~っ!! 相変わらず良いのは顔だけで性格は滅茶苦茶ですやん!!」
「おーっ、ヒトヤン!! いきなりそんなに褒めるんじゃないよ!!」
「ほっ、褒めてねぇだろ!!」
「ん? お前は誰だ?」
「はぁああ!? 俺の事を忘れたのか!?」
「忘れたいけど、忘れてないよ!! そんなことよりもケシケシ!! お前は後輩なんだから私に敬語で話すのが礼儀だろ!?」
えっ? そこはこだわる人なのか!?
「うっ……す、すみません……トラン先輩……」
「それでよし!! ハッハッハッハ!!」
トラン先輩? ってことはテルマ先輩のお母さんの名前は『木西トラン』っていうのか?
ん? 『木西トラン』……『きにしとらん』……『気にしとらん』
名は体を表すってまさにこのことだよなっ!!
「ママ、何で学園祭に来たのよ? アレだけ来ないでって言ったのにさ……」
「何を言っているんだ、テルマ? 自分の娘が可愛い衣装を着ると知っていて来ない親がどこにいる!?」
さっき思いっきり娘の衣装をバカにしていたよな!?
「あっ、そうやトラトラ先輩。俺の息子を紹介しときますわ。この『執事』の格好をしているのが俺の息子で一矢っていいますねん」
「ん? ほう、この『普通の少年』がヒトヤンの息子なのか? ほうほう、でもアレだな。全然『モフモフ感』が無いのは残念だな!!」
「ヒッ、ヒツジじゃねえよ!! って、しまった……」
「ハッハッハッハ!! さすがはヒトヤンの息子だな!! ケシケシなんかよりもキレがあって良い突っ込みだ。あっ、そうか。突っ込みはツメツメ譲りだな!?」
ツメツメ? って、母さんのことか? 八芽……ツメツメ……
なるほどな!! ってか感心している場合じゃないよな。
「トラン先輩!! 一矢君の突っ込みの方が俺よりキレがあるっていうのは聞き捨てならないんですがね!!」
「おい、武志。俺もお前よりもヒトヤンジュニアの方が突っ込みは上だと思うぞ」
「なっ、何だよ。激人までそんなことを言うんじゃねぇよ!!」
「お、お父さん……? もう恥ずかしいから大人しくしてくれないかな?」
「菜弥美までそんなことを言うのか!?」
「おっ? このお嬢ちゃんはケシケシの娘なのか!? おーっ!! めちゃくちゃ可愛いじゃないか!! ケシケシの娘とは思えないくらいだ!! ってことは母親が美人なんだな!? うん、きっとそうだ。間違いない!!」
「あ、有難うございます。で、でも……私が美人だなんて……テルマの方がずっと美人ですし……」
「トラン先輩!! 来てからずっと俺に失礼なことばかり言っている事にそろそろ気付いてもらえませんかね!?」
しかし、テルマ先輩の母親はキャラが強烈過ぎるよな。
うちの親父が可愛く見えてきたぞ……
「ママ、もういいでしょ? 満足したでしょ? そろそろ帰ってもらえないかしら?」
「はぁああ? 何を言っているんだテルマ? 私は今来たところなんだぞ!! これからが『本番』じゃないか!!」
「なっ……何が『本番』よ!! ママ達のお陰でさっきからお客さんが全然来ないのよ!! これは完全な『営業妨害』だと思うわ!!」
おーっ!! 客がいない方が良いと思っているはずのテルマ先輩の口から『営業妨害』という言葉が出て来るなんて……
それだけ、この部屋に母親がいるのが苦痛ってことだよな!?
こ、これは俺としてもテルマ先輩を助けてあげないといけないよな?
「お、親父?」
「何や、一矢?」
「あのさぁ、そろそろ皆さんお引き取り願いたいんだけどさぁ……」
「えーっ!? なんでやねん!?」
「何でやねんじゃねぇよ!! テルマ先輩が今、言った通りだよ!! 親父達がいたら他のお客が委縮してしまって客入りがめちゃくちゃ悪くなっているんだよ!!」
「布津野君の言う通りだぜ、親父!! アタシ達まで何で一緒にここにいなくちゃいけないんだよ!?」
「はぁああ? だってヒトヤンがだなぁ……」
おっ!? 津田先輩? この部屋にいることをすっかり忘れていましたよ。
他の人達のキャラが濃すぎて日頃、ひと際目立つ津田姉弟が全然、目立たないなんて……凄すぎるぞ……
「悪いなぁ、一矢に津田娘!! そやなぁ……俺等みたいなのがおったら他の客は入りづらいかもしれんわなぁ……でもあと少しやってんけどなぁ……なぁ、タイタイ?」
「うん、そうだねぇ……あと少しだったね……」
「へっ? 何があと少しなんだ、親父? それに学園長?」
「布津野君、迷惑をかけてすまなかったね。実はね、今日は僕達にとって『奇跡の日』なんだよ」
「き、奇跡の日ですか?」
「そうなんだ。ここに根津にぃの息子である『根津元気君』と仁見夫妻のところの子龍君がいれば完璧だったんだけどねぇ……。彼等がいれば全員揃うんだよ……」
「全員揃う? 一体どういうことですか?」
「一矢、アンタまだ気づかないの? ホントあんたは『普通に鈍感』な子ね」
「普通は余計だよ、母さん!!」
「正式に言えば僕の息子はまだ中学三年だから完璧とは言えないんだけどね。でも来年になれば津田獏葉さんや根津元気君は卒業してしまうからねぇ……だから今年なんだよ」
学園長は何を言っているんだ? 俺には言っている意味が全然、分からないぞ。
「これはヒトヤンに言われて僕達も気付いたことなんだけどね、今年は僕達が青春時代を過ごした『ポジティ部』の元部員と、その子供達が現役の学園生として勢揃いできる年なんだよ」
「おっ、お――――――――っ!? な、なるほど、そういうことですか!? そ、それは凄いことですよね!?」
「そやろ~一矢~? だから今日は俺等にとっても大事な日やねん。まぁ、ついでに『同窓会』も兼ねてるんやけどな~!!」
「親父、意味は分かったけどさ、別に『同窓会』はここでやらなくてもいいじゃないか!? それにいつまで待っても根津さんはともかく子龍先輩はここには来ないぞ!!」
「えっ、何でや~?」
「子龍先輩のクラスは学園祭で演劇をやるんだよ。そして子龍先輩はその演劇の主役だから特に今日はここへは来れないんだよ!!」
「なっ、なんやて~っ!?」
「孔明君、あの子が演劇で主役をするって事を知ってたの?」
「えっ? ああ、何となくそんなことを言ってたような気がせんでもないなぁ……」
「孔明君のバカ!! そ、それじゃぁヒトヤン!! 私達がここにいても仕方が無いわよ。『同窓会』は後でやりましょうよ!! それより私は早く子龍の『晴れ姿』を観たいわ!!」
「そやな、ロミロミ。俺もあの『超人見知り君』の演技を間近で観てみたいわ~!! よしっ、ほんなら『同窓会』は一旦、止めて今から皆で演劇観に行こかぁ!?」
「 「 「 「お――――――――っ!!!!」 」 」 」
ふぅ……やっと解放されるぞ……
「ほんなら一矢、後で『エグゼクティ部』がお前達に対抗してやっている『メイド喫茶』に来てくれ!! そこで改めて『親子で同窓会』を開催するからなぁぁああ!!」
「親父、俺よりもめちゃくちゃ今日の学園祭に詳しいじゃねぇか!? ってか、始めから『エグゼクティ部』の『メイド喫茶』で『同窓会』をやれよっ!!」
ガラッ…ガラガラッ
ん? こんなバタバタした状況で誰が来たんだ!?
「しっ、師匠~っ!! トラトラ師匠~っ!!」
「お――――――――っ!? ルイルイ、久しぶりだなっ!!」
うわぁぁあああああ!! またしてもとんでもない奴が来てしまったぞっ!!
ってか、今ルイルイの奴……テルマ先輩のお母さんに師匠って言ったよな……??
も、もしかして!!??
お読みいただきありがとうございました。
今年は『奇跡の年』だと聞かされて驚く一矢。
そして『親子で同窓会』をやろうとしていた人志。
そんな中、ルイルイが現れて直ぐにトランのことを『師匠』と呼び......
まだまだ波乱の予感?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆




