第162話 絶世の美少女じゃねぇか!!
「一矢君、先日は有難うございました」
「いえ、こちらこそ有難うございました。美代先輩は『デート』楽しめましたか?」
「はい!! とっても楽しませていただきましたよ」
「そ…そうですかぁ……それは良かったです……」
はぁ……俺もそれなりには楽しめたけど、やっぱりあの『クリエイティ部コンビ』のお陰で『デート』に集中出来なかったのも正直なところだ……
チッ……津田弟の野郎……
あっ、そうだ!! 今日は部活帰りに『クリエイティ部』に顔を出して津田先輩にあの二人は付き合っているのかどうか聞いてやろう……
「美代先輩、いいなぁ……私もデートしたかったなぁ……あっ、でもアレですよ!! 別に一矢とデートがめちゃくちゃしたいって訳では無いですからねっ!!」
な…何だよ、舞奈……結構冷たい奴だなぁ……
って、俺も舞奈とデートがしたいみたいじゃないか!?
「ところで美代先輩?」
「なんでしょうか、菜弥美ちゃん?」
「はい、『メイド喫茶』に行かれてどうでしたか? 『勉強』になりましたか?」
「そうですねぇ……皆さん、とても可愛らしくて……お客様に対しての接し方や気遣いなどは勉強になりましたねぇ……。ほんと『花嫁修行』に向けて良い勉強になりました」
やっぱ、そっちの勉強でしたか!?
「一矢君は何か冴えない顔をしているわね? 何かあったの? それとも美代先輩とのデートが楽しくなかったの?」
「くっ…紅伊奈、バカなことを言うなよ!! 俺も楽しかったに決まっているじゃないか!! ほら、見て見ろ!! 美代先輩がめちゃくちゃ気にしている顔をしてるじゃないか!!」
「美代先輩、今のは冗談ですから……ゴメンなさい。美代先輩だけ一矢君と二度目のデートに行かれたんで少し意地悪したかっただけですので、気になさらないでください」
「そ…そうなんですか? 今のは冗談なのですか? 少し安心しましたが……一矢君も本当にデートを楽しまれたのですか?」
「も…勿論ですよ!! めちゃくちゃ楽しみましたから!!」
「一矢君、その『メイド喫茶』には一矢君から見ても可愛いいメイドさんはいたのかい?」
「えっ? は…はい、いましたよ。今度、子龍先輩も行かれてみてはどうですか? きっと子龍先輩が行けばお店のメイド全員がお世話してくれますよ!!」
「ぜっ…全員だって!? この僕にかい?? そ…それはないと思うけど……一度、僕も行ってみようかな……。その時は一矢君も一緒に行ってくれるかい?」
「ええ、別に構わないですけど……」
「それじゃ、私も一緒に行くわ……」
「なっ…何だよ、テルマ!? 何で君まで付いてくる必要があるんだよ!?」
「だって……だって、私も美代先輩みたいに……は…は…『花嫁修行』をやりたいから……」
うわぁぁああ、テルマ先輩まで『花嫁修行』だなんて……
めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!!
ってか、テルマ先輩が『メイド喫茶』に行ったら間違いなく『メイド』にスカウトされてしまうかもしれないぞ!!
でも、テルマ先輩の『メイド服姿』って……
本物よりも本物っぽいよな!?
【部活終了後】
「あれ? 一矢、どこに行くの? 帰らないの?」
「あ、あぁ……舞奈、悪いけど先に帰ってくれないか? 俺は今から『クリエイティ部』の部室に行こうと思ってるんだ」
「えっ? 『クリエイティ部』ですって!? 何で一矢が行くの?」
「いや、ちょっとさ……津田先輩に聞きたい事があってさ……。おそらく『クリエイティ部』は今度の『学園祭』が主役みたいな部活だから、遅くまで残って創作活動をしているんじゃないかと思ってさ……」
「ふーん……で、一矢は津田先輩に何を聞こうとしているの?」
「えっ? べ…別に何でもいいじゃないか?」
早く帰れよ、舞奈!!
「えーっ? いいじゃない、教えてよぉぉ!!」
あまり拒み過ぎると余計に舞奈は帰らないような気がするから、ここは正直に言ってみるか……
「舞奈……実はな……」
「えっ、え――――――っ!? そうなんだ……ビックリだわ。それはとても気になるわね!?」
「だろう……? ってことで俺はちゃんと教えたんだし舞奈もスッキリしたよな? まぁ、そういう事だから舞奈は速やかに帰ってくれたまえ」
「嫌よっ!!」
「へっ?」
「だから嫌よっ!! 私も井羅須戸部長と津田弟君の関係が気になっちゃったわ!!」
「いや、別に舞奈が気にすることでもないだろぉぉ?」
「気になるわ!! 気になるから私も一矢と一緒に津田先輩のところに行くわ!!」
「え――――――っ!!??」
なっ…何でそうなるんだ!?
【クリエイティ部 部室前】
この部屋が『クリエイティ部』の部室かぁ……何だか緊張してきたぞ……
「一矢、どうしたの? 早く入りましょうよ?」
何だよ、舞奈? お前、『マイナス思考』のくせに、こういう時だけ積極的だよな!?
ガラッ…ガラガラッ
「失礼しま~す……。津田先輩はいらっしゃいますかぁぁ? って……げっ!! 津田弟!!」
「お~っ!!?? ふっ…布津野君じゃないか!? いきなりうちの部に顔を出すなんてどうしたんだい? もしかして俺に会いに来てくれたのかい!?」
「いや、それだけはねぇわ!!」
「えーっ!!?? それは、か…悲し過ぎるよ~っ!! 悲し過ぎて彫刻刀がうまく使えないかもしれないよ!!」
相変わらず騒がしい奴だな!!
どうせお前は三流彫刻家だから彫刻刀をうまく使えることなんて日頃から無いんじゃないのか!?
「いらっしゃい、布津野君に……それと……『お寿司』……」
「寿志光です!! 寿志光舞奈です!!」
「ああ、そうそう……寿志光さんだ……。『マラソン』の時はお互いにお疲れ様だったわね? でもあの時の寿志光さんの走りには私、とても感動したわよ」
「あ…有難うございます、井羅須戸部長……」
「それで、お二人はうちの部に何か用事なの?」
「あっ…はい、そうなんです……」
さすがに本人に「井羅須戸部長と津田弟とは付き合っているんですか?」なんてことは聞けねぇよな……
「あのぉぉ、津田先輩はいらっしゃいますか?」
「ああ、津田先輩なら、この『別館』の東側の壁付近にいると思うよ。おそらく創作活動をやっていると思うわよ」
「そ…そうなんですか? 分かりました。それではそちらに伺わせてもらいます。どうも失礼いたしました!!」
「えーっ!? 布津野君、もう帰るのかい!? 姉貴なんかほっといて俺と彫刻について語ろうよぉぉおお!?」
「井羅須戸部長と語り合えばいいじゃねぇか!!」
「へっ? 何で俺が井羅須戸部長なんかと語り合わなきゃいけないんだ……?」
バッコーーーン!!
「痛っ!!」
「津田、貴様!! 井羅須戸部長なんかとは何だ!」
【別館東側壁付近】
「一矢、アレを見て!? 梯子に登って壁に絵を描いている人がいるわよ!! もしかしてあの人が津田先輩じゃない!?」
「うーん、そうかもな……。小柄な身体からして、あの人は津田先輩に間違いないかもな……」
「でも、津田先輩ってバンダナしていたっけ?」
「いや、普段はしていないと思うけど今は絵を描いているから……長い前髪が邪魔ってことじゃないのか?」
創作中に話しかけたら怒られるかな……
「す…すみません……あのぉぉ……」
「はぁああ!? 誰だい? ってか布津野君じゃないか!?」
へっ? だ…誰、この人……?
「おっ、ピンク娘も来てくれたのか? アタシに何か用かい?」
や…やはり、この人は津田先輩だ……
それなのに前髪を上げた津田先輩はつぶらな瞳で、テルマ先輩にも負けず劣らずの『絶世の美少女』じゃねぇか!!!!
お読みいただきありがとうございました。
津田先輩に井羅須戸部長と津田弟の関係を聞きに来た一矢と舞奈。
津田獏葉は別館の壁に絵を描いている最中だったが、一矢達が見た津田先輩は、な、な、なんと!?
絶世の美少女だった!!
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆




